国民会議で議論されている食料品の消費税減税ですが、「0%」ではなく「1%」への引き下げが有力な案として浮上してきています。
消費減税 “税率1%”案が有力?現場からは懸念の声
井上貴博キャスター:
先の衆院選で自民党が公約に掲げた『食料品の消費税2年間ゼロ』検討の加速。
この消費税減税について政府は『給付付き税額控除』を導入するまでの“つなぎ”との考えを示しています。高市総理も「(消費税ゼロは)私自身の悲願」と述べていました。
ただ、消費税ゼロを実施する上でレジシステムの改修などが課題となっています。そんな中、税率を「1%」とする案が政府内で有力となっていることがわかりました。
税率0%になった場合、小売りや百貨店などのレジシステムの改修に1年程度の時間がかかるといわれています。関係者からは「2年後また税率が変わったら困る」との声があがっているようです。
また、外食産業をみると、食料品・弁当などの消費税は現在8%。それが0%になると、外食は10%のままなので、差が開くことになります。現場からは「外食離れが起こるのではないか」という懸念の声も出ています。
そこで、あるレジシステムのメーカーから「税率1%なら3か月程度で対応可能」などの提案があり、4月下旬ごろから消費税“1%”に注目が集まったのです。
世界各国をみると、税率の上げ下げは柔軟に行っているようですが、なぜ日本はそれができないのでしょうか。
信州大学特任教授 山口真由さん:
レジの改修に1年かかるのは、「決して間違いがあってはいけない。手動で直すことはあってはならない」という日本的な考え方によるものだと思います。
「税率ゼロ」は、新たな税区分になるので、メーカー側でも店舗側でも動作確認のテストも必要になってくるはずです。
出水麻衣キャスター:
街の声を聞くと、「一度、税率ゼロにできるようにした方が今後、柔軟な税の運用ができるのでは」という声もありました。
消費税0%と1% 家計の負担はどうなる?
井上キャスター:
経済的な比較をすると、どのような違いが出てくるのか。
野村総研 エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの試算によると、消費税0%と1%で、年間の家計(4人家族)への負担減少額の差は8409円とみているということです。
【消費税0%】
・システム改修期間:約1年
・財源(年間):約5兆円
・家計の負担減(年間 / 4人家族の場合):6万7272円
【消費税1%】
・システム改修期間(大手メーカー3社):3~6か月
・財源(年間):約4兆4000億円
・家計の負担減(年間 / 4人家族の場合):5万8863円
(システム改修期間は国民会議でのヒアリングによると)
「0になるなら待つ」「早さの方が大事」税率について様々な声
0%か1%か。街でも様々な意見がありました。
【0%を支持】
50代「0になるなら待ってもいいかな」
60代「1%だと『公約と違う』と、また別の話が出てきそう」
【1%を支持】
20代「早さの方が大事。1年後に物価がさらに高くなっていたら意味がない」
30代「すぐやってほしい。(今)食料品関係が高すぎる」
世論調査では「税率1%」に多くの支持が集まりました。
【JNN世論調査】
・公約通り0%にすべき:24%
・時間が短縮できるなら1%:47%
・減税すべきではない(増税すべきを含む):26%
(5月2日・3日 全国18歳以上が対象 RDD方式 / 有効回答1026人)
信州大学特任教授 山口真由さん:
経済学でみると、物価高対策として消費減税をするのは、かなり批判が強いと思います。
ただ、政治的なイメージで税率0%にこだわった中で、現実的に税率1%で検討するのはあり得るのかなと。
国民民主党なども提案していますが、消費税を機動的に変えられるよう、政治の面からも含め、システム全体を考えることが長期的に意義があると思います。
出水キャスター:
世論調査では、財源の問題から「減税すべきではない」という意見も多くあります。「大丈夫です」というような情報が出てこないと、諸手を挙げて賛成できませんよね。
井上キャスター:
市場としても、円安進行への懸念があるので、財源について説明をしてもらわないと安心できませんよね。財務省はどのように考えているのでしょうか。
信州大学特任教授 山口真由さん:
私の想像ですが、2年に限定するのであれば、財源は年間5兆円程度なので何とかなると思います。ただ、それが恒久的になると難しいでしょう。
私たちが、より長期的に考えるべきなのは、消費減税が“つなぎ”であって、今、国民会議などで議論されている、その先の『給付付き税額控除』の全体像にもきちんと注目が集まるべきだと思います。
消費減税 いつから?
井上キャスター:
消費税減税に向けての今後のスケジュールです
【消費税減税 今後のスケジュール】
・6月下旬:国民会議で中間とりまとめ→高市総理が最終判断
・26年末?:臨時国会で審議・成立?
・26年度内?:2年間限定で「食料品消費税」開始
・28年7月:参院選
================
<プロフィール>
山口真由さん
信州大学特任教授
ZEN大学教授
財務省、弁護士を経て現在は「家族法」研究が専門
・「コバエが、料理に一瞬だけ止まってしまった!」その料理、衛生的に大丈夫?専門家に聞いた
・“ポカリ”と“アクエリ” 実は飲むべき時が違った! “何となく”で選んでいませんか?効果的な飲み分けを解説【Nスタ解説】
・55歳母親を暴行死させた37歳男は“ヤングケアラー”だった 10歳から家事に追われた男と母親の「狂気の関係」
