快進撃を続けているやり投女王の北口榛花(26、JAL)がいかにして目標を達成しているか。新年の目標、五輪女王の重圧と進化、自身を支える存在、アスリートへの誹謗中傷、東京2025世界陸上への意気込み等を藤森祥平キャスターが独占直撃した。
【写真を見る】女王・北口榛花「とにかく周りの人に聞く」さらなる進化の秘訣は“あくなき探求心”
世界女王の本音
Q.2024年はどんな年だったか
北口榛花:
やっぱり競技的な結果で言うと、すごくこれ以上ないもの金メダルだったり、優勝だったりっていうものが多かったんですけど、オリンピック行くまでは本当に金メダル取れるのかなっていう不安もありましたし、最後までシーズンをやり切れるかっていう事も不安だったんですけど、でもそれがまた終わってみれば教訓になって、また来年に進むのかなっていうふうに思ってます。
Q.2025年の目標は
北口:
何個もありすぎて、絞れてない。例えば、自己記録(67m38※日本記録)の更新にだったり、アジア記録(67m98)も更新したいですし、やっぱり東京の世界陸上で金メダル獲りたいっていうのが。
女王流 新たな目標へのアプローチ方法は
世界もほほえんだ、パリ五輪女子やり投金メダルという目標達成。23年世界陸上ブダペスト金メダル、ダイヤモンドリーグ年間王者とあらゆるビッグタイトルを手にしてもまだ足りない。常に明日を見つめる女王は新たな目標にどうアプローチしているのか
Q.金メダルの偉業を達成し、何か新しい目標に向かう時は成功体験に基づいて進むのか?
北口:
う~ん、成功体験は残しつつ、常に同じものばっかりやってると新しいものっていうかその上のものをあげられないんじゃないかなっていうふうに思って、いろんなものにチャレンジして、新しいものからどんどんその自分に吸収していけたらいいのかなっていう風に。
様々な競技への探求心「やり投げに“どう結びつけるか”」
実は以前からトレーニングの一環として様々な競技にチャレンジしている北口選手。その探究心は世界一になったことで、より進化を遂げている。
北口:
やり投げの練習でハードルを跳ぶこともあったりとか、水泳やったりとかしてたんですけど今までも本当のそのハードル選手がハードルをどう超えてるかっていうのを知る機会、聞く機会というは実はない。(ハードルでは)村竹ラシッド選手に聞いたりとか、水泳だと松田 丈志さんにどうやって私は泳ぐべきかっていうものを一から習って、今までやってた事だけど、見直す事で新たなものに生まれ変わるような、そういう感じがします…最終的には全てやり投げに結び付かなきゃいけないので、やり投げにそのどう結びつけるかっていうのも考えてる時間も楽しいです。
上手くいかない時は「とにかく周りの人に聞く」
Q.目標に向かってどうしても上手くいかない時はどう向き合うのか
北口:
とにかく周りの人に聞いて…聞く
目標へと突き進む中でつまずいた時、一番大事にしたのは、仲間とのコミュニケーションだという北口選手。中でも専属トレーナーの上野真由美さんとは寝食を共にし、コンディションもつぶさに相談し続けた。パリ五輪後は「本当に消耗しきってたので、抜け殻でしたし、生きてるかを確認してた。寝息を確認してました。」とトレーナーの上野さんは云う。フィールドでは孤独でも、振り返ればたくさんの仲間がいる。頼ることを恐れないのも、強さの秘密なのかもしれない。
北口:
いろいろな分野で私より長けている人はたくさんいると思うので、プロというかエキスパートに聞くのが一番その問題解決に必要な事かなっていうふうに思って結構、聞く、相談する事が多かったりする。
誹謗中傷「実は結構すぐ届いてしまう」
一方、アスリートを取り巻く環境にも変化があった。パリ五輪では、ネットやSNSでの誹謗中傷も問題となった。北口選手は、どう感じていたのか。
北口:
応援だけするっていうのはなかなか難しいと思うんですよ。負けてこの野郎って気持ちが 湧く人もいるかもしれないのですけど、でも、それは一番選手がわかってる事なので…選手に届いてないって思う方も、そういう事をしてらっしゃる方々にはいらっしゃるのかもしれないですけど、実は結構すぐ届いてしまうっていうのも知っていただいたり、わかって頂きたい。
北口選手は背中を押してくれるのも、ファンの声援だと知っている。
北口:
アスリートそれぞれやっぱりその瞬間に人生かけてるのは間違いないと思うので応援っていうものはすごく力になるっていうのは、今回のパリオリンピックも観客の皆さんがすごくたくさんいたというのが選手として幸せな瞬間。
東京2025世界陸上へ「金メダルを獲りたいっていう気持ち」
34年ぶりに世界陸上が東京で開催される。満員の国立競技場で大声援を送ってくれるファンの前で女王として成し遂げたい目標がある。
北口:
日本の皆さんの前で投擲出来るという事はすごく特別な瞬間だと思います。金メダルをもう、一度取ってるので素晴らしいものだっていう事を知ってしまってるので当然、金メダルを獲りたいっていう気持ちはありますし、たくさんの皆さんと共有できたらいいなっていうふうに思います。
北口榛花(きたぐち・はるか)
1998年03月16日生 北海道出身 旭川東高~日本大学~JAL
東京オリンピック(2021年)では57年ぶりの決勝進出。2022世界陸上オレゴンで最終6投目で投てき種目日本女子初のメダルとなる銅メダル。2023年世界陸上ブダペストでは最終6投目に66m73のビッグスローで大逆転し、フィールド種目では日本女子初の金メダルを獲得した。ダイヤモンドリーグ・ファイナルでは日本人初の優勝を果たした。パリ五輪で日本の女子フィールド種目で、史上初の快挙となる金メダルを獲得し、ダイヤモンドリーグ・ファイナルでも2連覇を果たした。息抜きはK-POPと料理系Youtube鑑賞。
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