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伊藤詩織氏、映画『Black Box Diaries』無断で撮影した映像の使用を認め謝罪「判断は誤りだった」

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2025-10-27 05:00
伊藤詩織氏、映画『Black Box Diaries』無断で撮影した映像の使用を認め謝罪「判断は誤りだった」
伊藤詩織氏(2017年撮影) (C)ORICON NewS inc.
 自らの性暴力被害をテーマにしたドキュメンタリー映画『Black Box Diaries』をめぐり、承諾を得ずに撮影・使用された映像が含まれていた件について、監督であり映像ジャーナリストの伊藤詩織氏が25日、自身の公式サイトに謝罪文を掲載した。対象となったタクシー運転手の映像は無断で撮影されたものであることを認め、当事者やその家族に不快な思いを与えたとして謝罪した。

【動画】伊藤詩織監督作品について問題点を指摘する弁護士らの会見

 謝罪文によれば、問題の映像は伊藤氏が「性暴力被害の証拠を探していた」過程で撮影したもので、被写体であるタクシー運転手の「承諾を得ずに撮影した」という。映画への使用にあたっては、「半年以上にわたり電話での連絡を試みたが、連絡が取れなかった」と説明。「国際的に認められる合理的な連絡努力に基づいて使用した」と釈明したものの、「この判断は誤りだった」と非を認め、「心よりお詫び申し上げます」と謝罪の言葉を綴った。

 さらに、協議中にも映像を使用し続けていたことについても「不適切であった」として改めて謝罪した。

 伊藤氏は自身を「監督であると同時に、性暴力の被害当事者でもある」とした上で、タクシー運転手については「被害に遭う直前の極めて重要な場面で、被害者と加害者の両方を目撃された、かけがえのない証人」と表現。司法手続きにも協力を得たいわば“恩人”であり、「深い敬意と心からの感謝を抱いております」と謝意を表した。

 また、謝罪を受け入れた上で新バージョンへの映像使用を許可したことにも感謝を示し、「今後の制作においては、取材対象者や関係者のご意見や状況に丁寧に耳を傾け、誠実に取り組んでまいります。このたびは誠に申し訳ございませんでした」と締めくくった。

 同映画は、伊藤氏にとって初の監督作品。2017年に元テレビ局員の記者からの性暴力被害を訴えた記者会見後から約6年の製作期間を経て、イギリスとアメリカとの国際共同製作として完成に至った。2024年1月「第41回サンダンス映画祭」国際長編ドキュメンタリー部門への正式出品を皮切りに、世界各国の映画祭や劇場で上映されている。「第97回米国アカデミー賞」長編ドキュメンタリー部門にもノミネートされるなど高い評価を受けた一方で、一部映像の承諾を得ていなかったことなどに対して批判の声も上がっていた。

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