最近「ハラスメント」に対する意識が少しずつ高まっていると思います。昔と今を比較したり、不機嫌な態度をとったり、悪意はなくても相手に不快感を与えてしまうかもしれない言動は、「グレーゾーンハラスメント」と呼ばれるそうです。線引きはどこにあるのでしょうか?
【ケース別】宴席でつまらなそうな部下を、飲み会に声をかけなくなったらハラスメント?
「よかれと思って」約6割
山形純菜キャスター:
白黒はっきりしないハラスメントの“グレーゾーン”について見ていきます。
「グレーゾーンハラスメント」とは、ハラスメントとは言えないが、不快感や戸惑いを覚える言動のことです。
株式会社KiteRaが18歳~65歳の1196人に調査したところ、不快な言動を経験した人が50.2%だったそうです。
その中で退職を検討した人が4割以上いるということです。人手不足の中、企業も無視できない実態になっています。
それから、「グレーゾーンハラスメント」をしてしまった人の約6割が、「相手のためによかれと思って…」行ってしまったという話もあるんです。
杜若経営法律事務所の向井蘭弁護士によると、「目的は正当だが、“手段”が適切ではない場合が多い」ということです。
「つまらなそうに見えて、本当は楽しかったかも」 どういうケースがハラスメント?
山形キャスター:
何がよくて、何がよくないのか、ケース別に見ていきます。
ケース(1)ミスをしてしまった部下に対して、明るく「しっかり頑張れ!」と肩をたたく
身体的接触がNGだそうです。励ますのに、わざわざ身体に触れる必要はないということです。
ケース(2)宴会の席でつまらなそうな部下に対して、それ以降、飲み会などに声をかけなくなった
「つまらなそう」というのは上司基準。上司基準の「誘わない理由」がグレーだそうです。
客観的に納得のできる理由があれば、ハラスメントにはあたらない場合もあるということです。
例えば、部下が同僚などに、「実は飲み会などが苦手なんだよね」と言っている場合はハラスメントにあたらない。あとは、私的な飲み会の場合もハラスメントにはあたらないということです。
ケース(3)妊娠を打ち明けた女性社員に配慮して、「遠出は危険だから」と出張の仕事を引き取った
本人の意思を確認せず話を進めると、“マタハラ”にあたる可能性もあります。本人の意思をしっかり確認するということですね。
井上貴博キャスター:
難しいですが、よかれと思って上司がやっているケースもありますよね。
「自分がされて嫌な言動はしない」も要注意 褒めたつもりもNG
山形キャスター:
しっかりコミュニケーションを取ることも大事なのですが、“自分がされて嫌な言動はしない”という考え方には注意が必要です。
日本ハラスメントリスク管理協会 金井絵理 代表理事
「自分はされても大丈夫だから、相手も大丈夫という自分基準の考え方にとらわれがち」
では、どうしたらいいか聞きました。
業務上必要なアドバイスは、▼感情的にならない、▼具体的な行動や内容に焦点を絞る、▼注意・指導は最大15分、▼普段からコミュニケーションを取るということです。
そして、日常的な会話でも注意が必要です。
容姿に関する事は触れない。「キレイ」「かわいい」「カッコイイ」など、褒めたつもりもNGだそうです。
自分の感想は言わないというのが大事だそうです。「髪切ったね」というのは事実だからいいそうですが、「髪切ったね、かわいいね」と感想を述べると、ハラスメントにあたるかもしれないということです。
また、「ちゃん・くん」や「あだな」は原則なしだそうです。
例えば、井上キャスターから1度も「純菜ちゃん」と呼ばれたことはないですが、そういう呼び方をするのは注意が必要だといいます。
本人同士が良くても、第三者が不快に思う事もあるので、気を付けてほしいということでした。
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