大手ネット通販サイト「楽天市場」で今、アカウントを乗っ取られる被害が相次いでいます。アカウントを乗っ取っていたとみられるのは、中国の業者。JNNが追跡しました。
被害に遭った女性
「自分の購入履歴を見たら、身に覚えがない注文が1件あって」
埼玉県に住む30代の女性。3か月前、大手ネット通販サイト「楽天市場」で使用するアカウントが突然乗っ取られ、商品を勝手に購入されてしまったといいます。そのなかで、ひとつ不可解だったのが…
被害に遭った女性
「他人のカードが勝手に登録されていて、それで決済されていました」
女性が登録していたクレジットカードは使われていなかったのです。
警視庁には同様の相談が去年7月からの半年ほどでおよそ400件あり、捜査の結果、中国の複数の業者の関与が浮上しました。警視庁がつかんだ実態はこうです。
中国の業者は、「Amazon」や「Qoo10」などの通販サイトに在庫がない状態で商品を出す「架空出品」をします。客からの注文を受け、入金を確認した後、乗っ取った他人のアカウントで「楽天市場」にログインし、楽天市場で売られている同じ商品を購入。「送り先」を客の住所に指定し、楽天市場から直接、商品が届くようにするのです。
この際、アカウントの所有者のクレジットカードは使わず、不正に入手したさらに別人のクレジットカードを使っていました。
つまり、中国の業者は商品を仕入れてもいないのに、他人の金を使って客のもとに商品を届けて代金を受け取り、出品にかかる手数料を除いた分を利益にしていたのです。
こうした業者が実際に出店しているサイトを見てみると…
記者
「かなり高評価ですね。星が五つ付いています」
家具や日用品などの商品は、一般的な価格より1割以上安い値段で販売されていました。他の店と価格差をつけることで、購入者を多く集めていたとみられます。
アカウントを乗っ取られた女性は金銭的な被害はなかったものの、不安はぬぐえません。
被害に遭った女性
「個人情報が抜かれているかなとか、私のカード情報も抜かれているかなと。楽天市場・楽天トラベル・楽天証券をメインで使っているので困りますね」
自分のカード情報を盗まれたり、楽天市場以外にも連携している楽天の様々なサービスに影響が出たりする可能性もあります。
架空出品をしている業者はどこにいるのか、JNNはサイトに掲載されていた中国・上海市内の住所を訪ねました。
記者
「店の住所にやってきました。車の修理工場なのか、多くの車が止まっています」
この店が架空出品をしていたのでしょうか。
店主
「(Q.日本のネットショップに出店したことはありますか?)ないです、ないです」
ここが架空出品業者の住所になっていることを伝えると…
店主
「そんなわけないでしょ、うちはそんなことやったことない。そりゃ偽物でしょ、そんなわけないじゃないですか。(Q.住所が勝手に使われていると聞いて?)そりゃ詐欺ですよ、これは」
さらに、別の架空出品業者の住所も訪ねてみましたが…応答はありませんでした。近くに住む人は「2年ほど空室で、人の出入りを見たことはない」と話します。
これらの業者が架空出品で利用していた通販サイト「Qoo10」はJNNの取材に対し、次のようにコメントしました。
通販サイト Qoo10
「ご指摘の出品者はすでに制限措置が完了しています。不正手口が巧妙化する中、より実効性の高い対策の検討・導入を進めてまいります」
警視庁は、通販サイトを利用する際は「出品者の店舗の所在地や販売実績などを確認し、商品の値段が過度に安くないか注意してほしい」などと呼びかけています。
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