エンタメ
2026-08-30 08:40
放送中の『24時間テレビ 49』(日本テレビ系)でチャリティーパートナーを務めるSixTONES。29日、26時台で放送された『Golden SixTONES 家族対抗SP』では、松村北斗が高橋成美姉妹とチームを組み、翻弄されながらも的確な合いの手と気の利いた一言を差し込む場面が見られた。数々の演技賞を受賞し、俳優としての評価を得続けている一方で、注目されているのが、彼がバラエティで見せる“言葉選びのセンス”だ。アイドルのバラエティ担当といえば“おバカ”や“体を張る”などのセオリーがあったが、磨き上げられた“フレーズの強度”で、バラエティ番組の新たな潮流を生み出している。
【番組カット】サプライズ!パフォーマンスを披露したブラックビスケッツ
■代々受け継がれてきた伝統、"しゃべれるアイドル"の系譜
アイドルにおけるバラエティ対応力、台本のない場での瞬発力。これは彼らが、先輩たちの代から脈々と築いてきた伝統でもある。その開拓者と言えるのがSMAPだ。中居正広を筆頭に、1996年にスタートした『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)は、人気コーナー"ビストロSMAP"をはじめ、トークもコントも料理もこなす総合バラエティとして16年間続き、"歌って踊るだけ"だったアイドル像を塗り替え、"しゃべれるアイドル"という新しい型を確立した。
嵐の二宮和也や櫻井翔は、自らボケて笑いをさらうタイプではなく、場の空気を読んで的確にツッコミを入れたり、あえてイジられ役に回ったりと、周囲を輝かせる"パスの出し手"としてのトーク力で評価されてきた。関西出身のSUPER EIGHTは、村上信五を筆頭に"アイドルらしからぬ"と称されるほどのトーク力を武器に、これまで15本以上のバラエティ系冠番組を担当してきた実績を持つ。
さらに近年では、菊池風磨のように体当たりでロケを回したかと思えば、オーディション番組では“菊池風磨構文”といわれる、SNSでミーム化するほどの名言を連発するタイプも。
その対応力は年々威力を増しているように思えるが、SixTONESの松村北斗は、こうした"しゃべれるアイドル"の系譜の「さらに先」を提示しているのではないか。
■「え、SixTONESなんだ」俳優として出会った人が驚く“逆転現象”
「沼に落ちた」多くの視聴者が“俳優としての松村北斗”をきっかけにしている。NHK「連続テレビ小説」『カムカムエヴリバディ』でヒロインの相手役、新海誠監督のアニメーションを実写化した『秒速5センチメートル』での主演、松たか子との共演が話題となった『ファーストキス 1ST KISS』、そしてドラマ『告白―25年目の秘密―』での単独主演。松村の近年の仕事は、"アイドルの俳優活動"という枕詞では収まらなくなってきている。実際、『告白』では放送のたびにSNSで関連ワードがトレンド入りし、「他作品でも気になっていた“俳優”が実はアイドルだったのか」と驚きの声があがることも。
その裏付けとなるのが2026年3月の第49回日本アカデミー賞授賞式。『秒速5センチメートル』で優秀主演男優賞、『ファーストキス 1ST KISS』で優秀助演男優賞、さらにオールナイトニッポンリスナー投票による話題賞まで受賞。このトリプル受賞は、俳優の岡田准一以来11年ぶりの快挙だという。
SNSに寄せられる反響から、「アイドルがドラマに出て、演技も評判になる」という従来の順序ではなく、「まず俳優として作品にハマり、あとから調べたらSixTONESのメンバーだった」という“逆転の現象”が起きている。この逆輸入型の認知経路こそ、松村がグループそのものへの新しい入り口になっている証左でもある。
■“印象に残る決めワード”を芸人ではなくアイドルが放つ意味
『Golden SixTONES』での松村の立ち位置を見ていると、俳優の活動から注目して視聴し始めた人ほど“特異”に映るかもしれない。同番組では、進行役をオリエンタルラジオ・藤森慎吾やタイムマシーン3号ら"専業"のお笑い芸人、あるいはメンバーの田中樹が担うことが多く、松村自身が仕切り役に回る場面は少ない。その代わりに目立つのが、ゲストとの一騎打ち企画だ。動体視力ゲームで大泉洋と"師弟対決"を演じたかと思えば、日本テレビの天気キャラクター・そらジローとの真剣勝負が勃発し、俳優ゲストが見せ場を作れるよう松村が起点となり作っていく。進行という"裏方"ではなく、ゲストと真正面からぶつかる"見せ場"のポジションを任され続けているのだ。
その"合いの手"の精度は、進行役を担う藤森慎吾自身が証言している。2026年4月放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』にゲスト出演した藤森は、田中樹をはじめとしたメンバーが自分を「慎吾」と呼び捨てにするようになったきっかけについて、収録中に松村が「慎吾~」とヤジを飛ばしたことがきっかけだったと明かした。まだ始まったばかりの番組で、お互いの距離感も分からないなかで「オンエアに乗るか乗らないかのところでガヤを入れてくれて」関係性が生まれたと振り返っている。
