エンタメ
2026-02-19 10:00
「エヴァンゲリオン」がまさかの歌舞伎化――。そんな異色の新作舞台に挑む歌舞伎界のプリンス・尾上左近(20)と、歌舞伎界のホープ・上村吉太朗(24)がインタビューに応じ、原作への敬意と“歌舞伎として表現する”覚悟を語った。原作ファンが集うフェスの舞台で、伝統芸能はどこまで“はみ出せる”のか。二人が見据える、歌舞伎の新たな可能性とは。
【画像】『エヴァフェス』記念イラスト
1995年に放送され社会現象を巻き起こしたTVシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』。2025年10月にシリーズ30周年を迎え、その集大成としてシリーズ初のフェスイベント「EVANGELION:30+; 30th ANNIVERSARY OF EVANGELION」が、2月21日・22日・23日の3日間、横浜アリーナにて開催される。目玉企画の一つとして、3日目には『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』の上演が決定。歌舞伎舞踊と歌舞伎ならではの邦楽(歌舞伎音楽)、そして映像が織り成す一期一会の舞台となる。
――『新世紀エヴァンゲリオン』が誕生した当時、お二人とも生まれていなかったんですよね。「エヴァンゲリオン」を歌舞伎に、しかも自分が出演する――そう聞いたときのお気持ちを聞かせてください。
【尾上左近】最初に『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』が発表されたとき、幕内でもその話は一切出ていなかったので、僕は「X」で知ったんです。「エヴァンゲリオン歌舞伎? ほお……誰がやるんだろう」と、完全に他人事でした(笑)。「ちょっと楽しみだな、見に行こうかな」くらいに思っていたら、突然電話がありまして。「左近さん主役で」と言われて。「シンジ君ですね」と返したら、「いや、カヲル君で」と。本当に驚きからのスタートでした。
「エヴァンゲリオン」は日本のアニメーションを代表する作品で、もはや一つの文化だと思っています。そんな作品に携わらせていただけること、声をかけていただけたことは本当にありがたくて、「ぜひ受けさせてください」とお答えしました。
出演が決まってから、見られるものはすべて見ました。改めて「これは難しいぞ」と感じましたね(笑)。稽古をしていて、案の定難しいのですが、座組一同、愛を持って取り組んでいますので、楽しみにしていただけたらと思います。
【上村吉太朗】私も最初に聞いたときは、左近さんと同じで完全に他人事でした。ある日、電話が来て、「『エヴァンゲリオン』のイベントが21・22・23日にあるんですけど、『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』は23日です」と言われて。「はい?」って(笑)。僕は22日に別作品の本番があり、21・22日は舞台稽古ができないスケジュールだった上に、「役はシンジ君です」と言われて驚きました。
今回の『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』では、 “カヲル君とシンジ君の出会い”にフォーカスしています。ハードルは高いですが、2.5次元ではなく、あくまで歌舞伎としてエヴァンゲリオンの世界観を表現する。稽古で練り上げている段階ですが、どういった形になるのか。小道具も使うので、そこにどのような意味を持たせるかも含めて見ていただきたいと思っています。
■「何が歌舞伎なのか」 新作歌舞伎へ戦む思い
――『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』に取り組む中で、“歌舞伎の可能性”について感じることはありますか?
