E START

E START トップページ > 国内 > ニュース > 「国は間違い認めて」生活保護費引き下げ取消訴訟 あす最高裁判決 病気で視力を失い失職…切り詰めた生活…原告の思いは

「国は間違い認めて」生活保護費引き下げ取消訴訟 あす最高裁判決 病気で視力を失い失職…切り詰めた生活…原告の思いは

国内
2025-06-26 16:47

生活保護の支給額の引き下げは違法だとして、全国の受給者が国を訴えた裁判で、あす最高裁が判決を言い渡します。原告の一人が取材に応じ、「国は間違いを認めて欲しい」と思いを語りました。


愛知県刈谷市に住む千代盛学さん(71)。生活保護の引き下げは違法だとして、国に賠償を求めた集団訴訟の原告の一人です。


千代盛さんはおよそ15年前に糖尿病を患い、視力をほとんど失いました。長年、和食の料理人や電気関係の仕事をしていましたが、視力を失った結果、仕事も失いました。


千代盛学さん
「消費税、食品だけでも0%にしてくれんかな。お願いだ」


一人暮らしの生活を支えているのは、月13万円ほどの生活保護です。


千代盛学さん
「(就職のため)会社ももうだいぶ行ったし、みんな断られました。誰も好き好んで生活保護なんかいきたくないです」


朝食は、薬を飲むためにパンを1つ。節約のために昼食はとらず、夜は冷凍した手料理を少しずつ食べています。


千代盛学さん
「(Q.夏もあまりクーラーつけないですか)ほとんどつけません。(Q.体調悪くなったり)なったらなったでしょうがないです。こういう生活しかできないものでね」


シャワーも週に1度だけ。家電を買い替える余裕はなく、人付き合いもなくなりました。


千代盛学さん
「日々の生活、食っていけるというか、それでも削らなあかん状態なもので。生かさず殺さず。もうその状態です」


生活保護をめぐって、国は2013年から3年にわたり、デフレによる物価下落などを踏まえて支給額を最大10%引き下げました。千代盛さんも月2650円ほど減額されました。


千代盛学さん
「2650円あったら、それはだいぶ違います。たとえ10円でも100円でも、貴重なお金やと思っているので」


千代盛さんら受給者は、引き下げは違法だとして、国に取り消しを求めて全国で集団訴訟を起こしました。


このうち12件で高裁判決が出ていますが、7件で「違法」、5件で「違法ではない」と判断が分かれています。


千代盛さんらが勝訴した名古屋高裁の判決では、国の引き下げの手法について「独自の指数を基にした消費実態とかけ離れたものだ」と指摘されました。


違法か合法か、最高裁が統一判断を示すとみられる今回の裁判。先月の弁論で国側はこう主張しました。


国側 
「引き下げの判断は厚生労働大臣の裁量権の範囲内だ」


千代盛学さん
「間違いは間違いで認めて欲しいです。引き下げた部分でも戻してもらえたら、ありがたいなと思っています」


最高裁の判決はあす。千代盛さんたちの声は司法に届くのでしょうか。


エアコン「1℃下げる」OR「風量を強にする」どっちが節電?「除湿」はいつ使う?賢いエアコンの使い方【ひるおび】
スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?意外と知らない“スマホ充電の落とし穴”を専門家が解説【ひるおび】
「パクされて自撮りを…」少年が初めて明かした「子どもキャンプの性被害」 審議進む日本版DBS “性暴力は許さない”姿勢や対策“見える化”し共有を【news23】


情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

ページの先頭へ