番組作りの視点で見ても、その存在は理にかなっている。進行役がゲストを回す"本線"とは別に、松村の一言がもう一つの笑いの発生源になることで、番組は外部の芸人だけに頼らずとも内側から笑いを生み出せる。台本にない場面でも"使える"言葉を確実に拾える人がいるというのは、制作側にとって心強い頼みの綱でもある。そして、体を張ったハプニングが"見ないと伝わらない"のに対し、気の利いた一言は文字だけで成立するぶん、公式SNSでの切り抜きや拡散とも相性がいい。オンエア後も"テロップになった一言"が独り歩きする。それもまた、彼がもたらす"付加価値"のひとつなのだろう。
■脈々と築いてきた伝統を更新? “しゃべれるアイドル”のその先へ
もっとも、松村の"言葉のセンス"は今に始まったことではない。2014年、深夜バラエティ『ガムシャラ!』(テレビ朝日系)で「松村北斗のほくほく北斗!」「北斗の犬」といった単独コーナーを持ち、そのシュールな演出が話題になった。チーム対抗のパフォーマンス企画でリーダーを務めた際に、同じグループとなったジュニアたちを鼓舞する意味で発した「気持ち切らすなって!」という一言は、応援するファンの間で“名言”として語り継がれている。当時から番組スタッフの間では「印象に残る言葉を言ってくれる」と評されていたというから、今に始まった才能ではなく、10年以上かけて研ぎ澄まされてきた地力だと考えるのが自然だ。
松村と同世代のアイドルでお笑い担当のキャラクターをあてられている人の共通点は、"おバカキャラ"か"体を張る"タイプが定番だった。平野紫耀、岸優太、松田元太の天然キャラがその代表例で、いずれも笑いの起点はキャラクターの愛らしさにあった。クラスに置き換えるなら、中心にいるムードメーカーだ。
松村は、どちらかというとその対極の位置にいる。冠番組『Golden SixTONES』で爆笑が生まれる流れの起点をつくったり、練りに練られた一言で場を締めたりする姿は、クラスの端の方にいるのに、たまに放つ一言だけがやけに面白くて、気づけばみんなに一目置かれている――そんなタイプに近い。芸人が磨き上げるような言葉の職人技、ウィットに富んだフレーズを生み出すことを、アイドルという立場でやってのけている。ここに、既存のアイドル論では説明しきれない新しさがある。
俳優としての評価、鍛えられた言葉のセンス、そしてアイドル像を更新する知性的な笑い。この三つを兼ね備えた人材は、決して多くない。松村北斗は、単なる"人気者"の延長ではなく、演者としての実力と、笑いの現場での即応力を併せ持つ、"テレビタレント"として、ある種の到達点にいたっているとも言えるのではないか。そしてそれは、5クール連続で民放連ドラ主要キャストにメンバーを送り込むグループ全体の勢いとも、決して無縁ではないはずだ。
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■代々受け継がれてきた伝統、"しゃべれるアイドル"の系譜
アイドルにおけるバラエティ対応力、台本のない場での瞬発力。これは彼らが、先輩たちの代から脈々と築いてきた伝統でもある。その開拓者と言えるのがSMAPだ。中居正広を筆頭に、1996年にスタートした『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)は、人気コーナー"ビストロSMAP"をはじめ、トークもコントも料理もこなす総合バラエティとして16年間続き、"歌って踊るだけ"だったアイドル像を塗り替え、"しゃべれるアイドル"という新しい型を確立した。
嵐の二宮和也や櫻井翔は、自らボケて笑いをさらうタイプではなく、場の空気を読んで的確にツッコミを入れたり、あえてイジられ役に回ったりと、周囲を輝かせる"パスの出し手"としてのトーク力で評価されてきた。関西出身のSUPER EIGHTは、村上信五を筆頭に"アイドルらしからぬ"と称されるほどのトーク力を武器に、これまで15本以上のバラエティ系冠番組を担当してきた実績を持つ。
さらに近年では、菊池風磨のように体当たりでロケを回したかと思えば、オーディション番組では“菊池風磨構文”といわれる、SNSでミーム化するほどの名言を連発するタイプも。
その対応力は年々威力を増しているように思えるが、SixTONESの松村北斗は、こうした"しゃべれるアイドル"の系譜の「さらに先」を提示しているのではないか。
■「え、SixTONESなんだ」俳優として出会った人が驚く“逆転現象”
「沼に落ちた」多くの視聴者が“俳優としての松村北斗”をきっかけにしている。NHK「連続テレビ小説」『カムカムエヴリバディ』でヒロインの相手役、新海誠監督のアニメーションを実写化した『秒速5センチメートル』での主演、松たか子との共演が話題となった『ファーストキス 1ST KISS』、そしてドラマ『告白―25年目の秘密―』での単独主演。松村の近年の仕事は、"アイドルの俳優活動"という枕詞では収まらなくなってきている。実際、『告白』では放送のたびにSNSで関連ワードがトレンド入りし、「他作品でも気になっていた“俳優”が実はアイドルだったのか」と驚きの声があがることも。
