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イラン情勢悪化で“空に穴”「いつ自分の身が危険に」帰国困難になっている日本人は… トランプ氏イランへの攻撃の成果を誇示「10点満点で15点」【news23】

海外
2026-03-06 16:14

悪化するイラン情勢。攻撃の応酬は止まりません。イラン革命防衛隊はペルシャ湾でアメリカのタンカーにミサイル攻撃を行ったと発表。中東や周辺の国では、多くの人が足止めとなっていて帰国できない日本人もいます。


【写真で見る】「静かな死だった」と話す 米・ヘグセス国防長官


イラン情勢悪化で“空に穴”

UAE=アラブ首長国連邦のドバイで、アメリカ領事館近くへのドローン攻撃が行われる映像です。

攻撃は、空港のすぐ近くでも…

中東各地では空域が封鎖され、欠航を行う航空会社が相次いでいます。


2月26日の航空機の追跡を行う「フライトレーダー」の映像。


一週間後の3月5日の映像を見てみると、航空機が中東上空を避け、“空にぽっかりと穴”が開いていました。 


空港で足止め…帰国難民は

現在、カタールから出国ができないという日本人女性が撮影した映像には、現地の空港で待機する人や航空会社が用意したホテルにバスで向かう様子が映し出されていました。


カタールで足止めされている日本人女性
「(用意された)ホテルに着いたが、そこで空爆があったようで地下に逃げてと言われた。シェルターは人がパンパン、100人はいたと思う」

イラン情勢の悪化に伴い、3月28日から滞在を余儀なくされている女性。現在は、カタール政府が用意したホテルで待機していると言います。


カタールで足止めされている日本人女性
「いつ自分の身が危なくなるかわからないので、最低限の携帯品は持つようにしている」

日本の海外旅行専門店も対応に追われていました。現在、中東で客10人が出国を待っていると言います。担当者は「新型コロナ以来の緊急事態」だと話しますが、明るい兆しも見えてきているそうです。


エス・ティ・ワールド 統括マネージャー
「代替フライトの確保が徐々に進んでいて、ドバイから日本行きのフライトの目途が立ったことが大きい。あす・あさって飛んでくれれば、現在の戦闘地域からお客様が脱出できるのではと期待している」


羽田空港に到着した日本人は…

こうした中、5日夜、羽田空港には…  


エジプトから帰国
「もともとドバイ経由で帰る予定だったが、ドバイの国際空港が爆破されている様子が流れて(イスタンブールを)経由して帰ってきた」

なんとか、帰国できた日本人の姿がありました。 

トルコから娘の帰国を待っているという女性は…

「昨夜遅く(娘から)泣きながら電話がかかってきて、『トルコが攻撃された、どうしたらいい』って」

娘を待つこと約30分、無事に帰国しました。


トルコから帰国
「安心しました。無事に帰ってきて」
「卒業旅行を楽しんで帰ってこようと思っていたので、まさかこんなことに巻き込まれるとは。戦争が身近なんだと感じた」

外務省は5日、現地の空港が閉鎖され、出国が困難になっている日本人に対して、日本政府としてチャーター機を手配し、希望する日本人を東京まで輸送すると発表しました。

さらに、イランによる民間施設などへの攻撃が起きていることから、中東6か国の危険情報レベルを「渡航中止勧告」にあたるレベル3に引き上げました。


イラン 米タンカーを攻撃と主張

報復の応酬が、やむ気配はありません。イランの国営メディアによりますと、革命防衛隊は5日、ペルシャ湾の北部でアメリカのタンカーを攻撃したと発表しました。タンカーは炎上しているということです。

革命防衛隊は「戦時下においてホルムズ海峡の通航はイランの管理下にある」としています。

前日(4日)には、インド洋のスリランカ沖でアメリカ軍の潜水艦が、公海上を航行していたイランの軍艦を魚雷攻撃で沈没させていました。


アメリカ ヘグセス国防長官
「静かな死だった。敵艦が魚雷で撃沈されたのは、第二次世界大戦以来初めてだ」
   
スリランカのメディアは、乗組員180人のうち少なくとも80人が死亡したと報じています。

このアメリカの攻撃に対しイランのアラグチ外相は5日、自身のSNSで非難しました。


アラグチ外相(SNSより)
「アメリカに警告なしに国際水域で襲撃された」
「私の言うことを心に留めておいてほしい」
「アメリカは自らが作った前例を激しく後悔することになるだろう」

