各地で危険な暑さが続いています。
熱中症対策をしていると思いますが、やり方を間違えると逆効果になることも。効果的な熱中症対策を取材しました。
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「スポーツドリンクの過信はNG」 専門家が語る熱中症対策
井上貴博キャスター:
熱中症の原因と落とし穴について解説していきます。
まずは、対策していたのに熱中症になってしまったという経験者(40代男性)に取材しました。
この男性は6月21日、最高気温36度だった日に、約6時間にわたりサイクリングを楽しみました。塩分タブレット、スポーツドリンク500mLを3本、アイス、ゼリー飲料を持って行き対策していました。
しかし帰宅後、微熱と頭痛があったといいます。数時間毎に繰り返す発熱(体温36.5度~37.8度間)があり、4日後に病院で点滴を受け、5日後に症状が回復したということです。
出水麻衣キャスター:
水分を十分に持って行っていると思いますし、しかも回復したのが5日後というのが驚きですね。
井上キャスター:
しかも、約6時間もサイクリングできるということは、この男性は体力がある方なのだと思います。
熱中症対策の落とし穴について、救急医療に詳しい杏林大学の山口芳裕教授にお話を伺うと、「スポーツドリンクの過信はNG」とのことでした。塩分量が足りていない可能性があるため、塩分タブレットなどで補給してください。
また、夏バテでなかなか食事を取れないことも増えてきますが、食事は本当に重要です。
1日の塩分摂取量の基準は成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。1食抜いてしまうと、塩分が不足しがちになってしまいます。
乾いたタオルで汗を拭くのが逆効果なワケは?
井上キャスター:
続いて、これからご紹介する熱中症対策が正しいのか考えていきましょう。
まずは▼「汗をかいたので、乾いたタオルでしっかり拭く」。これについてはどう思いますか?
出水キャスター:
いいのではないでしょうか。
山形純菜キャスター:
いや、乾いたタオルではなく、濡れたタオルで拭くほうがいいのではないでしょうか。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
確かに、汗が出る理由は体温を下げるためです。汗を拭き取ったら意味がないので、いわれてみれば濡れたタオルのほうがいいですよね。
井上キャスター:
おっしゃるとおりです。山口教授によると、汗の役割は蒸発することで体温を下げてくれるというものなので、拭きすぎはNGです。体の熱が外に逃げられなくなってしまいます。汗を拭くときは、濡れたタオルにしてください。
続いて▼「エアコンで室温を28度以下にし、寝るときはつけっぱなし」。これはやりがちだと思いますが、調べを進めてみると落とし穴がありました。
エアコンを使うときは室温だけではなく、湿度も確認する必要があります。湿度は60%以下にしてください。
ダイキンのHPによると、たとえば温度が同じ28度でも、湿度が85%と60%で違えば、体感温度は4度変わるそうです。湿度60%のときのほうが涼しく感じます。
なお、温度計を設置するのは大変有効ですが、一緒に湿度が表記されているものだとなおよいです。しかし、窓際に設置すると温度が高く出がちで、クーラーの風が行くところに設置すると温度が低く出がちなので、自分の生活圏内に近いところに設置しましょう。
また、▼夏は水分補給で冷たいドリンクを飲みがちですが、山口教授によれば、冷たすぎると内臓に負担が出るということです。
もちろん、一時的に体温を下げる効果はありますが、冷たすぎると胃腸の吸収が鈍くなる可能性もあり、脱水状態を解消しにくいといいます。水分補給のためには常温か、少し冷たいぐらいの飲み物がいいそうです。
そして▼外は炎天下なので、よく「外出を控えてください」と呼びかけられます。しかし、涼しい部屋でずっと過ごすのはどうなのでしょうか?
出水キャスター:
体の調節機能が鈍ってしまうのでしょうか。
井上キャスター:
基本は涼しい部屋で過ごしていただきたいのですが、冷房がきいた部屋は喉の渇きを感じにくくなります。“隠れ脱水症状”のリスクがあるため、喉が渇く前からこまめに水分補給してください。
山口教授いわく「涼しい環境に体が慣れると、体温を下げるために必要な発汗機能が低下する。急に外に出た時、うまく汗がかけず熱中症になるおそれがある」とのことです。
厚労省も推奨! バナナに“アレ”をかけると…
井上キャスター:
熱中症対策の強い味方として、▼ワークマンから「汗が染みても目立ちにくい半袖Tシャツ」(980円)という商品が発売されています。カラーはブラック、ホワイト、モクグレー、モクブラウン、モクグリーン、モクブルーの6色展開です。
モクグレーと一般的なグレーのTシャツを比較し、両方ともあえて濡らしてみましたが、ワークマンのほうはポリエステル100%で水分を吸収するような特殊な加工がされています。そのため、汗染みになりにくいようです。
最後に、今からでもできる熱中症対策をご紹介します。厚労省も推奨しているという▼塩バナナです。
バナナからはカリウムとマグネシウムが、塩からはナトリウムが摂取できます。もともとは山などを走るトレイルランの現場で開発されたものらしく、炎天下のなか重労働する大手建設会社も、数年前から導入しているということです。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック・アース製薬の社外取締役など
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