
スマホの使い過ぎによる”スマホ認知症”を知っていますか?
日本人の約6人に1人が予備軍とされている”スマホ認知症”。
どのような対策が必要なのでしょうか?
【写真を見る】「おとといの夜ごはん何食べた?」スマホの使い過ぎで“脳内がゴミ屋敷”に!?6人に1人が予備軍 “スマホ認知症”とは【ひるおび】
認知機能が低下”スマホ認知症”
日本ではじめて「スマホ認知症外来」を開設した、金町駅前脳神経内科 内野勝行院長に話を聞きました。
内野勝行院長:
スマホ認知症”は正式な病名ではなく、スマホなどのデジタルデバイスの使用過多により認知機能などの低下などがおこる症状のことです。
内野勝行院長によると、受診者からは「物忘れがひどくて仕事に影響が出ている」「予定を忘れて家族から指摘された」という相談が寄せられ、”スマホ認知症”予備軍は1000万人~2000万人いる可能性があると言います。
その物忘れ”スマホ認知症”かも?
日常生活でスマホを利用することが多いみなさん、こんな症状はありませんか?
▽人や物の名前が出てこない
▽何かを取りに来て目的を忘れる
▽簡単な計算がパッとできない
▽伝えたいことが言葉にできない
▽料理の手際が悪くなった
▽話題のニュースが3つ挙げられない
こんな症状があると”スマホ認知症”の可能性があるといいます。
若年層を中心にあらゆる世代で増えている”スマホ認知症”。
そもそも「認知症」と「スマホ認知症」の違いは何なのでしょうか?
認知症は脳の「海馬(かいば)」という部分が萎縮してしまい、情報を取り入れることができなくなる状態のことを言います。
一方”スマホ認知症”はスマホの長時間の利用により脳の中に情報があふれ、必要な時にうまく情報が取り出せないことを言います。
恵俊彰:
頭の中にはあるんだね…生活を変えれば取り出せるようになるのかな。
内野勝行院長:
病気ではなく海馬が働きすぎて疲れている状態なので、しっかり休ませてあげてきっちりとした使い方をすれば元に戻すことはできます。
”スマホ認知症”危険度チェック
内野勝行院長による「”スマホ認知症”危険度チェックリスト」です。
▽スマホはいつも手元にスタンバイ
▽知っている人の名前がすぐに出てこない
▽最近漢字が書けなくなった
▽覚えておくために写真を撮る
▽スマホ以外で調べ物をしない
▽いつも睡眠不足状態
▽やる気が起きず興味も湧かない
▽仕事や家事の段取りが悪くなった
3つ以上当てはまると要注意だといいます。
スマホ利用 1日何時間で危険?
街の人は・・・
30代「8時間位見ています。動画を見ながら中断せずトイレにも行ってしまう」
20代「約10時間。お風呂では動画を見るので持っていって、そのままSNSを”ながら見”することが多い」
内野勝行院長:
ご自身の脳が疲れているのにさらに情報をつめこんでしまう使い方が危険です。目的なく1時間以上見ることは要注意です。
スマホの使い方と脳の関係について内野勝行院長は、
「仕事の調べ物など目的をもって使用する場合は情報が脳内で整理されているので
”スマホ認知症”のリスクは低くなる」と話します。
しかし・・・
SNS動画など目的なくダラダラ利用すると情報が整理できず、脳内が”ごみ屋敷”状態になり情報が取り出せなくなってしまいます。
こうなると一時的な認知機能の低下により”スマホ認知症”のリスクが高くなってしまうといいます。
”スマホ認知症”の予防と改善策
”ごみ屋敷”状態の脳にはどんな予防や改善策があるのでしょうか?
内野勝行院長によると
▽キャンプやサウナなどスマホに触らないデジタルデトックス
▽脳の疲労回復のため1時間くらいの昼寝
▽新聞記事を利用して興味のある記事を探しスクラップ
▽スマホを利用せず知らない道を散歩する(脳の普段使わない部分を活性化)
などで予防と改善になるといいます。
スマホ画面 白黒に変更で効果?
それでもスマホを離せないという人には、「画面を白黒にする」という対処法があります。
そもそも”スマホ認知症”のベースは”スマホ依存症”にあります。
スマホの利用により脳からドーパミンが分泌されますが、ドーパミンはカラフルに変わるものを見ると出やすいので、画面を白黒にするとドーパミンの分泌が抑えられるのです。
こうすることで短い動画などをダラダラ見ることもなくスマホから離れる事ができます。
内野勝行院長:
強制終了ではないですけど脳が求めなくなることが大事。
≪グレイスケールのやり方(iPhoneの場合)≫
iPhoneの設定画面を開く➡アクセシビリティを選択➡画面表示とテキストサイズを選択➡カラーフィルターをオンにする
疲れた脳には”リズム運動”もオススメです。
同じ動作を反復する「皿洗い」や「野菜の千切り」などリズムよく同じ動作を繰り返すことで脳が自然に省エネモードになり、記憶が整理されて脳の疲労回復に繋がります。
”スキマ時間”は”脳もスキマ時間”だと思ってスマホから少し距離をとってみてはいかがでしょうか?
(ひるおび 2025年6月27日放送より)
==========
<プロフィール>
内野勝行氏
金町駅前脳神経内科院長
日本初”スマホ認知症”専門外来を開設
・エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
・スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
・「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】