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2025-11-08 15:28
性暴力被害の実体験をもとに、社会の構造と“沈黙”に真正面から切り込んだ、伊藤詩織監督のドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』の日本公開版が完成し、12月12日よりT・ジョイPRINCE品川(東京)ほかで劇場上映されることが決定した(配給:スターサンズ、東映エージエンシー)。
【動画】伊藤詩織監督作品について問題点を指摘する弁護士らの会見
本作は、伊藤監督が自らカメラを回し、2015年に自身が被った性暴力事件の「その後」を記録した長編ドキュメンタリー。事件の衝撃にとどまらず、その後に続く社会の沈黙や偏見、制度の壁、メディア報道、そして本人に降りかかる数々の圧力とどう向き合ったかを、当事者の視点から淡々と、かつ鮮烈に描いている。2017年の記者会見以降、実に8年にわたる製作を経て完成した。
製作には、『新聞記者』(19年)、『月』(23年)など社会派作品で知られるスターサンズが参加。イギリス・アメリカとの国際共同製作として制作され、24年1月の「第41回サンダンス映画祭」ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門に正式出品。その後、世界各国の映画祭や賞レースで高い評価を獲得し、「第97回アカデミー賞」で日本人監督初の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。
本作は、世界60以上の国・地域で上映されてきたが、今回公開される「日本公開版」は、一部の映像表現について当事者から指摘を受け、該当箇所を修正した新バージョンとなる。伊藤監督は先月、自身の公式サイトにて、無断撮影した映像が含まれていたことを認め、当事者や家族に謝罪したことなどを報告していた。
伊藤監督は、今回の日本での公開日決定に際し次のようにコメントしている。
「本作は、私が被害直後から日本で直面した現実を追い、記録した作品です。逮捕は直前で止められ、証拠や証言は黒塗りでした。それでも集めた真実の『かけら』をつないだのが本作です。どうか私の名をいったん忘れ、身近な人の出来事として観てください。もし同じことがあなたや大切な人に起きたなら、何を信じ、どう動くのか。観終えたあとに交わされる小さな一言が、沈黙をほどき、次の誰かを守り、社会を少しずつ動かす力になると信じています」
伊藤詩織氏、映画『Black Box Diaries』無断で撮影した映像の使用を認め謝罪「判断は誤りだった」
【第97回アカデミー賞】日本の長編&短編ドキュメンタリー、共に受賞は逃す
伊藤詩織監督作、日本人監督として米アカデミー賞史上初の長編ドキュメンタリー部門にノミネート
伊藤詩織が初監督、性暴力被害の調査ドキュメンタリー『Black Box Diaries』サンダンス映画祭コンペ出品決定
伊藤詩織さん会見、手記に込めた思い「遠い誰かの話ではない」
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製作には、『新聞記者』(19年)、『月』(23年)など社会派作品で知られるスターサンズが参加。イギリス・アメリカとの国際共同製作として制作され、24年1月の「第41回サンダンス映画祭」ワールドシネマ・ドキュメンタリー部門に正式出品。その後、世界各国の映画祭や賞レースで高い評価を獲得し、「第97回アカデミー賞」で日本人監督初の長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。
本作は、世界60以上の国・地域で上映されてきたが、今回公開される「日本公開版」は、一部の映像表現について当事者から指摘を受け、該当箇所を修正した新バージョンとなる。伊藤監督は先月、自身の公式サイトにて、無断撮影した映像が含まれていたことを認め、当事者や家族に謝罪したことなどを報告していた。
伊藤監督は、今回の日本での公開日決定に際し次のようにコメントしている。
「本作は、私が被害直後から日本で直面した現実を追い、記録した作品です。逮捕は直前で止められ、証拠や証言は黒塗りでした。それでも集めた真実の『かけら』をつないだのが本作です。どうか私の名をいったん忘れ、身近な人の出来事として観てください。もし同じことがあなたや大切な人に起きたなら、何を信じ、どう動くのか。観終えたあとに交わされる小さな一言が、沈黙をほどき、次の誰かを守り、社会を少しずつ動かす力になると信じています」
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