
2024年から首都圏で相次いだ、いわゆる闇バイトによる強盗事件。合同捜査本部は2025年12月、一連の事件を指示した首謀者とみられる4人にたどり着きました。
【写真を見る】「警察に捕まる人間はいない」トクリュウ元幹部が語る組織の実態「ずっとお面」「本名言ったことがない」「完全に駒」【報道の日2025】
匿名流動型犯罪グループ『トクリュウ』。その実態を探るため、TBSテレビ「報道の日」では、闇バイト経験者や暴力団幹部を徹底取材。さらに、詐欺グループで闇バイトの採用などを行っていた幹部がトクリュウの実態を激白しました。
「ずっとお面付けている」「本名言ったことがない」トクリュウ幹部が語る実態
トクリュウ元幹部
「集めた金額、確実に億はいってますよ」
カメラの前でそう語る男性は、数か月前まで、詐欺グループの幹部として闇バイトの採用などを行っていました。
元幹部の男性が所属していた組織では、かけ子やリクルーターの他に「番頭」と呼ばれる人物がいて、事務所のなかで監視の目を光らせていたといいます。
トクリュウ元幹部
「番頭さんという方がすごい方で、ずっとお面をつけているんですよ、会社の中で」
事務所の中で番頭は常にお面をつけていて、幹部陣に対しても顔や名前を明かさない。さらに、男性を含む幹部陣も…
トクリュウ元幹部
「お互いに偽名で呼び合っていたので、ぼくも本名は一回も言ったことがないですね」
「闇バイトで来るような子たちは、切り捨てても、こっちの正体は分からない」
「完全に『駒』ですね」
幹部陣は事務所に身を潜めて、匿名性の高いアプリで捨て駒の「闇バイト」に犯行を重ねさせる。実際、2024年にトクリュウの関与が疑われた事件で逮捕された人数のおよそ9割は末端の実行役でした。
「辞めたら親の方にいくぞ」闇バイト経験者が語る恐怖
詐欺に加担し、「捨て駒」にされた少年は…
少年
「ぼくの場合は詐欺でしたけど、このまま続けていれば強盗殺人になっていたかもしれない。ヒートアップしてしまうじゃないですか」
少年はSNSで高額な報酬に釣られて「闇バイト」に応募。途中で犯罪に気付いたといいますが…
少年
「こういう仕事なら辞めますと言ったんですけど、送っているじゃないですか、個人情報を。(辞めたら)親の方にも行くぞみたいなメッセージも来ましたね」
「見放すことはできない」家族にものしかかる闇バイトの罪
闇バイトの影響は、その家族にも重くのしかかります。
2024年10月、横浜市の住宅で起きた強盗致死事件。その実行犯として起訴された宝田真月被告(23)の祖父は、孫に会うため、今も拘置所に通い続けています。
宝田被告の祖父
「やっぱり孫だし、可愛いからね。見捨てるとか、見放すことはできないじゃないですか」
「じいじって言われていましたね。旅行に行ったり、温泉行ったりね。可能な限り連れて歩いていました」
実行役として、藤井柊被告(28)、久保田陸斗被告(22)とともに強盗致死の罪で起訴された宝田被告。SNSで「ホワイト案件」などと書かれた求人に応募しました。
事件後、部屋に残されていたのはー
ーーこれって証明写真?
宝田被告の祖父
「今回の『ホワイト案件』に使ったんじゃない?」
宝田被告は、顔も名前も分からない相手から、匿名性の高いアプリで指示を受け、他の実行役2人と初めて会いました。途中で闇バイトだと気づいたものの、すでに個人情報を握られていた恐怖から、抜け出せなかったという趣旨の供述をしています。事件から1年以上が経っても、祖父には多くを語りません。
宝田被告の祖父
「1年経ったけど、心境はどうなんですかって聞いたんですけど、公判前なので、むやみなことは話せないって…。それ以上は聞けなかったですね」
「警察に捕まる人間はいない」闇に消える1100億円
「駒」である実行犯らが次々逮捕されるなか、トクリュウ元幹部は、自分たちに捜査の手が及ぶことは絶対にないと断言します。
トクリュウ元幹部
「僕らで警察に捕まる人間はいないと思います」
2025年10月末までの特殊詐欺の被害額は約1100億円。1日に3億6000万円以上が、「闇」に消えています。
TBS系列で12月28日放送(午前9時54分~)『報道の日2025』では、さらに核心に迫るトクリュウ元幹部の証言を紹介。役割を細分化し、幹部が捕まるリスクを徹底的に排除するトクリュウ組織の全容に迫ります。
・「インフルにかかる人・かからない人の違いは?」「医師はどう予防?」インフルエンザの疑問を専門家に聞く【ひるおび】
・【全文公開】“ラブホテル密会” 小川晶・前橋市長の謝罪会見【後編】「どちらからホテルに誘うことが多かった?」記者と小川晶市長の一問一答(9月24日夜)
・「あんな微罪で死ぬことはないだろう…」逮捕直前にホテルで命を絶った新井将敬 衆院議員「この場に帰って来れないかもしれないけども、最後の言葉に嘘はありませんから」【平成事件史の舞台裏(28)】