その裏付けとなるのが2026年3月の第49回日本アカデミー賞授賞式。『秒速5センチメートル』で優秀主演男優賞、『ファーストキス 1ST KISS』で優秀助演男優賞、さらにオールナイトニッポンリスナー投票による話題賞まで受賞。このトリプル受賞は、俳優の岡田准一以来11年ぶりの快挙だという。
SNSに寄せられる反響から、「アイドルがドラマに出て、演技も評判になる」という従来の順序ではなく、「まず俳優として作品にハマり、あとから調べたらSixTONESのメンバーだった」という“逆転の現象”が起きている。この逆輸入型の認知経路こそ、松村がグループそのものへの新しい入り口になっている証左でもある。
■“印象に残る決めワード”を芸人ではなくアイドルが放つ意味
『Golden SixTONES』での松村の立ち位置を見ていると、俳優の活動から注目して視聴し始めた人ほど“特異”に映るかもしれない。同番組では、進行役をオリエンタルラジオ・藤森慎吾やタイムマシーン3号ら"専業"のお笑い芸人、あるいはメンバーの田中樹が担うことが多く、松村自身が仕切り役に回る場面は少ない。その代わりに目立つのが、ゲストとの一騎打ち企画だ。動体視力ゲームで大泉洋と"師弟対決"を演じたかと思えば、日本テレビの天気キャラクター・そらジローとの真剣勝負が勃発し、俳優ゲストが見せ場を作れるよう松村が起点となり作っていく。進行という"裏方"ではなく、ゲストと真正面からぶつかる"見せ場"のポジションを任され続けているのだ。
その"合いの手"の精度は、進行役を担う藤森慎吾自身が証言している。2026年4月放送の『SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル』にゲスト出演した藤森は、田中樹をはじめとしたメンバーが自分を「慎吾」と呼び捨てにするようになったきっかけについて、収録中に松村が「慎吾~」とヤジを飛ばしたことがきっかけだったと明かした。まだ始まったばかりの番組で、お互いの距離感も分からないなかで「オンエアに乗るか乗らないかのところでガヤを入れてくれて」関係性が生まれたと振り返っている。
番組作りの視点で見ても、その存在は理にかなっている。進行役がゲストを回す"本線"とは別に、松村の一言がもう一つの笑いの発生源になることで、番組は外部の芸人だけに頼らずとも内側から笑いを生み出せる。台本にない場面でも"使える"言葉を確実に拾える人がいるというのは、制作側にとって心強い頼みの綱でもある。そして、体を張ったハプニングが"見ないと伝わらない"のに対し、気の利いた一言は文字だけで成立するぶん、公式SNSでの切り抜きや拡散とも相性がいい。オンエア後も"テロップになった一言"が独り歩きする。それもまた、彼がもたらす"付加価値"のひとつなのだろう。
■脈々と築いてきた伝統を更新? “しゃべれるアイドル”のその先へ
もっとも、松村の"言葉のセンス"は今に始まったことではない。2014年、深夜バラエティ『ガムシャラ!』(テレビ朝日系)で「松村北斗のほくほく北斗!」「北斗の犬」といった単独コーナーを持ち、そのシュールな演出が話題になった。チーム対抗のパフォーマンス企画でリーダーを務めた際に、同じグループとなったジュニアたちを鼓舞する意味で発した「気持ち切らすなって!」という一言は、応援するファンの間で“名言”として語り継がれている。当時から番組スタッフの間では「印象に残る言葉を言ってくれる」と評されていたというから、今に始まった才能ではなく、10年以上かけて研ぎ澄まされてきた地力だと考えるのが自然だ。
松村と同世代のアイドルでお笑い担当のキャラクターをあてられている人の共通点は、"おバカキャラ"か"体を張る"タイプが定番だった。平野紫耀、岸優太、松田元太の天然キャラがその代表例で、いずれも笑いの起点はキャラクターの愛らしさにあった。クラスに置き換えるなら、中心にいるムードメーカーだ。
松村は、どちらかというとその対極の位置にいる。冠番組『Golden SixTONES』で爆笑が生まれる流れの起点をつくったり、練りに練られた一言で場を締めたりする姿は、クラスの端の方にいるのに、たまに放つ一言だけがやけに面白くて、気づけばみんなに一目置かれている――そんなタイプに近い。芸人が磨き上げるような言葉の職人技、ウィットに富んだフレーズを生み出すことを、アイドルという立場でやってのけている。ここに、既存のアイドル論では説明しきれない新しさがある。
俳優としての評価、鍛えられた言葉のセンス、そしてアイドル像を更新する知性的な笑い。この三つを兼ね備えた人材は、決して多くない。松村北斗は、単なる"人気者"の延長ではなく、演者としての実力と、笑いの現場での即応力を併せ持つ、"テレビタレント"として、ある種の到達点にいたっているとも言えるのではないか。そしてそれは、5クール連続で民放連ドラ主要キャストにメンバーを送り込むグループ全体の勢いとも、決して無縁ではないはずだ。
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