無人機とみられる物体が急降下したのち黒煙が上がりました。イランと国境を接するアゼルバイジャンの外務省は5日、イランからドローン2機による攻撃を受けたと発表しました。


1機が空港のターミナルビルに衝突。建物内には、爆風により剥がれた外壁などが散乱しています。もう1機は、学校建物の近くに墜落したということです。この攻撃で民間人2人がケガをしたと発表しています。

アゼルバイジャン側は「国際法に違反し、地域の緊張を高めるものだ」と反発。イランに対し「速やかに明確な説明と適切な調査を実施し、攻撃が繰り返されないための必要な措置を講じることを要求する」と声明を出しています。

一方、イラン側はこの攻撃について否定しています。イランへの軍事作戦から5日目。トランプ大統領は、連日のように攻撃の成果を強調します。


アメリカ トランプ大統領
「戦況は控えめに言っても極めて順調だ。10点満点中15点くらいだ。順調に進んでいくよ」

また「我々は今、非常に有利な立場にある」とし「イランの指導層は急速に崩壊しつつある」と述べました。ただ、トランプ氏は依然として、いつ、どのように終結させるのか見通しを示しておらず、収束する兆しはみえていません。

紛争で傷つくのは、いつも武器を持たない市民です。


イランの市民  
「一刻も早く終わって。これ以上、人々が殺されないことを願います」 

イランの国営テレビは、これまでに1230人が死亡したと伝えています。

報復の応酬が続く一方で連日、様々な情報が飛び交っています。

ニューヨークタイムズは4日、イラン情報省の工作員が最初の攻撃を受けた翌日に、別の国の機関を通じてアメリカのCIA=中央情報局側に対し、戦闘終結の条件について協議するよう申し出ていたと報じました。

しかし、アメリカの当局は実際にアメリカ、イランの両国が停戦に向かう用意があるか、懐疑的にみているとしています。一方、イランのタスニム通信は情報省の関係者の話として、この報道は「戦時下での真っ赤な嘘で心理戦の一環だ」と否定したと伝えました。


“原油価格上昇” 物価高への影響は?

小川彩佳キャスター:
大変な緊張状態が続いていますが、経済への影響も気がかりです。


藤森祥平キャスター:
まずは「WTI原油先物価格」についてです。1バレルが攻撃前の67ドルから87ドルに上昇した場合について、野村総研エグゼクティブ・エコノミストの木内登英さんの試算が出ています。


23ジャーナリスト 片山薫:
物価高の波は3つに分かれてくると言われています。

実は一つ目の波「ガソリン」には、既に影響が生じているんです。例えば、先々週は1リットル=155円台でしたが、今は158円で来週は160円、そして再来週は170円台までいくのではないかと言われています。木内さんの試算では、さらに原油高が続けば200円台もあるのではということです。

第二の波「電気代」は3か月後にやってくると言われています。月額で800円近く、年間だと1万円程度の負担額になるのではないでしょうか。

そして半年後にはあらゆるものの値段が上がっていき、日用品や食料品にも響く可能性があります。例えば「卵」は1パックあたり10円〜20円上がるのではないかと言われています。


藤森祥平キャスター:
生活必需品についてはどうですか?

