エンタメ
2026-10-31 04:00
俳優の中島裕翔が、2027年4月に上演される新国立劇場2026/2027シーズン演劇『見えざる手』で主演を務めることが決定した。中島は、テロ組織に誘拐されたアメリカ人銀行員ニック・ブライトを演じる。あわせて共演者と公演日程も発表された。
【写真】テロ組織に誘拐されたアメリカ人銀行員を演じる中島裕翔
同作は、『ディスグレイスト』でピュリッツァー賞を受賞したアメリカの劇作家のアヤド・アクタルによる資本主義と信仰、暴力と倫理が交錯する密室劇。9月から新たに就任した新国立劇場・演劇芸術監督の上村聡史氏が掲げる「現代的、国際的、批評的」な作品づくりの第2弾として、上村氏自身の演出で上演される。上村氏と中島がタッグを組むのは、『みんな鳥になって』(2025)以来、2度目となる。
物語は、パキスタンでテロ組織に誘拐されたアメリカ人銀行家ニック・ブライトが、自らの身代金を稼ぐために市場取引を持ちかけるという意外な提案から始まる。ニックの金融知識はやがて組織に巨額の富をもたらすが、その過程で理念や信仰が揺らぎ、金に支配され欲望がむき出しになる人間の姿が、張りつめた緊張感のなかで展開される。
ニックを誘拐したテログループの理想に燃える若き組織員、バシール役には大鶴佐助。バシールの手下で監視役のダールには田中亨、組織のカリスマ的リーダーであるイマーム・サリーム役には佐藤誓がキャスティングされた。
同作は2012年に一幕劇として上演され、14年には二幕構成に拡大されてオフ・ブロードウェイで初演。以降、15年オビー賞(劇作部門)、ジョン・ガスナー劇作家賞を受賞、16年イブニング・スタンダード賞および、17年ローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされるなど、英米で高い評価を受けてきた。
タイトルの『見えざる手』とは、“各個人が自己の利益を追求することで、意図せず社会全体の利益や調和がもたらされる”という、経済学の父、アダム・スミスが唱えた概念。同作ではその“見えない力”が、信仰や倫理までも飲み込む冷徹な存在として描かれる。
資本主義の暴力性と人間の欲望を鋭く描く、現代の寓話(ぐうわ)ともいえる同作。緻密な戯曲の読み解きや俳優との丁寧な対話、巧みな空間演出に定評のある上村氏の演出で、“命を賭けたマネーゲーム”を繰り広げる。
同作は、同劇場の小劇場で2027年4月2日から29日まで上演される。
■コメント
▼中島裕翔(ニック・ブライト役)
密室での頭脳戦あり心理戦ありの、命を賭けたクライムサスペンスです。上村さんとまたご一緒できて本当にうれしいです!前回ご一緒したときは、最後に本当の自分の出自を知り、今まで信じてきたアイデンティティと混在する、ある意味量子論の二重性のような役でした。上村さんの演出で人間特有のアンビバレントさや、さらには今作品での資本や自由の暴力性、人間の欲望がどう表現されるのかがとても楽しみです。監禁されて常に死と隣り合わせという大変な役なのに、今からワクワクしています。
誓さんとも『セールスマンの死』でご一緒して、またすぐに違う役柄で共演できるなんてとても楽しみです。敵対する役どころですがお手柔らかにお願いします(笑)。嘘です、ビシビシきてください!
