緊張が続く日中関係について9日夜、入ってきた動きです。中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射をめぐり、中国国営メディアが「中国側は事前に日本側に通報を行っていた」と報じ、音声を公開しました。
【写真を見る】中国国営メディア系のSNSが公開した中国軍と自衛隊のやり取りとされる音声
内閣支持率75.8% “サナ活”は「結構プレッシャー」
最新の世論調査でも75.8%と高い支持率だった高市総理。国会ではこんな質問も...
自民党 島尻安伊子 衆院議員
「若い世代がサナ活という形で、(高市総理を)応援しています。このサナ活について、ご感想があれば」
総理の愛用品を買い求める“サナ活”。バックは現在も問い合わせが殺到していて、いま注文しても手に入るのは来年の9月以降になるといいます。
高市総理
「私が持っているかばんやピンクのペンをたくさん買っている方もいらっしゃると聞いているが、洋服に関してはそんなにたくさん持ってるわけではないので、結構プレッシャーにもなっております」
高市総理は、「若い世代が政治に興味を持ってもらえるのは嬉しい」とも述べました。
高い支持率の高市総理。「台湾有事」に関する答弁について、世論調査では半数以上が「問題はないと思う」と答えています。
一方、高市総理の答弁に反発を強めているのが中国です。
中国「日本は歴史を反省していない」 “外交戦”を展開
ドイツの外相と会談した中国の王毅外相は、日本について…
王毅 外相
「ドイツとは異なり、日本は戦後80年経っても侵略の歴史をまだ十分に反省していない」
王毅外相は、「現職指導者が台湾を利用してもめ事を起こし、中国を武力で威嚇しようとしている」とも批判。各国との会談の機会を利用し、中国の主張を強調する“外交戦”を展開しています。
これに対し日本側も…
自民党 小野寺五典 安保調査会長
「外交戦でまず勝つことが大事だと思います」
自民党は連日、“外交戦”について協議を行っています。
中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射問題では、日本の正当性を主張するため、動画や音声について「公開できるものは公開した方がいい」との意見が出たといいます。
レーダー照射問題をめぐり、中国側は「訓練を行う海域や空域は事前に公表していた」と主張していますが、9日、小泉防衛大臣は…
小泉進次郎 防衛大臣
「遼寧(中国の空母)の艦載機等の訓練海空域に関するノータム、これは航空情報とも言いますが、ノータムや航行警報が事前に通報されていたとは認識しておりません」
対立が深まる中、高市総理は…
高市総理
「我が国としては中国との間で懸案や課題があるからこそ、それらを減らし、理解と協力を増やしていく方針に変わりがございません。日中間の様々な対話を行うことに日本側はオープンでございます」
対話の重要性を強調しますが、事態打開の糸口は見えていません。
国営メディアが音声公開 「事前に日本側に通報」と主張
藤森祥平キャスター:
小泉大臣は「事前の通報はない」としていましたが、この問題について中国国営メディアは「中国側は事前に日本側に通報を行っていた」と報じ、現場のやり取りとされる音声を公開しました。
中国国営メディア系のSNSより
「日本の海上自衛隊116、こちらは中国海軍101。我が編隊は計画通り艦載機飛行訓練を行う」
「中国101、こちらは日本116。貴艦からの連絡を受信した」
中国国営テレビ系のメディアが9日夜に公開した中国軍と自衛隊のやり取りとされる音声です。
中国メディアは具体的な内容として、「6日の午後2時10分に遼寧の空母打撃群は、計画通り艦載機の飛行を実施すると通報し、日本の護衛艦は無線で通報を受けたことを確認した」などと伝えています。
中国側としては音声や詳細なやり取りを公開することで、自らの主張を改めて正当化したい狙いがあるとみられています。
日本側の反応はまだ明らかにされていませんが、この時期にちょうど中国・上海に行かれていましたね。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
先日行っていたのですが、市民のレベルでは特に嫌な思いをすることもなく、緊張感が高いとかそういうのも全然ない。このようにどんどん緊張関係が高まっている状態というのは非常に不安です。
もちろん中国側に問題があるのであれば、日本政府はこうした過剰なレーダーなどには抗議すべきだと思いますが、お互いが挑発を続けているうちに偶発的に取り返しがつかないことが起きてしまうのは避けたいですよね。
根本には高市総理が存立的事態についての不用意な発言を撤回しないことがあるので、私は撤回すべきだと思います。
いくら国内で威勢のいいことを言って支持率が高くても、こうした緊張関係がいつまでも続いていては日本の国益になりません。これほどの大国となった中国を無視して日本の国益は実現できないので、緊張よりも対話をしていくことが必要なのではないかと考えています。
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<プロフィール>
斎藤幸平
東京大学准教授 専門は経済・社会思想
著書「人新世の『資本論』」
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