エンタメ
2026-11-06 08:30
「芸能人という感覚があまりなくて、自分は普通のサラリーマンだと思っているんです」。映画『うるわしの宵の月』(10月23日公開)に出演する水沢林太郎に、仕事への向き合い方を聞く中で、そんな言葉が返ってきた。
【画像】映画『うるわしの宵の月』大路拓人の場面写真
モデルとして端正なルックスで注目を集める一方、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』や、地上波連続ドラマ初主演作『おいしい離婚届けます』など、俳優としても着実にキャリアを重ね、今秋も『俺たちの箱根駅伝』(日本テレビ系)、『ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班』(テレビ東京系)に出演。活躍の場を広げる彼が、自分の仕事をごく日常的な営みとして捉えていることが、新鮮に響いた。
やまもり三香の同名漫画を実写化した本作で演じるのは、滝口宵(安斉星来)に思いを寄せ、市村琥珀(道枝駿佑)の恋のライバルとなる“第3の王子”大路拓人。一途な恋心を表現するための工夫や、3度目の共演となる道枝との関係、俳優として大切にしていることを聞いた。
――原作漫画を読んで、大路拓人を演じる上でどのようなことを意識しましたか?
【水沢】「大路(おおじ)」という名字のため、周囲から「王子」と呼ばれているけれど、本人はあまり意識していなくて、女性と接した経験もあまりない、純粋な男の子だなと思っていました。
漫画では、絵やコマの流れからリアクションや雰囲気を想像できますが、実写ではカメラのアングルや相手との芝居、反応の仕方によって印象が変わります。原作との間に大きな差が生まれないよう、意識していました。
映画では、原作の全てを描けるわけではありません。出来事の前後が省かれることもあるので、一途に相手を思う姿が、見せ方によっては重たい印象になってしまうかもしれないと感じました。
なので、変にキョロキョロしたり、ソワソワしたりせず、どっしり構えることを大切にしました。それが拓人を演じる上で一つの武器になると思いました。宵ちゃんへの恋心が重く見えすぎないように、監督と相談しながら演じていました。
――恋愛作品への出演や、いわゆる「王子キャラ」を演じることに対するプレッシャーはありましたか?
【水沢】恋愛作品の経験があまりなかったので、「王子キャラ」への戸惑いはありました(笑)。学生ならではのキラキラした雰囲気は、出そうと思って出せるものではなく、高校生たちを見て「今が楽しそう」「幸せそう」と感じる、その姿を「キラキラしている」と表現するのかなと思うんです。自分もスクリーン越しにそう見えるのか、少し不安はありましたが、拓人らしいまっすぐさを大切にしながら、琥珀とは違うかっこよさを動きや表情、仕草でどう表現するか探っていました。
――琥珀を演じる道枝駿佑さんとは、プライベートでも親交があるそうですね。
【水沢】お互いに話したい時に気軽に連絡できる関係です。誕生日はもちろん、雑誌の表紙や出演番組を見て連絡したり、向こうも「ドラマを見ているよ」と言ってくれたり。ご飯に行く約束をしながら、最近の仕事の話をすることもあります。大人になってから同い年の友達はなかなかできるものではないので、すごくありがたい存在です。
――今回で3度目の共演ですが、普段の交流は撮影でも生きましたか。
【水沢】共演していない間も連絡をとったりしている時間が長いので、何をしたいのか、どう思っているのかは、なんとなく分かります。「こういうふうに見せたい」「こうやってみたい」という思いを聞いて、「じゃあ、どこまでやる?」と、二人で相談したこともありました。
僕のクランクインが、お互いに少しバチバチする場面だったのですが、道枝がストレートに台詞を投げかけてきてくれたので、僕もまっすぐ返そうと思っていました。あの時に、まだ定まっていなかった拓人の方向性が少し見えたところもあります。普段から話していたからこそ、スムーズにやり取りできたのかなと思います。
――仕事として芝居に取り組む上で、大切にしていることは何でしょうか。
【水沢】共感してもらえるか分かりませんが、僕は自分が芸能人だという感覚があまりなくて、普通のサラリーマンだと思っているんです。朝起きて仕事に行って、働いて、帰る。仕事内容などが違っても、毎日仕事に向き合っているという意味では同じだと思っています。
経験を重ねると、自分にできることと、できないことが分かってきます。できないことができるようになるには、時間がかかることも分かってきました。これまで培ってきたものをどう生かすかを考えることも増えました。現場で今までやったことのない芝居を試して、監督と一緒に足し算と引き算をすることもあります。俳優を続けていく上で、できることだけに収まらず、できないことにも挑戦できる自分でいたいです。
――周囲からのイメージもある中で、どんな自分でありたいですか。
【水沢】周りからどう見られているかを知った上で努力することも多いと思いますが、そればかりだと、僕はいっぱいいっぱいになってしまうので、いつまでも等身大でいたいです。
僕は「はい」と「いいえ」で答えられるような人になりたいんです。「やりますか、やりませんか」と聞かれた時に、曖昧なままにせず、自分で決めて行動したい。まずは自分が思いついたことをやってみて、分からないことは、一緒に突き詰めてくれる人たちと取り組んでいきたいです。
――最後に、『うるわしの宵の月』の見どころを教えてください。
【水沢】キラキラした王道の恋愛映画を見ていただけると思います。旅行や花火、好きという気持ちを伝えたり、すれ違ったり。そうした青春の恋模様を、まさに「火の玉ストレート」のようにまっすぐ描いています。キュンキュンしますし、「学生の頃、こんなことがあったな」と思い出せる瞬間も多いと思います。
僕自身、見終わった時に、10代の頃に恋愛映画を見た後と同じ気持ちになりました。そういうものを、どの世代の方にも感じていただける作品だと思います。
撮影:松尾夏樹
ヘアメイク:菅井彩佳
スタイリスト:能城匠
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【画像】映画『うるわしの宵の月』大路拓人の場面写真
モデルとして端正なルックスで注目を集める一方、大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』や、地上波連続ドラマ初主演作『おいしい離婚届けます』など、俳優としても着実にキャリアを重ね、今秋も『俺たちの箱根駅伝』(日本テレビ系)、『ボーダーズ 警視庁特殊事件対策班』(テレビ東京系)に出演。活躍の場を広げる彼が、自分の仕事をごく日常的な営みとして捉えていることが、新鮮に響いた。
やまもり三香の同名漫画を実写化した本作で演じるのは、滝口宵(安斉星来)に思いを寄せ、市村琥珀(道枝駿佑)の恋のライバルとなる“第3の王子”大路拓人。一途な恋心を表現するための工夫や、3度目の共演となる道枝との関係、俳優として大切にしていることを聞いた。
――原作漫画を読んで、大路拓人を演じる上でどのようなことを意識しましたか?
