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キャラが悩みを聞く「アニメ療法」 “お互い理解しあう”新たなカウンセリング 若者の“孤独な心”に寄り添う一歩に?【news23】

国内
2026-04-03 18:09

新年度を迎え、学校も始まる季節。しかし、環境の変化などから悩みを抱え込んでしまう子どもも少なくありません。その“生きづらさ”にアニメのキャラクターを通じて寄り添う、「アニメ療法」と呼ばれるカウンセリングの研究が始まっています。


【写真を見る】妹キャラや紳士キャラ…アニメ療法のキャラクター


キャラが悩みを聞く…若者救う?「アニメ療法」

「はじめまして。きょう相談に乗る、黒糖凪です」


悩みを抱える人のカウンセリングを行うのは、女の子のキャラクターです。


「気持ちのコントロールが苦手な人の相談に乗れたら嬉しいなと」


女の子は「アニメ療法」と呼ばれる、新たなカウンセリングの中から生まれました。

「アニメ療法」は、2025年10月から横浜市立大学と大日本印刷によって研究が進められていて、費用の一部は国が補助しています。


横浜市立大学 石井美緒さん
「10代20代の時期に精神不調の最初のイベントを経験する方が多い。何らかの精神疾患を経験する方のうち、4分の3は24歳までに経験するデータがある」


現在、若い世代への効果を検証しているアニメ療法。


6人のオリジナルキャラから1人を選び、オンラインでカウンセリングを行いますが、通常と違うのは、キャラが全員苦悩した経験を持っていること。カウンセラー側も悩みを打ち明けます。記者がやり取りしてみると…


“キャラ”の声は誰が?「ちょっとでも興味関心をポジティブに」

記者
「TBSテレビの勝井と申します、よろしくお願いします」


キャラクター
「向日葵七日です。よろしくお願いします。私が高校生なので、高校の中のシーンという設定です」


向日葵七日さんは、部活での悩みを抱えています。


向日葵七日さん(キャラクター)
「カブトムシを戦わせる部活の部長をしているので、今、カブトムシを手に持っています。黄金のカブトムシです。なかなかうまくいかないこともあって、そういう時に私もちょっと気持ちが落ち込んだことがあるので、その体験をもとにカウンセラーとしてお話を聞いています」


記者
「仕事で疲れた時に効くアドバイスは?」

向日葵七日さん(キャラクター)
「やっぱり好きなことを持って、自分がホッとできて楽しめる時間を持つことがとても大事なことかなと」


キャラの声はAIではなく、ボイスチェンジャーを使っています。臨床心理士などの資格を持つ人がキャラになりきるのも特徴です。


横浜市立大学 石井美緒さん
「アニメを入口に、普通に行くとハードルの高いカウンセリングや気持ちの相談に、ちょっとでも興味関心をポジティブに持ってもらえるといいなと」


“一緒に悩みを解決していく”カウンセリング

2025年に自殺した小中高生は538人に上り、過去最多。動機としては、学業や進路に関する学校問題が最も多くなっています。

アニメ療法を受けたある大学生は進路などに悩みを抱え、2か月ほどで8回アニメ療法を受けたといいます。


アニメ療法を受けた大学生
「イケオジみたいなキャラクターを選ぼうとしてたんですけれども、日程が合わなかったので14歳の男の子みたいなキャラクターに。兄弟みたいな感覚になって話した。カウンセラーさんってなると大人の方になると思うので、かしこまって話さないといけないというプレッシャーがなかった」


弟キャラの「神社の家業を継がないといけない」という話を聞きながら、悩みを相談しあったといいます。


アニメ療法を受けた大学生
「普通の対人のカウンセリングだと、自分の悩みを吐き出すというか、聞いてもらうタイプだと思うんですけど、悩みを一緒に解決に向かうための話ができたのが一番大きかったかなと」


相談相手のことを知って、一緒に悩みを解決していく。


考案者でイタリア人の精神科医である、パントー・フランチェスコさんは、この関係性が“アニメ療法ならでは”と話します。


アニメ療法の考案者 パントー・フランチェスコさん
「カウンセラーは指導者であってプロフェッショナリズムがあり、自己開示はできない。でも人間ってお互い理解した、理解し合った上で信用する。アニメ療法はそのような問題点を乗り越えられるんじゃないかなと思う」


パントーさん自身はイタリアで生まれ育ったものの、周りと馴染めず孤独を感じていました。そんなとき、イタリアのテレビで流れていた日本のアニメが心の支えに。

その後来日し、自身の経験からアニメ療法を思いつきました。


アニメ療法の考案者 パントー・フランチェスコさん
「日本の作品と触れた時、自分の葛藤を表現してくれる描写が多くて、(アニメ療法の)一つの夢としては、既存のキャラクターも招いて、大好きなキャラクターと話せる未来を想像してます」


若者の相談相手はAI 「アニメ療法」は“孤独な心”寄り添う一歩に?

小川彩佳キャスター:
うつ病に悩む人のうち、4人に3人が医療機関を受診することができていないと言われている中で、まず相談しやすい環境を整えていくことが大事だと感じます。


教育経済学者 中室牧子さん:
私も最近大学生に聞いて驚いたのが、相談をする相手がAIになっているということです。実際にいろんな研究を見ても、特に若い人たちは、何か困ったことがあったときに、誰か人に相談するのではなくてAIに相談するということです。気を遣わないし、断られるリスクがないといった理由だと思いますが、こういったアニメのキャラクターを使うと、匿名性があるので、自己開示がしやすいところはあると思います。

やはり相談窓口の間口を広げていくことは非常に重要で、その意味では良い効果が期待できるのではないかと思います。


藤森祥平キャスター:
さらに今回は、キャラクターの向こう側には臨床心理士などの資格を持ったカウンセラーがいるというのは、本当に心強いことです。


教育経済学者 中室牧子さん:
やはり今後はこういった相談の窓口から、しっかりと1人1人に合った解決策を丁寧に見い出していくような支援に繋げることも重要ではないかと思います。


小川キャスター:
そのために、まず入口を整えていくということですね。


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<プロフィール>

中室牧子さん
教育経済学者 教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」


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