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“高市総理らしさ”は「戦艦」に?“旧安倍派の裏金問題に踏み込めない”政権の実態も浮き彫りか【Nスタ解説】

国内
2025-11-13 21:35

先週から予算委員会での、本格的な論戦がおこなわれています。“高市総理らしさ”が出た発言、出なかった発言。注目のポイントをまとめました。


【写真で見る】「“検討”という言葉を何回聞けばいい?」蓮舫氏と高市総理のやりとり


答弁で「戦艦」 総理独自の言葉遣いか

井上貴博キャスター:
国会でのやり取りで、TBSスペシャルコメンテーターの星浩さんが注目したのは、衆院予算委員会での“ある言葉”です。

立憲民主党の岡田克也衆院議員が、「台湾有事」をめぐる質問をした際の高市総理の答弁です。


高市総理(衆院予算委・11月7日)
「やはり“戦艦”を使ってですね。そして武力の行使も伴うものであれば、これはどう考えても存立危機事態になりうるケースであると私は考えます」
“戦艦”を使ってですね」


井上キャスター:
「戦艦」という言葉に、高市総理らしさを感じたということですが、なぜなのでしょうか。


TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
今は「戦艦ヤマト」のような巨大な艦艇はあまり作らないので、あまりありません。今は巡洋艦やフリゲート艦といった言葉になっています。

(総理の答弁は)おそらく役人が考えた答弁書ではなく、高市総理なりに自分で考えた言葉だと思います。

今まで台湾有事を含めて、この(戦艦という)言い回しをしていないので、中国から反発を受けたり、国内でもハレーションが起きているということはあります。


井上キャスター:
高市総理としては、官僚が作った文書とは違う文字とわかっていて、あえてこの言葉(戦艦)を使うという意図なのか、ぽろっと出てしまったのか、どちらなのでしょうか。


星浩さん:
岡田議員が詰めたので、高市総理が具体例として答えているのですが、これは非常に微妙な問題です。

中国が自分たちの領土だと言っている台湾周辺に、存立危機事態だからといって日本の自衛隊が出撃することになれば、中国からの反発は避けられません。踏み込む必要のなかったところまで踏み込んでしまったという点では、やや慎重さを欠いた答弁だったと思います。


井上キャスター:
歴代総理があやふやな答弁で逃げていた部分に一歩踏み込んだことは、裏を返すと高市総理“らしさ”と言えるのかもしれません。


らしくない?企業・団体献金めぐり繰り返す「検討」

井上キャスター:
一方で、あまり“らしさ”が出なかったのではないかという場面もありました。


立憲民主党 蓮舫 参院議員(参院予算委・11月12日)
「去年の裏金を受けて政治とカネを透明化しようという法改正からも、地方支部は対象外になっているんです。これ何で抜け落ちてきたんでしょうか」


高市総理
「自民党総裁としてという事でございますけれども、今後の“検討”事項であろうかと思います」

蓮舫議員
「地方支部を迂回した献金の付け替え、これは禁止しませんか」

高市総理
「政党の資金調達の在り方について、幅広く“検討”を進めるという事になっております」


大きな焦点の一つとなっている企業団体献金について、高市総理は「検討」という言葉を繰り返しました。


高市総理
「まだこれから“検討”をしっかりしていくということでございますんで…」
「今後“検討”をさせていただきます」

蓮舫議員
「私きょう、“検討”という言葉を何回聞けばいいんでしょうか」


星浩さん:
自民党自体が企業・団体献金がないとやっていけないというのが本音です。これを縮小するのはなかなか難しいです。ただ、7000もの受け皿の支部があるということ自体もおかしいと思います。

また、高市総理を旧安倍派の人たちが支えているところがあります。裏金問題といえば、旧安倍派が色々な問題を起こしたということもあり、そこに踏み込むことは、高市総理は政治的になかなかやりきれない。高市政権の置かれている実態が、浮き彫りになったことは確かだと思います。


井上キャスター:
蓮舫議員もやり取りの中で地方支部にこだわっていました。地方支部の献金はOKとされていますが、実質、議員個人の献金ではないのか、抜け道ではないのかと言われています。

自民党は地方支部が7700以上ありますが、野党各党は200~400しかないため、自民党はおかしいのではないか。切り込んでいただきたい部分です。


定数削減できなければ「維新内でもトラブルに」

井上キャスター:
日本維新の会が求めている議員定数削減です。

星さんは「高市総理は、ハードルが高いと実感しているのではないか」とみているそうですが、もし実行されない場合、維新は連立を離脱するのでしょうか。


星浩さん:
維新からすると、議員定数削減を約束したから、連立に入るというのが最大の売りだったわけです。

維新の中でも今回の連立に「消極的だった人」と「積極的だった人」がいるので、議員定数削減が破綻すると、維新の中でもトラブルになってくる可能性があります。


維新の中にも、(議員定数削減は)簡単にできないから、慎重に対応した方がいい、自民党との連立も慎重にした方がいいという意見がもともとあるのに、今の執行部が、「大丈夫だから連立いきましょう」と突っ込んだわけです。

結局、(議員定数削減が)できないとなると、執行部の責任を問うという話が維新の中で起きてくることになるので、なかなか大変な事態が予想されます。

政治資金の問題などを掲げていたのに、トーンダウンして(議員定数削減で)やっているはずなのに、それもできないとなると、維新の執行部の責任問題は当然出てくるでしょう。


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<プロフィール>
星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
1955年生まれ 福島県出身
政治記者歴30年


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