外務省は1994年の外交文書の一部を公開しました。当時の細川政権が台湾をめぐって、中国への対応に苦慮する内幕などが明らかになりました。
1994年、中国を訪れ、当時の李鵬首相や江沢民国家主席と会談した細川元総理。このときの日中関係は良好なものでしたが、訪中にあたって日本が台湾問題などで対応に苦慮していた舞台裏が、きょう公開された外交文書で明らかになりました。
外務省
「中国側は我が国新政権が台湾政策を変更しようとしているのではないかとの懸念あり。我が国政府閣僚の訪台、(台湾の)李登輝総統の訪日が実現されれば、中国側は強い反発を示すのは必至」
当時から、日本と台湾の要人往来を強く警戒していた中国。細川氏はJNNのインタビューに応じ、対中外交においては「2つのことを意識していた」と振り返ります。
細川護煕 元総理
「日中平和条約を遵守しますということと、日台関係は非政府間の実務的な関係として維持していきますよと。日中関係を考える人は誰でも承知していなければならない一番の基本」
さらに、中国が最も敏感になっていたのは、ウイグルや民主活動家などの人権問題だったと言います。
細川護煕 元総理
「会談で(人権問題について)言われることを非常に嫌がっていると。もし問題を持ち出されると感情的に反発し、先の大戦のときの日本の侵略行為について徹底して反論すると」
細川氏は、公式の会談ではなく、晩餐会の場で「人権は各国が努力すべき問題だ」と言及したということですが、中国側の発表では…
中国外交部
「細川総理は西側の民主、価値観を他の国に押し付けるのは賢明でないとの認識を示した。人権問題に関し、李鵬総理の観点と立場を十分理解すると」
細川護煕 元総理
「中国はいつもそうですよ、どこの国でもよくあります。日本はそんなことしないけど、みんな都合よく解釈するんです」
そして今、高市総理の発言をきっかけに冷え込む日中関係について「改善にはかなりの時間を要するだろう」と話します。
細川護煕 元総理
「習近平さんとの間で戦略的互恵関係でやりましょうという話をしてるわけですから、その話を高市さん自身の口から繰り返しいろんな形で言うしかない」
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