
「世界遺産」という言葉を耳にしたことはあると思いますが、いつ登録が始まり、どのような審査を経ているのか、などご存じでしょうか?文化庁などに取材しました。
Q.「世界遺産」って何?
A.1972年にユネスコ=国連教育科学文化機関の総会で採択された「世界遺産条約」に基づいて選ばれた、人類共通の文化財や自然のことを指します。日本は1992年に条約を締結しました。世界遺産になるには「顕著な普遍的価値」を持つと認められる必要があるほか、価値を保全する措置が取られている必要があります。
Q.どうやって決まるの?
A.条約を締結している各国の政府が自国の候補を推薦し、ユネスコの諮問機関が審査・勧告します。勧告には4種類あり、評価が高い順に(1)記載(2)情報照会(3)記載延期(4)不記載となっています。
Q.4種類の勧告はどう違うの?
A.▼「記載」は世界遺産一覧表に記載(登録)することを求めるもの。▼「情報照会」は諮問機関が推薦国に対して3年以内に追加情報の提出を求めて再度審査するもの。▼「記載延期」はさらなる調査や推薦書の改定が必要とみなされるもの。▼「不記載」は世界遺産として「ふさわしくない」ことを示すものです。勧告が出た後、ユネスコの世界遺産委員会で最終的な登録の可否が決まります。
Q.ユネスコの世界遺産委員会が諮問機関の勧告と違う結論を出すことはあるの?
A.あります。諮問機関で「記載」と評価されたものは、その後の世界遺産委員会でも「記載」とされますが、その他の勧告は変わる可能性があります。日本で2024年に登録された新潟県の「佐渡島の金山」は、諮問機関の評価は「情報照会」でしたが、世界遺産委員会では「記載」とされました。
Q.世界遺産にもいくつか種類があるの?
A.大きく分けて3種類あります。歴史的な建築物や遺跡などの「文化遺産」、貴重な生態系や地形などの「自然遺産」、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えた「複合遺産」です。
Q.日本にある世界遺産は?
A.1993年に文化遺産として奈良県の「法隆寺地域の仏教建造物」と兵庫県の「姫路城」、自然遺産として鹿児島県の「屋久島」、青森県・秋田県の「白神山地」が登録されました。その他にも、文化遺産では広島県の「原爆ドーム」、栃木県の「日光の社寺」、自然遺産では北海道の「知床」、東京都の「小笠原諸島」などがあり、2025年8月時点で26件が登録されています。
世界では、文化遺産が972件、自然遺産が235件、複合遺産が41件あり、合計1248件(2025年8月現在)が登録されています。
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