お盆休みを記録的な大雨が直撃しました。4日連続で線状降水帯が発生。11日は熊本県の7つの市や町に大雨特別警報が発表されました。福岡県と熊本県では、川に流された5人の行方がわかっていません。今後の天気の見通しはどうなるのでしょうか?
【写真を見る】お盆休みを直撃 熊本に一時“大雨特別警報” 熊本・福岡で5人安否不明 能登では再建中にまた土砂が…12日にかけ大雨警戒【news23】
喜入友浩キャスター
「午後5時前、佐賀県内に入りました。雨の勢いは増す一方です。視界もかなり悪くなってきました」
お盆休みを直撃した大雨。熊本地方では10日午後10時ごろ、線状降水帯が発生。同じ場所で猛烈な雨が降り続きました。
「車が動かなくなった。水びたしで車が出られなくて、ここで待機」
熊本市では線状降水帯の発表からの3時間で223ミリと、観測史上最大の雨量に。これは、平年の8月1か月分を上回る量です。
大雨がもたらした冠水。市街地では複数の車が水に浸かっていました。
その様子を見た車は直前でUターンしますが、その中を慎重に歩く人の姿もありました。
地下の店舗への被害はより深刻です。水が一気に流れ込んでいますが、階段の先にあるのは飲食店です。別の通路では水があふれています。
11日午後になると、排水作業が行われていました。
こちらは飲食店に酒を販売している店舗。従業員は避難し、けが人はいませんが、営業再開の見通しはたっていないということです。
県内では7つの市と町に一時、大雨特別警報が発表され、各地で冠水するなどの被害がでました。
その一つ、八代市では道路近くの川があふれていました。
「これ道路だよ。5時6時に起きたらこんな感じで、(水位が) どんどんあがってきて」
玉名市岱明では、10日午後11時50分までの3時間に284ミリ、観測史上最大の雨を記録しました。
市内にあるスーパーには濁った水が押し寄せ、大量の段ボールが流されています。水が引いた後の市内を歩くと…。
喜入友浩キャスター
「この辺りは近くの川の水があふれ出したということで、道路には泥が堆積しています。さらに、川から流れてきたのでしょうか、魚が歩道に取り残されています」
こちらは近くにある美容院。店内に押し寄せてきた水は一見、引いているように見えますが。
プリンプヘア 松下清美さん
「どんどん水が出てきている」
いまだ壁などから染み出してくる水に困惑していました。
夜、近くの住宅を訪ねてみました。83歳の一人暮らしの女性、10日夜は一睡もできなかったといいます。
谷口現佐子さん
「水がそこまできていたって。50年以上住んでいるけど、いままで水が入ったことはなかった」
水は床上まで押し寄せ…
谷口現佐子さん
「これがあがっていたのがびっくりした」
さらに…
喜入友浩キャスター
「ここも湿っていますね」
床はまだ濡れています。普段寝ている1階の部屋、11日夜はとても休める状態ではありません。
谷口現佐子さん
「びっくりしました。下りてきて水がいっぱいで。全部濡れている。畳はかえないといけないでしょうね」
人への被害も少しずつわかってきました。消防への救助要請が相次ぎ、熊本市ではこれまでに浸水した地域などから32人が救出されました。
また、熊本県によれば、県内の5つの川で氾濫が発生したとみています。熊本市と玉名市では、合わせて3人が川に流され、現在も安否はわかっていません。
さらに、県内の至る所で土砂崩れが発生。こちらの男性の自宅の敷地にも土砂が流れ込んできたといいます。
「(Q.当時はどこに)小学校の体育館のそばに避難していた。(Q.帰ってきたら…)こういうザマ」
甲佐町では、午前4時20分ごろ、家族4人が乗る車が崖崩れに巻き込まれました。母親と子ども2人は消防に救助されましたが、父親の行方がわかっていません。
近所に住む人
「(雨は)じゃんじゃん降りよったよ。こんなにひどいとは思わなかった。悲しい」
午後2時前、現場から心肺停止の状態の男性が見つかり、警察は身元の特定を急いでいます。
美里町では、午前3時前に住宅の裏山が崩れ、1棟が巻き込まれました。当時、この家にいた男性は救助されて病院に搬送されました。
このほか、八代市でも用水路に沈んだ車の中から、女性1人が心肺停止の状態で見つかったということです。
11日までに6回の線状降水帯が発生した福岡県。福津市では、60代の男女が川に流されたとみて捜索が続けられていましたが、現在も発見には至っていません。
大雨の被害は石川県の能登半島でも。
「怖いんだけど、あれ」
山肌が大きく崩れ、大きな岩が転がり落ちます。道路はこのあと通行止めとなりました。
9日の降り始めからの雨量は輪島市や珠洲市で200ミリを超えています。
去年の地震で被災した人が暮らす珠洲市の仮設住宅。73戸が床下まで浸水しました。
再建を進めていたさなか、被害を受けた住民も。
「住宅の解体が終わって、これからの再建を目指していたが、また土砂が入ってきて、大変なことになって。今後についてはがっかりしている」
記者
「午後10時ごろの穴水駅前に来ています。現在も雨が降り続いていて、どんどん強くなっているように感じます」
12日夕方までの24時間に予想される雨の量は能登で150ミリ、加賀で120ミリ。気象台は、土砂災害への厳重な警戒を呼びかけています。
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