人違いで誘拐された銀行員が、金融の知識を駆使して抜け出そうと孤軍奮闘します。頼れるのはPC一台。富、知識、権力によって人が変わっていく様。自由を与えられた時に人はどうなるのか。自分は何によって定義されるのか。自分が信じていたものはなんだったのか。さまざまな要素が密室という空間を飛び出して幅広く描かれていきます。ぜひ劇場にお越しください。
▼大鶴佐助(バシール役)
今回お話をいただき、戯曲を読み人間の欲や動物的本能がとても生っぽく描かれている作品だなと思いました。ストックホルム症候群なのかリマ症候群なのか、打算からの親しみも本心に変化するし、憎しみも好意に変化する、相手への印象や人間関係は極限の状況下では相当アンバランスなものになるのだなと思いました。自分は新国立劇場に立つのは今回が初めてですし、演出の上村さんも初めましてなので、稽古場でこの作品がどう立ち上がっていくのか今からとても楽しみです。男性4人のみの芝居なので、無骨なモノになるのか、洗練されたモノになるのかわかりませんが、劇場に足をお運びいただければ幸いです。
▼田中亨(ダール役)
上村さんとは『デカローグ』で初めてご一緒させていただきましたが、台本を読んだ印象よりも自由で開放的で、作品作りする上での遊び心や大切なことを多く学びました。今回『見えざる手』の台本を読み、登場人物の滑稽さや可笑しさに愛おしさを感じるのと同時に、演じる難しさも感じています。ワクワクと不安で身震いしていますが、一方的に作品を観ていて尊敬する素敵なキャストの先輩方、スタッフの方々と共に精一杯取り組んでいけたらと思います。緊張感ある密室劇です。ぜひのぞきにいらしてくださいませ。よろしくお願いします。
▼佐藤誓(イマーム・サリーム役)
演出の上村さんへの10年以上にわたるラブコールがかない、裕翔くん、佐助くんとの再共演、待ち望んでいた亨くんとの初共演、大変うれしいです。『見えざる手』はアダム・スミスの言葉として記憶の彼方にありましたが、経済学は全くの不得意分野なので、専門用語担当ではなくて少しホッとしていますが、カリスマ性を持ちながら信仰と資本主義の間で揺れ動くテロ組織のリーダーというなかなか難しい役どころです。海外戯曲に取り組む時の人種、文化、信仰の違いというハードルがイスラム圏の作品では一層高く感じます。台詞を肚に落とし込んで発することが今回のチャレンジです。信仰は資本主義に勝てるのか?濃密なサスペンスを新国立小劇場でぜひご一緒に体験してください。
▼上村聡史(演出)
監禁された密室と、日々チャートがうごめく市場経済。一見すると対極にあるような2つの世界ですが、本作『見えざる手』ではこれらがスリリングに連結し、恐ろしい様相を帯びていきます。昨今、市場への参入が加速する日本において、決して他人事ではない衝撃作となるはずです。
以前もご一緒し、厚い信頼を寄せる中島裕翔さん、田中亨さんとの再びの創作と、今回初めてご一緒する大鶴佐助さん、佐藤誓さんとの新たな出会いにも大きな期待を寄せています。この俳優たち4人が紡ぐ緊迫感と、互いの思惑が交錯する対話の行く末が、世界の均衡を崩すことになるその瞬間を、ぜひ劇場で目撃してください。
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同作は、『ディスグレイスト』でピュリッツァー賞を受賞したアメリカの劇作家のアヤド・アクタルによる資本主義と信仰、暴力と倫理が交錯する密室劇。9月から新たに就任した新国立劇場・演劇芸術監督の上村聡史氏が掲げる「現代的、国際的、批評的」な作品づくりの第2弾として、上村氏自身の演出で上演される。上村氏と中島がタッグを組むのは、『みんな鳥になって』(2025)以来、2度目となる。
物語は、パキスタンでテロ組織に誘拐されたアメリカ人銀行家ニック・ブライトが、自らの身代金を稼ぐために市場取引を持ちかけるという意外な提案から始まる。ニックの金融知識はやがて組織に巨額の富をもたらすが、その過程で理念や信仰が揺らぎ、金に支配され欲望がむき出しになる人間の姿が、張りつめた緊張感のなかで展開される。
ニックを誘拐したテログループの理想に燃える若き組織員、バシール役には大鶴佐助。バシールの手下で監視役のダールには田中亨、組織のカリスマ的リーダーであるイマーム・サリーム役には佐藤誓がキャスティングされた。
同作は2012年に一幕劇として上演され、14年には二幕構成に拡大されてオフ・ブロードウェイで初演。以降、15年オビー賞(劇作部門)、ジョン・ガスナー劇作家賞を受賞、16年イブニング・スタンダード賞および、17年ローレンス・オリヴィエ賞にノミネートされるなど、英米で高い評価を受けてきた。
タイトルの『見えざる手』とは、“各個人が自己の利益を追求することで、意図せず社会全体の利益や調和がもたらされる”という、経済学の父、アダム・スミスが唱えた概念。同作ではその“見えない力”が、信仰や倫理までも飲み込む冷徹な存在として描かれる。
資本主義の暴力性と人間の欲望を鋭く描く、現代の寓話(ぐうわ)ともいえる同作。緻密な戯曲の読み解きや俳優との丁寧な対話、巧みな空間演出に定評のある上村氏の演出で、“命を賭けたマネーゲーム”を繰り広げる。
同作は、同劇場の小劇場で2027年4月2日から29日まで上演される。
■コメント
▼中島裕翔(ニック・ブライト役)
密室での頭脳戦あり心理戦ありの、命を賭けたクライムサスペンスです。上村さんとまたご一緒できて本当にうれしいです!前回ご一緒したときは、最後に本当の自分の出自を知り、今まで信じてきたアイデンティティと混在する、ある意味量子論の二重性のような役でした。上村さんの演出で人間特有のアンビバレントさや、さらには今作品での資本や自由の暴力性、人間の欲望がどう表現されるのかがとても楽しみです。監禁されて常に死と隣り合わせという大変な役なのに、今からワクワクしています。
誓さんとも『セールスマンの死』でご一緒して、またすぐに違う役柄で共演できるなんてとても楽しみです。敵対する役どころですがお手柔らかにお願いします(笑)。嘘です、ビシビシきてください!
