
50歳の節目に、保育園の“園長”にチャレンジする男性がいます。ヒップホップグループ・NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバー、XBSさん。ラッパーが、なぜ保育の世界に踏み出すことになったのでしょうか。その先に見据える、新たな保育の形とは?
原宿で“ラッパー園長”誕生
ファッションの街、原宿。その一角に小さな、新しい保育園があります。
この日は入園式。新たに入園した子供を、プロによるお祝いの演奏で迎えていました。
笑顔でシャッターを切るXBSさん。実は、知る人ぞ知る“ラッパー”です。
ヒップホップグループ「NITRO MICROPHONE UNDERGROUND」。
2000年にメジャーデビューし、デビューアルバムの総売り上げはこの時代としては異例の17万枚以上。その後の世代に大きな影響を与えた伝説のグループです。
そのメンバーの1人がXBSさん。50歳の節目に、新たに挑戦を始めたのが「保育」です。
4月、マザーグース神宮前保育園の、“ラッパー園長”に就任しました。
XBSさん
「よく『ラップを教えるんですか?』みたいに言われるが、全然そんなんじゃなくて。いろんな音楽を聞かせてあげられたらいいなって思ってたり。いろんなアートなどに触れる機会をどうにか作れればとは思っている」
手探りの日々が続いてます。
「子どもの泣き声の聞こえ方が変わった」保育の現場で心境の変化
なぜ“園長”に?きっかけは2025年の夏、保育園側からの誘いでした。
XBSさん
「僕は結婚もしていない、子どももいない状況で、社会の接点というのがなかなか見い出しにくい部分もあった。社会に対して何かできることはないかということを模索し始めたときに、ちょうどご縁で話をいただいた。2025年の5月に母を亡くしたというのも大きな一端」
シングルマザーで育ててくれた母親の「四十九日」と、「決断の期限」が偶然重なったことも背中を押しました。
XBSさん
「僕も正直最初は迷っていて、期せずしてその日だったというのも、新たな挑戦に向けるきっかけの日だった」
XBSさんは保育士の資格を持っていないため、現場では、補助的な業務を行っています。
保育の現場を目の当たりにして心境には変化が…
XBSさん
「(子どもの)泣き声の聞こえ方が変わった。全然うるさくないというふうに。こんな育児って大変なんだというのは改めて思ったことだし、みんなすごいなと」
ヒップホップで培った“人とのつながりの大切さ”を伝える
保育園側も新たな保育の形を模索していました。
マザーグース神宮前保育園(企業主導型保育園)では、保護者の働き方に合わせた対応をとるなど、柔軟なサービスを提供することを特徴としています。
「子育てを社会全体のテーマとして捉え直す」ことを掲げていて、「より多くの人に、保育に関心を持って欲しい」と、ラッパーであるXBSさんに異例のオファーを出しました。
マザーグース神宮前保育園 猪瀬真菜 施設長
「今まで子育てに関心がなかった人にもリーチできるのは、(XBSさんの)強みだと思う」
XBSさんの目標は、「ヒップホップで培った“人とのつながりの大切さ”」を伝えていくこと。
XBSさん
「僕のやってるヒップホップというのは、コミュニティの中で育まれるもの。みんなで子どもを育てるような社会に、そういう感覚がみんなに染み付けば、もうちょっと子育ての環境というのは、良くなっていくのではないかと思っている」
保護者
「見た目はやっぱラッパーって感じでいかついんですけど、すごく優しさが溢れ出てるような方で、安心して保育園に預けられるのはすごく感じる」
「音楽とか、そういうアートとかにも関われるのも楽しみなので、子どもを預けられる場としてはすごく新しいなと。楽しみ」
ラッパーとして生きてきたXBSさんに加わった「ラッパー園長」という新たな肩書き。
XBSさん
「こういう僕みたいな人が保育に関わるという新しい形を世の中に伝えていって、みんなが保育に少しでも興味を持つような形になればいいなと思っているスタートなんで、わくわくしている」
みんなで子どもを育てる社会に
藤森祥平キャスター:
皆さん良い表情をされていますね。優しさが溢れている園長さんが、手探りの状態だからこそ尊いなという感じがしました。
トラウデン直美さん:
これまで子どもと関わってこなかったけど、自分自身のバックグラウンド、音楽、アートをカルチャーの発信地である渋谷で、お子さんと関わりながら、活動されているのはすごく素敵だなと思いました。
子どもにとっても、いろいろな新しいものに触れる機会になって、とてもたくさんの学びというか、感性を刺激される出来事がきっとたくさんあるだろうなと思いました。
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<プロフィール>
トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行
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