【水沢】「大路(おおじ)」という名字のため、周囲から「王子」と呼ばれているけれど、本人はあまり意識していなくて、女性と接した経験もあまりない、純粋な男の子だなと思っていました。
漫画では、絵やコマの流れからリアクションや雰囲気を想像できますが、実写ではカメラのアングルや相手との芝居、反応の仕方によって印象が変わります。原作との間に大きな差が生まれないよう、意識していました。
映画では、原作の全てを描けるわけではありません。出来事の前後が省かれることもあるので、一途に相手を思う姿が、見せ方によっては重たい印象になってしまうかもしれないと感じました。
なので、変にキョロキョロしたり、ソワソワしたりせず、どっしり構えることを大切にしました。それが拓人を演じる上で一つの武器になると思いました。宵ちゃんへの恋心が重く見えすぎないように、監督と相談しながら演じていました。
――恋愛作品への出演や、いわゆる「王子キャラ」を演じることに対するプレッシャーはありましたか?
【水沢】恋愛作品の経験があまりなかったので、「王子キャラ」への戸惑いはありました(笑)。学生ならではのキラキラした雰囲気は、出そうと思って出せるものではなく、高校生たちを見て「今が楽しそう」「幸せそう」と感じる、その姿を「キラキラしている」と表現するのかなと思うんです。自分もスクリーン越しにそう見えるのか、少し不安はありましたが、拓人らしいまっすぐさを大切にしながら、琥珀とは違うかっこよさを動きや表情、仕草でどう表現するか探っていました。
――琥珀を演じる道枝駿佑さんとは、プライベートでも親交があるそうですね。
【水沢】お互いに話したい時に気軽に連絡できる関係です。誕生日はもちろん、雑誌の表紙や出演番組を見て連絡したり、向こうも「ドラマを見ているよ」と言ってくれたり。ご飯に行く約束をしながら、最近の仕事の話をすることもあります。大人になってから同い年の友達はなかなかできるものではないので、すごくありがたい存在です。
――今回で3度目の共演ですが、普段の交流は撮影でも生きましたか。
【水沢】共演していない間も連絡をとったりしている時間が長いので、何をしたいのか、どう思っているのかは、なんとなく分かります。「こういうふうに見せたい」「こうやってみたい」という思いを聞いて、「じゃあ、どこまでやる?」と、二人で相談したこともありました。
僕のクランクインが、お互いに少しバチバチする場面だったのですが、道枝がストレートに台詞を投げかけてきてくれたので、僕もまっすぐ返そうと思っていました。あの時に、まだ定まっていなかった拓人の方向性が少し見えたところもあります。普段から話していたからこそ、スムーズにやり取りできたのかなと思います。
――仕事として芝居に取り組む上で、大切にしていることは何でしょうか。
【水沢】共感してもらえるか分かりませんが、僕は自分が芸能人だという感覚があまりなくて、普通のサラリーマンだと思っているんです。朝起きて仕事に行って、働いて、帰る。仕事内容などが違っても、毎日仕事に向き合っているという意味では同じだと思っています。
経験を重ねると、自分にできることと、できないことが分かってきます。できないことができるようになるには、時間がかかることも分かってきました。これまで培ってきたものをどう生かすかを考えることも増えました。現場で今までやったことのない芝居を試して、監督と一緒に足し算と引き算をすることもあります。俳優を続けていく上で、できることだけに収まらず、できないことにも挑戦できる自分でいたいです。
――周囲からのイメージもある中で、どんな自分でありたいですか。
【水沢】周りからどう見られているかを知った上で努力することも多いと思いますが、そればかりだと、僕はいっぱいいっぱいになってしまうので、いつまでも等身大でいたいです。
僕は「はい」と「いいえ」で答えられるような人になりたいんです。「やりますか、やりませんか」と聞かれた時に、曖昧なままにせず、自分で決めて行動したい。まずは自分が思いついたことをやってみて、分からないことは、一緒に突き詰めてくれる人たちと取り組んでいきたいです。
――最後に、『うるわしの宵の月』の見どころを教えてください。
【水沢】キラキラした王道の恋愛映画を見ていただけると思います。旅行や花火、好きという気持ちを伝えたり、すれ違ったり。そうした青春の恋模様を、まさに「火の玉ストレート」のようにまっすぐ描いています。キュンキュンしますし、「学生の頃、こんなことがあったな」と思い出せる瞬間も多いと思います。
僕自身、見終わった時に、10代の頃に恋愛映画を見た後と同じ気持ちになりました。そういうものを、どの世代の方にも感じていただける作品だと思います。
撮影:松尾夏樹
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