人違いで誘拐された銀行員が、金融の知識を駆使して抜け出そうと孤軍奮闘します。頼れるのはPC一台。富、知識、権力によって人が変わっていく様。自由を与えられた時に人はどうなるのか。自分は何によって定義されるのか。自分が信じていたものはなんだったのか。さまざまな要素が密室という空間を飛び出して幅広く描かれていきます。ぜひ劇場にお越しください。
▼大鶴佐助(バシール役)
今回お話をいただき、戯曲を読み人間の欲や動物的本能がとても生っぽく描かれている作品だなと思いました。ストックホルム症候群なのかリマ症候群なのか、打算からの親しみも本心に変化するし、憎しみも好意に変化する、相手への印象や人間関係は極限の状況下では相当アンバランスなものになるのだなと思いました。自分は新国立劇場に立つのは今回が初めてですし、演出の上村さんも初めましてなので、稽古場でこの作品がどう立ち上がっていくのか今からとても楽しみです。男性4人のみの芝居なので、無骨なモノになるのか、洗練されたモノになるのかわかりませんが、劇場に足をお運びいただければ幸いです。
▼田中亨(ダール役)
上村さんとは『デカローグ』で初めてご一緒させていただきましたが、台本を読んだ印象よりも自由で開放的で、作品作りする上での遊び心や大切なことを多く学びました。今回『見えざる手』の台本を読み、登場人物の滑稽さや可笑しさに愛おしさを感じるのと同時に、演じる難しさも感じています。ワクワクと不安で身震いしていますが、一方的に作品を観ていて尊敬する素敵なキャストの先輩方、スタッフの方々と共に精一杯取り組んでいけたらと思います。緊張感ある密室劇です。ぜひのぞきにいらしてくださいませ。よろしくお願いします。
▼佐藤誓(イマーム・サリーム役)
演出の上村さんへの10年以上にわたるラブコールがかない、裕翔くん、佐助くんとの再共演、待ち望んでいた亨くんとの初共演、大変うれしいです。『見えざる手』はアダム・スミスの言葉として記憶の彼方にありましたが、経済学は全くの不得意分野なので、専門用語担当ではなくて少しホッとしていますが、カリスマ性を持ちながら信仰と資本主義の間で揺れ動くテロ組織のリーダーというなかなか難しい役どころです。海外戯曲に取り組む時の人種、文化、信仰の違いというハードルがイスラム圏の作品では一層高く感じます。台詞を肚に落とし込んで発することが今回のチャレンジです。信仰は資本主義に勝てるのか?濃密なサスペンスを新国立小劇場でぜひご一緒に体験してください。
▼上村聡史(演出)
監禁された密室と、日々チャートがうごめく市場経済。一見すると対極にあるような2つの世界ですが、本作『見えざる手』ではこれらがスリリングに連結し、恐ろしい様相を帯びていきます。昨今、市場への参入が加速する日本において、決して他人事ではない衝撃作となるはずです。
以前もご一緒し、厚い信頼を寄せる中島裕翔さん、田中亨さんとの再びの創作と、今回初めてご一緒する大鶴佐助さん、佐藤誓さんとの新たな出会いにも大きな期待を寄せています。この俳優たち4人が紡ぐ緊迫感と、互いの思惑が交錯する対話の行く末が、世界の均衡を崩すことになるその瞬間を、ぜひ劇場で目撃してください。
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