今シーズン最強で最長の寒波の影響で、5日も日本海側の広範囲で大雪となっています。富山県では一時立ち往生も発生。積雪が急に増えるおそれもあり、警戒が必要です。
今季最強寒気ピーク 大雪に警戒
気象予報士 小野裕子さん:
まだ最強寒波は続きますが、既に記録的な大雪となっているところがあります。この寒波の影響は雪だけではなく、寒さももたらしています。
5日朝の東京は1か月ぶりの氷点下(今シーズン2回目)でした。
そして九州は鹿児島でも0.5度まで下がりました。日中も今シーズン一番の寒さとなったところが多く、昼間も0度未満だったところが全国で258か所ということで、こちらも今シーズン最多となっています。まさに今シーズンの寒さの底となっています。
5日午後5時現在の全国の天気の様子を見てみると、普段は雨予報となっている場所があるのですが、今は「晴れ」と「雪」のほぼ2色となっています。それだけ強い寒波にすっぽりと覆われているということです。特に新潟から福島の内陸にかけて雪が強まっているような状況となっています。
5日は西日本の太平洋側など、雪に慣れていない地域でも雪化粧となりました。
そしてこの先、5日夜から雪の予想を見ていきます。やはり特に降りやすいのが東北南部から北陸にかけて、岐阜周辺です。既にかなりの雪となっているところで、今後も新たに降り積もっていきそうです。
さらに日本海側は暴風も吹き荒れるため、見通しが全くきかないような猛吹雪となる恐れがあります。5日夜はかなり危険な降り方となりそうです。
そして、8日(土)午後6時までに降る雪の量です。山沿いではもしかすると2メートルを超えるようなところもありそうです。
今年は北陸、平野部では例年より積雪が少ないところもあったのですが、今回の雪でさらに50センチ以上降るようなところが市街地でも出てきそうです。
かなり危険な降り方となりそうなので、大規模な交通障害や立ち往生にはくれぐれもお気をつけください。
そして6日になると西日本の雪の降り方は一旦落ち着いてきそうです。ただ、北陸から北日本ではまだ雪が続き、積雪がさらに増えそうです。4日から5日にかけても1メートルぐらいの雪が降ったところもありますが、6日はさらに積雪が増えそうです。
関東では6日も晴れそうですが寒さは厳しいです。6日朝も東京は氷点下が予想され、2日連続の冬日となりそうです。日中も何とか10度に届く予想ですが、広島などでも5度以下と、まるで冷蔵庫の中にいるような寒さとなりそうです。
西日本では雪が積もっているところがあるため、路面の凍結など雪に慣れていない地域は特に注意していただきたいです。
週末ぐらいまでは最強寒波が居座りそうですが、特に雪が強まりそうなのが6日午前中と8日(土)です。名古屋は曇り予報ですが、東海・太平洋側にも雪雲が流れ込み、交通機関に影響が出る可能性もあるのでお気をつけください。
今シーズンの雪は重い? 「予想以上に湿った雪」
ホラン千秋キャスター:
これだけの雪になると生産者も雪対策などかなり念入りにされているのでしょうか?
オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
なかなか対策しきれない部分が多いのが現状です。今も青森で雪が降っていますが、1月は通常の何倍もの積雪があり「リンゴの木が折れた」「ハウスのパイプが折れ曲がった」という声もありました。対策の仕様がないので後は何事もないことを祈るのみという感じです。今回は日本海側も心配です。
井上貴博キャスター:
今回、特に厄介なのが雪です。雪かきをしていた男性は「予想以上に湿った雪なので結構重たくて作業が大変です」と仰っていました。
海面水温が高く水分量が多い 雪の重さが3倍に
井上貴博キャスター:
気象予報士の小野裕子さんによると「平年に比べて日本海側の海面水温が高いので水分量が多い雪が特徴」とのことです。
▼乾燥した雪
積雪1センチを溶かすと、水1ミリに
▼湿った雪
積雪1センチを溶かすと、水3ミリに
小野裕子さん:
湿った雪の方が一層重くなるということです。温暖化の影響で昔に比べて雪質が変わってきています。湿った雪になりやすいのですが、今年は特に海面水温も高いため、より水分を含みやすくなっています。
地上の海面水温の高さと上空の寒気との気温差によって雪雲が発達しやすく、どか雪にもなりやすいと言えると思います。
ホランキャスター:
雪は同じに見えるのですが、湿った雪はどこに水分を多く蓄えているのですか。
小野裕子さん:
密度が凝縮されているので、スキー場に行って雪を触ったとき新雪だとふわふわっと軽いですが、溶けかけていると重く感じる時と同じような感覚です。
井上キャスター:
ギュッと水分を凝縮させている、高密度で重い雪が今の日本海側で特に降っているということですね。
湿った雪 時間経つとさらに重く…雪がくっついてさらに重く
井上キャスター:
気象予報士の小野裕子さんによると「湿った雪は時間が経つにつれて重くなる」ということです。
▼雪が降った直後
雪と雪の間に隙間があって軽い雪
▼1日経過すると
雪が密集+水分を含み重い雪
小野裕子さん:
凍結するとさらに重くなります。朝は氷点下で日中はプラスの気温だと溶けたり凍ったりで重みが増し、氷の層もできて一層重くなっていきます。
井上キャスター:
空から降ってくるもの自体が重く、それがまた時間が経ってより重くなるという最も厄介な状況になっているわけですね。
湿った雪どれだけ重い? 100キロの冷蔵庫の重さ
井上キャスター:
縦100センチ×横100センチ×高さ33センチの雪の重さは100キロに相当するのだそうです。100キロは冷蔵庫(ファミリー向け)とほぼ同じ重さだということです。軽い雪だと3分の1の30キロ強ほどですが、重い雪だと100キロにもなります。
雪の重さで練習場屋根が倒壊 雪かきのタイミングは?
井上キャスター:
これだけ重いと建物が潰れてしまうということが起きます。北海道・帯広市の帯広三条高校の室内練習場が雪の重さで倒壊したとみられています。
秋元里奈さん:
今まではサラサラの雪が降っていて大丈夫だった地域も、雪の重さが変わっているので必ずしも大丈夫なわけではないということですね。
青森も雪が元々降る地域ですが、今回は被害の報告が多かったです。日本海側にもたくさんの農家さんがいらっしゃるので影響がすごく心配です。
ホランキャスター:
建物の倒壊もですが、雪下ろしをする際の怪我などには気をつけていただきたいです。
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<プロフィール>
秋元里奈さん
オンライン直売所「食べチョク」代表 34歳
神奈川の農家に生まれる
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