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危険な暑さで各地に“異変” ひまわり満開・セミ鳴き声・コメ育つ田んぼの水は「熱っ!」卵は“サイズが小さく”価格高騰【news23】

国内
2025-07-01 20:00

6月最終日、都心では6月として13日目の“真夏日”となり、記録を更新しました。危険な暑さが続く中、影響を受けるのは人間以外にも…。高騰するコメが育つ田んぼでは水温が上がり“お風呂状態”に。養鶏場では卵の大きさに変化が…。


■東京で真夏日“6月最多”


暗くなっても続く暑さ。東京・新宿は午後7時で28℃です。日中、厳しい暑さを受け続けた団地の外壁をサーモカメラで見ると…真っ赤です。


コンクリートは日中に太陽の熱を吸収、夜に熱を吐き出すため、夜中でも室内温度が下がらないことがあるといいます。


住民
「午後になると、西日が地獄です。夜はエアコン28℃くらいに設定して、朝までつけっぱなし」


当然、昼の気温はさらに高く、東京都心の最高気温は33.2℃。これで6月に東京都心が30℃以上の「真夏日」となった日数は13日目となり、6月の観測史上最多となりました。


兵庫県・朝来市では37.3℃と6月の観測史上、最も高くなったほか、京都府福知山市でも37.8℃。


各地で続く厳しい暑さによる異変も…  


愛知県の観光農園で満開になった30万本の「ひまわり」。11の畑で段階的に開花させる予定でしたが、この暑さにより一気に3つの畑が満開になったのです。  


観光農園花ひろば 吉川育美 園長
「(例年こんなことは)ないです。梅雨で雨が降って太陽がないので、咲かないで困ることはあるが、咲いて困ったことはない」


また、セミも続々と羽化。抜け殻などが各地で見つかりました。まるで真夏の光景ですが、人間にとっては危険な暑さです。


東京消防庁によりますと、都内では30日、68人が熱中症の疑いで救急搬送されました。このうち50代と60代の男性2人が重症です。


また、佐賀県唐津市で80代の男性が庭で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認されました。熱中症の疑いがあるということです。


こちらは都内のクリニック。女性が訪れ、吐き気や倦怠感などを訴えていました。


60代女性
「喉がよく渇く」


いとう王子神谷内科外科クリニック  伊藤博道院長
「熱中症で脱水なっているみたいですね。自分では感じないかもしれないけど、少しずつ、暑さで脱水が進んで…」


診断は「熱中症」でした。エアコンは使っていたといいますが、連日の暑さで脱水が進んでいた可能性があるといいます。


いとう王子神谷内科外科クリニック  伊藤院長
「連日暑い日が続くと、逃げ場がない、クールダウンするひまがない。1日の疲労や脱水や栄養不足をリセットしきれずに、次の日、さらに次の日に持ち越していくことによって、熱中症が発生する頻度が高くなっていると


7月1日も西日本を中心に「熱中症警戒アラート」が発表されていて、厳重な警戒が必要です。


■暑さで田んぼ「お風呂みたい」


この暑さ、コメ作りにも影響しています。広島県尾道市の田んぼ。稲をよく見ると“小さい白い花をつけた穂”が出ていました。


農業法人今津野東 森泰宏代表
「この気温のせいか、もう半分ほど穂が出てきている」


この稲は8月中旬に収穫予定の「あきたこまち」。田んぼの稲の半分以上で穂が出た状態を出穂期と呼びますが、30日、予定より5日ほど早く出穂期に入りました。原因は「気温の高さ」です。


森泰宏代表
「やっぱあまりに高温になるんで、昨日からずっと通水を続けるようにしています」


川から引いてきた水を24時間、田んぼに流すかけ流しです。


森泰宏代表
「人間もそうですけど、熱い状態だと疲れますので、成長が悪くなる」


かけ流しをしていない田んぼに手を入れると…


記者
「何かぬるいです。ぬるい、お風呂みたいな感じです」


森泰宏代表
「これ今はぬるいですけど、午後になると『熱!』っていうくらい温度が上がります」


「令和のコメ騒動」の原因の1つとなったのは2年前の猛暑。今年は、稲の生育に問題はないといいますが、やはり心配はこの先の天気です。


今津野東 森泰宏 代表
「これが2週間続いてくると水が少なくなってきて、水がほしい時に水を入れられない状態になるかもしれない。そういうところが非常に危惧しているところです」


そして気になるのがコメ価格。30日に発表された6月16~22日までに全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、前の週より119円下がって3801円。5週連続で値下がりしました。


■暑さで“卵のサイズ”小さく…


一方、価格が上昇しているものも…


人間にとって厳しい暑さは、ニワトリも同じ。こちらの養鶏場では卵に異変が…


角田養鶏 角田良雄代表
「普通はこれくらい。やっぱり(暑いと)小さいのができてしまう」


本来の卵よりも、暑さの影響で一回り小さいサイズに。


角田養鶏 角田良雄代表
「今までちょっと温度が下がっているところに鶏も慣れてましたので、一気に温度が上がってしまうと鶏も熱中症になってしまう」


専門家によると、気温が27℃以上になると餌を食べる量が減少するというニワトリ。


その分、親鳥が産む卵は、重さが2.5グラムほど減りサイズも縮小。産卵率も1.5%減少するということです。


価格にも影響が出始めています。東京の卵の卸売価格は現在340円。「エッグショック」と呼ばれた2023年の価格350円に、あと10円と迫っています。


東京農業大学 信岡誠治 元教授
「今年1月から4月トータルで見ますと、新しく卵を産む鶏のヒナの導入羽数が毎月50万羽ずつ増えているので、7月辺りから少し需給が緩和する。少し価格は下がる可能性はあるかなと思ってますけど、まだ需給がタイトな状況は続いてますから、下げても10~20円でしょうね」


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