東京・新宿区の路上で動画のライブ配信中に女性が刺されて死亡した事件で、逮捕された男が女性に十数回にわたって金を貸したと主張していたことが新たに分かりました。また、事件当時の配信を見ていた人がその一部始終を話しました。
これは、きのうライブ配信された動画。タイトルには「山手線徒歩1周」とありますが…「おい、何やってんだよ」叫ぶ声が聞こえた後、血を流して倒れた女性の姿が写し出されます。
「意識あるの?」「無いんじゃないですか?」
女性のそばには、配信に使っていたのかスマホの自撮り棒が。そして、別の人間が自身の顔を何度も写している様子も確認できます。
きのう、新宿区高田馬場の路上で、東京・多摩市の佐藤愛里さん(22)が顔や首などを刺されて死亡し、その場にいた栃木県小山市の高野健一容疑者(42)が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。
警視庁によりますと、佐藤さんは「最上あい」という名前でライブ配信などを行っていたとみられます。
事件当日の配信を視聴していたというファンは。
ライブ配信をみていたファン
「山手線を『サイコロの1が出たら1駅戻る、2が出たら2駅歩く』企画をやっていたんです。そこから配信が真っ暗になって、最初は『キャー助けて助けて』と言ってたんですけど、途中から声が聞こえなくなって」
その後、配信で「男の人」が何度も写り込んだといいます。
ライブ配信をみていたファン
「男の人が、最上あいさんがうつ伏せの状態だったんですけど、蹴り飛ばして仰向けにされたんです。『まだこいつ生きてるよ』って言ったんです。配信で」
その後の捜査関係者への取材で、高野容疑者がサバイバルナイフで数十回にわたり、佐藤さんの上半身を中心に刺していたことがわかりました。動機について、高野容疑者は…
高野容疑者
「200万円を超える金額を貸しているが返してもらえない」
また、高野容疑者は佐藤さんに対し金銭トラブルをめぐる裁判を起こしていて、13回金を貸し、その総額が250万円を超えていると主張していたことが裁判記録で分かりました。高野容疑者は去年1月、栃木県警に「裁判で相手に支払いの判決が出たが、所在不明になっている」などと相談していたということです。そして、きのう…
高野容疑者
「(徒歩で)山手線を一周するという配信予告をみて上京し、犯行に及んだ」
「最上あい」さんも、過去の配信でリスナーとの金銭トラブルを話していたといいます。
ライブ配信をみていたファン
「リスナーさんから150万円借りたと。(相手からの)コメントがあまりにひどくて、ブロックという機能でブロックしちゃった」
取り調べに対し、高野容疑者は殺意を否認していますが、警視庁は容疑を殺人に切り替えて捜査しています。
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