【左近】「エヴァ」が好きなお客様が多くいらっしゃる中で歌舞伎をどのように見ていただくか――個人的には「歌舞伎ってここまでやるんだ」「歌舞伎ってこんなにバラエティ豊かなんだ」と思ってもらえたらうれしいですね。
もちろん、新作歌舞伎として型から離れすぎてはいけませんが、かといって古典の型だけで「エヴァ」の世界観を最大限に表現できるかというと難しい。上演する場所も通常の劇場とは違いますし、少し“はみ出した歌舞伎”になってもいいのかなと思っています。
新作をきっかけに歌舞伎に興味を持っていただき、古典も見ていただけたらうれしいですが、まずはイベントとして楽しんでいただけることが一番。深く考えすぎず、むしろ“歌舞伎”という言葉もあまり意識せずに見ていただけたらと思います。
【吉太朗】新作を作るときにまず求められるのは、原作へのリスペクト、そのキャラクターに見えることだと思います。ただ、新作歌舞伎として上演する以上、やはり歌舞伎でなければいけない。「何が歌舞伎なのか」と言われると本当に難しいのですが……。
今「古典」と呼ばれているものも、生まれた瞬間は新作でした。長い年月の中で支持され、残ってきたものが古典になっている。だからこそ新作に挑むときほど、古典歌舞伎が大切になってくるんです。過去に演じた役や場面をヒントに、新しい表現を見つけて積み重ねていく。知識や経験が足りないと感じることもありますし、まだ演じたことのない役も本当に星の数ほどあります。だからこそ、普段から古典を学び続けて、必要なときに引き出せるようにしておくことが大切だと、新作歌舞伎に取り組むたびに強く感じます。
【左近】新作に挑戦すると、自分が今どれだけ古典を理解しているのかが見えてくるんです。いわば自分の“現在地”がわかるというか。すごく勉強になります。もちろん、自分のためだけでなく、何よりお客様に楽しんでいただくことが一番なので、その思いをしっかり形にして届けたいです。
――「エヴァンゲリオン」と歌舞伎の相性はいいのでしょうか?
【左近】(相性がいいと)思ったり、思わなかったり(笑)。
【吉太朗】新作を作るときは、本当に「どこまで原作に寄せるか」という決断が重要なんです。例えば歌舞伎『刀剣乱舞』のときもそうでしたが、一つひとつ細かく考えていました。
今回の『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』は、舞踊や立廻り、雅楽に使われる楽器で演奏される音楽など、アニメとはまったく違う表現になります。だからこそ、左近さんが言っているように、原作に忠実であることを大前提にしつつ、場面によっては“ザ・歌舞伎”の表現を強く出す、といったメリハリを意識しながら、稽古を進めています。
――最後に、お二人の今後の目標について教えてください。
【左近】私事ですが、5月に三代目尾上辰之助を襲名します。その興行を無事に終えることがまず一番の目標です。その年の初めにこうして新作に挑戦できるのは、役者人生にとって大きな経験になると思っています。
【吉太朗】立役も女方もやらせていただいて、役の幅は広がってきています。今回のシンジ君も、新しい引き出しを作れる役だと思っています。新作は本当に自分の腕が試される場ですし、これからも挑戦していきたいです。私は上方の人間なので、関西でも名のある俳優になりたいという思いもあります。少しずつでもステップアップしていきたいです。
■STAGE AREA 『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』概要
日程:2月23日(月・祝)午後5時30分〜(予定)
出演:尾上左近・上村吉太朗
作・演出:戸部和久
振付:藤間勘十郎
音楽:山田文彦
企画・製作 松竹株式会社 株式会社カラー
※「STAGE AREA」に入場するには、該当日の「STAGE AREA Ticket」または「ALL AREA Pass」が必要。
※実施内容・スケジュールは変更になる場合あり
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――『新世紀エヴァンゲリオン』が誕生した当時、お二人とも生まれていなかったんですよね。「エヴァンゲリオン」を歌舞伎に、しかも自分が出演する――そう聞いたときのお気持ちを聞かせてください。
【尾上左近】最初に『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』が発表されたとき、幕内でもその話は一切出ていなかったので、僕は「X」で知ったんです。「エヴァンゲリオン歌舞伎? ほお……誰がやるんだろう」と、完全に他人事でした(笑)。「ちょっと楽しみだな、見に行こうかな」くらいに思っていたら、突然電話がありまして。「左近さん主役で」と言われて。「シンジ君ですね」と返したら、「いや、カヲル君で」と。本当に驚きからのスタートでした。
「エヴァンゲリオン」は日本のアニメーションを代表する作品で、もはや一つの文化だと思っています。そんな作品に携わらせていただけること、声をかけていただけたことは本当にありがたくて、「ぜひ受けさせてください」とお答えしました。
出演が決まってから、見られるものはすべて見ました。改めて「これは難しいぞ」と感じましたね(笑)。稽古をしていて、案の定難しいのですが、座組一同、愛を持って取り組んでいますので、楽しみにしていただけたらと思います。
【上村吉太朗】私も最初に聞いたときは、左近さんと同じで完全に他人事でした。ある日、電話が来て、「『エヴァンゲリオン』のイベントが21・22・23日にあるんですけど、『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』は23日です」と言われて。「はい?」って(笑)。僕は22日に別作品の本番があり、21・22日は舞台稽古ができないスケジュールだった上に、「役はシンジ君です」と言われて驚きました。
今回の『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』では、 “カヲル君とシンジ君の出会い”にフォーカスしています。ハードルは高いですが、2.5次元ではなく、あくまで歌舞伎としてエヴァンゲリオンの世界観を表現する。稽古で練り上げている段階ですが、どういった形になるのか。小道具も使うので、そこにどのような意味を持たせるかも含めて見ていただきたいと思っています。
■「何が歌舞伎なのか」 新作歌舞伎へ戦む思い
――『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』に取り組む中で、“歌舞伎の可能性”について感じることはありますか?
