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揺らぐ「法の支配」広がる「自国第一主義」ドイツで“極右”が受け入れられる訳とは…ノーマル化した“極右”【サンデーモーニング・風をよむ】

海外
2026-09-27 14:35

国連総会で行われた各国首脳の演説。参加を見送ったのがドイツのメルツ首相です。いまドイツでは、自由や民主主義を否定する主張に違和感を持たない人が増えています。


【写真で見る】高市総理 国連総会に初登壇 「法の支配」の現状語る


揺らぐ「法の支配」 「大国による力」が幅をきかす現状に懸念も

ニューヨークに集まった世界のリーダーたち。各国首脳が発言する一般討論演説が22日から始まり、初登壇した高市総理は...


高市総理
「私たちがこれまで培ってきた『法の支配』に基づく、自由で開かれた秩序が幾多の方向から厳しい挑戦を受けています」


今回、首脳たちから聞かれたのが「法の支配」が揺らぐ現状。フランスのマクロン大統領も...


フランス マクロン大統領
「私たちが問われているのは、ジャングルの掟(弱肉強食)に回帰するのか、それとも文明化された国際社会で生きたいのかだ」


国際的ルールよりも、「大国による力」が幅をきかす現状に懸念を示したのです。一方で、「大国の力」を誇示するアメリカのトランプ大統領は...


アメリカ トランプ大統領
「アメリカは制御不能なICC(国際刑事裁判所)に反対の立場だ。彼らは邪悪な人々だ」


ICC=国際刑事裁判所からの脱退を加盟国に呼びかけ、「法の支配」よりも「自国第一」を重視する姿勢を示しました。


ドイツでは“国内政治”にも影響 「極右」と認定されたAfDが勢力伸ばす

揺らぐ「法の支配」。その危機が、国内政治に及んでいるのがドイツです。


今回、国連総会への出席を見送ったメルツ首相。そのメルツ氏率いる与党、中道右派のCDU=キリスト教民主同盟が、異例の事態に見舞われました。


20日に行われた地方議会選挙。CDUは、一部の州で議席獲得に必要な5%を下回り(得票率4.9%)、1議席も獲得できない結果に。


ドイツ メルツ首相
「これは大惨事です。いま必要なのは、毅然とした態度、不屈の精神、そして忍耐力です」


与党CDUが極端に支持を失う一方、勢力を伸ばしたのが、一部の州支部などが「極右」と認定されているAfDです。ここでいう「極右」とは何か。ドイツ政治に詳しい板橋拓己教授は...


東京大学法学部 板橋拓己 教授
「ドイツの憲法で定義している極右とは、『自由で民主的な基本秩序』の文言が憲法にあるのですけれども、自由・民主主義を破壊するもの、極端な思想とか政党とかに定義している」


実際、AfDは“移民排斥”を掲げるほか、過去には、ベルリンのホロコースト記念碑を「恥の記念碑」と発言するなど、かつての“ナチスドイツ”を肯定する姿勢まで見せているのです。


戦後初「極右の州首相」が誕生する可能性 ドイツ首相が“危機感”

ところが、そうした政党が今回の選挙では一部の州で第1党に。実は2週間前にも、別の州で、4割以上の票を獲得する圧勝をおさめ、第二次大戦後初めて「極右の州首相」が誕生する可能性まで出てきています。


【地方議会選 AfD得票率】
メクレンブルク・フォアポンメルン州:38.2%(1位)
ザクセン・アンハルト州:43.8%(1位)


こうしたAfDの躍進に、メルツ首相は危機感を募らせています。


ドイツ メルツ首相(9日)
「AfDの移民政策が現実のものとなったら、それは肌の色や出身地に基づく『民族浄化』以外の何物でもない」


かたやAfDの躍進をトランプ氏は歓迎。「MAGA」をもじって「ドイツを再び偉大に」を意味する「MGGA」とまで称賛したのです。(トランプ氏のSNSより)


こうしたAfDが人々に受け入れられた要因としては、表面的な「極右」の変化がありました。


AfD支持者「最後の希望を託そうと」 「極右のノーマル化」の危険性を専門家は…

かつて「極右」といえば、30年前のネオナチのような、いかつい姿で暴力的な街頭デモを行う集団。ところが、それから30年余り。いまや選挙活動でも親しみやすい服装で、市民の拒否感情も薄らいでいます。


そうした変化もあって、急速に支持を伸ばすAfD。支持者からは...


AfD支持者
「多くの人々は政府の政策に不満を持っていて、何かを変えてくれるかもしれないAfDに最後の希望を託そうとしている」


背景にあるのは、既存政党に対する不満。AfDはその受け皿となって支持を拡大していますが、その危険性を板橋拓己教授は...


東京大学法学部 板橋拓己 教授
「彼らが言っている過激な言動とかを、知らずに入れている人もやはりいる。AfDの言うことは過激なんですけれども、慣れてきちゃう」


──無自覚であるのか、価値観自体がみんな変わってきているのか?


東京大学法学部 板橋拓己 教授
「言っていいことの境界がどんどん広がってきていて、移民排斥みたいなことを言ってもいい空気がドイツの中で出来てきている。社会が変わっていく、そういった危険性はある」


そして、ヨーロッパについては、“極右”がいる政治が定着し、その主張に人々が違和感を持たない「極右のノーマル化」が起きているといいます。私たちはそれをどう受け止めればいいのでしょうか。


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