23ジャーナリスト 片山薫:
トイレットペーパーも3か月から半年で、12ロールあたり10円〜20円上がるのではないかと言われています。ただ気をつけていただきたいのは、オイルショックの記憶からトイレットペーパーを買い占めてしまう動きがあるかもしれないですが、その必要はありません。そもそも原油は使われていなくて、原材料は木なのでそこは注意していただきたいです。

小川彩佳キャスター:
家計にかなり響いてくる可能性があるということですね。


東京大学 斎藤幸平 准教授:
やっと物価高も落ち着いてきて、春闘もきて、賃金も上がっていくのではないかという時に、トランプ氏が自分の支持率が低いために中間選挙前に支持率上げてやろうとこのようなことを始めて、イランも直接戦闘では勝てないからホルムズ海峡封鎖して長引かせようということで、半年ぐらいかかって影響を与える可能性がありますよね。

日本が巻き込まれて、ぜんぜん国益にもならないし、アメリカ様と言ってついて行ってる場合ではないと。


イラン情勢 賃上げに影響のおそれ

小川彩佳キャスター:
賃金という話もありましたが、過去4年、マイナス賃金が続いてきて、ようやく大企業などから賃上げの流れが出てきていた中で、どう影響していくのかも気がかりですね。


藤森祥平キャスター:
来週が春闘回答日です。既に大企業がこのような満額回答を見せています。

▼味の素 6%増(2万4000円)
▼すかいらーく 5.28%増(2万円あまり)
▼イオンリテール パート時給 8.38%増(100円あまり)


23ジャーナリスト 片山薫:
物価高を超える賃上げも一部は成立していると思いますが、夏のボーナスや冬のボーナスがどうなるかはまだ分かりません。

やはり厳しいのが中小企業だと思います。大企業の賃上げ交渉が終わってから初めて賃上げ交渉しますが、4月・5月とこのまま情勢が悪いと、防衛的になる可能性はあります。本来は6%の賃上げをしなくてはいけないのですが、そこに到達するかが不安視されています。


藤森祥平キャスター:
賃上げムードが一気に下がるということですね。

23ジャーナリスト 片山薫:
先ほどもイラクの領海で石油タンカーが攻撃されたという情報や、トヨタが中東への車の輸出を減らしていくという情報も入ってきています。

小川彩佳キャスター:
既にそのような影響が出てきているんですね。

23ジャーナリスト 片山薫:
そうすると中小企業にとって、ダメージになるかもしれないと見られています。

小川彩佳キャスター:
心理的に抑え込むことが生まれてしまうかもしれないと。

藤森祥平キャスター:
そして今、円安がさらに進んでいて158円台まで見えてきています。物価高対策とはどう絡んでいくのでしょうか。


23ジャーナリスト 片山薫:
本来であれば、いろいろなものの値段が上がるのなら、物価高対策をしてほしいという声は大きくなると思います。ただ、去年行ったばかりで、ちょうどいま減税や一部補助金が出ているタイミングなので、次の手を打つのは結構厳しいのではないかなと思います。

今は財政的にも厳しいので、仮にさらに財政出動をしてもまた円安が進んでしまいます。円安が進むとその分、原油高がかさ増しになります。ある意味、円安の悪いスパイラルに陥ってしまうので、なかなか打ちにくいのではないかという気がします。


藤森祥平キャスター:
3日時点で高市総理は「今直ちに電気ガス代の支援延長を判断するという段階にはない」という考えに留めていますが、いつまでこのような状況でいられるのでしょうか。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
そもそも「責任ある積極財政」と言っていたときには、このようなことが起きると想定していなかったと思うので、少し冷や汗だと思います。

中小企業もそうですし、パートや保育士なども、問題になっている中でも賃金がなかなか上がっていません。また、農家の人たちは供給力を上げて私達の生活に必要なものを届けてくれないといけないですが、なかなか賃金がついてきていない可能性があります。

そういうところにも踏み込んだ改革ができるかどうかが、高市総理の最初の経済政策の成果の試金石になるのではないかなと考えています。


小川彩佳キャスター:
実際に打つ手はあるのでしょうか?

23ジャーナリスト 片山薫:
消費減税などになってくると思います。ただ、やはり財源の問題があるので、なかなか簡単な答えはないのではないかと思います。

藤森祥平キャスター:
全て複雑に、厳しい状況に絡んでいっている印象です。

小川彩佳キャスター:
既にある混沌にイラン情勢が追い打ちをかけているということですね。

藤森祥平キャスター:
今度行われる日米首脳会談で、高市総理がどのような姿勢を示すかですね。

東京大学 斎藤幸平 准教授:
アメリカに少しはガツンと言ってほしいですけどね。


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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授
専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』


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