【左近】「エヴァ」が好きなお客様が多くいらっしゃる中で歌舞伎をどのように見ていただくか――個人的には「歌舞伎ってここまでやるんだ」「歌舞伎ってこんなにバラエティ豊かなんだ」と思ってもらえたらうれしいですね。
もちろん、新作歌舞伎として型から離れすぎてはいけませんが、かといって古典の型だけで「エヴァ」の世界観を最大限に表現できるかというと難しい。上演する場所も通常の劇場とは違いますし、少し“はみ出した歌舞伎”になってもいいのかなと思っています。
新作をきっかけに歌舞伎に興味を持っていただき、古典も見ていただけたらうれしいですが、まずはイベントとして楽しんでいただけることが一番。深く考えすぎず、むしろ“歌舞伎”という言葉もあまり意識せずに見ていただけたらと思います。
【吉太朗】新作を作るときにまず求められるのは、原作へのリスペクト、そのキャラクターに見えることだと思います。ただ、新作歌舞伎として上演する以上、やはり歌舞伎でなければいけない。「何が歌舞伎なのか」と言われると本当に難しいのですが……。
今「古典」と呼ばれているものも、生まれた瞬間は新作でした。長い年月の中で支持され、残ってきたものが古典になっている。だからこそ新作に挑むときほど、古典歌舞伎が大切になってくるんです。過去に演じた役や場面をヒントに、新しい表現を見つけて積み重ねていく。知識や経験が足りないと感じることもありますし、まだ演じたことのない役も本当に星の数ほどあります。だからこそ、普段から古典を学び続けて、必要なときに引き出せるようにしておくことが大切だと、新作歌舞伎に取り組むたびに強く感じます。
【左近】新作に挑戦すると、自分が今どれだけ古典を理解しているのかが見えてくるんです。いわば自分の“現在地”がわかるというか。すごく勉強になります。もちろん、自分のためだけでなく、何よりお客様に楽しんでいただくことが一番なので、その思いをしっかり形にして届けたいです。
――「エヴァンゲリオン」と歌舞伎の相性はいいのでしょうか?
【左近】(相性がいいと)思ったり、思わなかったり(笑)。
【吉太朗】新作を作るときは、本当に「どこまで原作に寄せるか」という決断が重要なんです。例えば歌舞伎『刀剣乱舞』のときもそうでしたが、一つひとつ細かく考えていました。
今回の『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』は、舞踊や立廻り、雅楽に使われる楽器で演奏される音楽など、アニメとはまったく違う表現になります。だからこそ、左近さんが言っているように、原作に忠実であることを大前提にしつつ、場面によっては“ザ・歌舞伎”の表現を強く出す、といったメリハリを意識しながら、稽古を進めています。
――最後に、お二人の今後の目標について教えてください。
【左近】私事ですが、5月に三代目尾上辰之助を襲名します。その興行を無事に終えることがまず一番の目標です。その年の初めにこうして新作に挑戦できるのは、役者人生にとって大きな経験になると思っています。
【吉太朗】立役も女方もやらせていただいて、役の幅は広がってきています。今回のシンジ君も、新しい引き出しを作れる役だと思っています。新作は本当に自分の腕が試される場ですし、これからも挑戦していきたいです。私は上方の人間なので、関西でも名のある俳優になりたいという思いもあります。少しずつでもステップアップしていきたいです。
■STAGE AREA 『歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン』概要
日程:2月23日(月・祝)午後5時30分〜(予定)
出演:尾上左近・上村吉太朗
作・演出:戸部和久
振付:藤間勘十郎
音楽:山田文彦
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