68年前に都立病院で生まれた直後の男性が別の赤ちゃんと取り違えられた問題で、調査を命じられた東京都が報告書をまとめました。「取り違えの相手を特定できていない」とする都に対し、男性は別の方法での調査を求めています。
東京都の担当者
「現時点で取り違えの相手を特定できておりません」
失望した様子で東京都からの報告書を受け取った男性。江蔵智さん(67)です。68年前、墨田区にあった都立病院で生まれた直後、病院のミスにより他の赤ちゃんと取り違えられ、生みの親を捜し続けてきました。
江蔵智さん
「両親を知るまで、どんな方か調べていただきたいというのが、僕の願いであります」
生みの親を捜し始めて20年が経った去年4月、事態は急転しました。江蔵さんが東京都に生みの親を捜すよう求めた裁判で、東京地裁がこの訴えを認め、都に調査を命じたのです。
江蔵智さん
「謝罪をいただき、調査をしていただけるということなんで、大変期待をしております」
都は墨田区から戸籍情報の提供を受けて江蔵さんと同じ1958年4月に出生届が出された男性とその両親を割り出し、調査を開始。江蔵さんは対象者に直接会って話すことを求めましたが、都は家族などに調査対象であることが漏れるおそれがあるとして戸別訪問は行わず、郵送で調査をすることに。
「少しでも自分の思いを伝えたい」こう考えた江蔵さんは手紙を同封しました。
江蔵さんの手紙
「私は誰から生まれた何者なのかを知りたいだけなのです」
もうひとつ、江蔵さんが手紙に託したのは育ての母・チヨ子さんの願いです。
「お腹を痛めて産んだ子に一目会いたい」というチヨ子さんは、去年11月、調査結果を知ることなく93歳で亡くなりました。
それからおよそ4か月、突きつけられたのは「取り違えの相手を特定できていない」という現実でした。都の担当者は…
東京都の担当者
「我々ができることは十分やったと思います」
「東京都側から積極的に働きかけるものについてはここまで」
江蔵さんは無言で会見場を後にしました。
江蔵智さん
「はらわたが煮えくりかえるような気持ち。それで終わらされると思うと悔しくてしょうがないです」
江蔵さんは今後について、対象者を戸別訪問して調査することを求めましたが、都は「後日、回答する」としています。
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