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「平均24万365円」大学入学金の“二重払い”問題 なぜ起きる? 学生の23.5%が「複数の大学に払う」【Nスタ解説】

国内
2026-03-10 21:52

大学入試も佳境を迎え、25日から国公立大学の二次試験が始まりましたが、受験生や保護者を悩ませるのが、「入学金の二重払い」問題です。滑り止めの大学にも払う入学金の見直しに向け、文科省が動き出しています。(Nスタ 2026年2月25日放送)


【写真で見る】23.5%の学生「複数の大学に入学金を払う」


大学入学金“二重払い” なぜ起きる?

高柳光稀キャスター:
なぜ二重払いが起きるのでしょうか。例で見ていきます。


【大学入学金】二重払いになる理由
2月15日 第二志望 合格発表
2月25日 第二志望 入学金納付期限
3月5日 第一志望 合格発表
3月10日 第一志望 入学金納付期限


第二志望の大学に合格し、この入学金納付期限が2月25日。第一志望の大学の合格発表が3月5日となった場合、第二志望の大学の入学金を支払わなければ、入学の権利がなくなります。


第一志望の大学に合格して入学金を支払いますが、第二志望の大学からは入学金は返還されないので「二重払い」の問題が起きます。


最初に受かった大学が待ってくれるということはないのでしょうか?


TBS報道局社会部 文部科学省担当 辻本志郎記者:
大学側としては、どれだけの受験生が実際に入学してくれるのかを早い段階で確定させたいという事情があります。


入学金を設けておくことで、入学意思の強い受験生の人数を把握でき、追加合格者を出すかどうかの判断を一定程度できるということです。


一方、追加合格の対象となる受験生にとっても、早い段階で入学手続きに入ることができるという利点があるといいます。


23.5%の学生「複数の大学に入学金を払う」

高柳キャスター:
文科省の調査(2023年)によると、複数の大学に入学金を払ったという学生の割合は23.5%で、全体の4分の1程度に上っています。


そして、私立大学の入学金の平均は24万365円となっています。


辻本記者:
2025年の全国大学生活協同組合連合の調査によると、入学までに購入した「教科書・教材・パソコン」の費用は平均22万5200円でした。つまり、入学金でカバーできておつりが出る金額になります。


取材した大学1年生は、大学生協の推奨のパソコンを約20万円で購入し「(入学しなかった大学の)入学金で支払った額と一緒…ということが頭をよぎりました」と話していました。


高柳キャスター:
2校とも限らない学生もいるでしょうし、家庭には負担になってしまうということですね。


出水麻衣キャスター:
大学に進学したいけれども断念した学生さんの大多数の理由は、やはり金銭的なものが大きいので、少しでも優遇があれば、それを原資にすることもできると思います。


「The HEADLINE」編集長 石田健さん:
大学やあらゆる高等教育機関において、とりあえず行かないと次の就職やキャリアが見えないという社会全体の構造自体も問われています。


その中で、どこかには入りたいということで、入学金を払わざるを得ません。もちろん文科省側の問題でもありますが、「そもそもそういったキャリアステップやライフステップでいいのか」というところも併せて考えて欲しいです。


2025年には“入学料の負担軽減”を文科省が通知 実際に動いた大学は?

高柳キャスター:
問題があるのではないかということで、2025年6月、文科省が私立の大学や短大に通知を出しました。


【文科省の通知】
(1)学生や保護者に理解されるように積極的な説明
(2)学生の経済的な負担軽減のため入学料の抑制に努める
(3)入学しない学生の入学料の負担軽減に努める


2025年12月に、私立の大学や短大に「入学しない学生の入学料について」アンケートを実施しました。全836校中210校が「何らかの措置をとる、検討する」と回答しています。


辻本記者:
ただ詳しく見ると、「2026年の受験から対応する」と回答した大学は83校で、全体の1割程度で、必ずしもすぐに多くの大学が措置を講じているわけではないということです。


2026年の受験から実行に移した大学を2校紹介します。


▼東京純心大学
全額返金


▼文化学園大学
10万円を差し引いて返金


出水キャスター:
入学金という大きな金額で入学意思を確かめるのではなくて、もっと違うやり方で大学に対して魅力を学生さんが感じられるような施策ができるといいですよね。


石田健さん:
大学側も当然ビジネスであるという意味では、より多くの入学者を集めたい。特に大学全入時代においては競争も激しくなっています。


もちろん、ビジネス的な観点も重要ですが、本来は教育機関であるということを考えると、お金で人を惹きつけるのではなく、教育の質やどんな研究環境を提供できるかといった点で、大学が選ばれる状態が健全寄りだと思います。


既存の大学の中でどう競争するかではなく、どういった教育、そしてどういったその先を提供すれば、よりよい人材が育つかというところを考えて欲しいです。


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<プロフィール>
辻本志郎
TBS報道局社会部 文部科学省担当
子ども3人 教育費に震え止まらず

石田健さん
ニュース解説メディア「The HEADLINE」編集長
鋭い視点で政治・経済・社会問題などを解説


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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