脳梗塞と診断され、8月から休養に入っていたサンドウィッチマンの伊達みきおさんが、10月31日に仕事復帰しました。
【写真で見る】サンドウィッチマン伊達さんが患った「ラクナ梗塞」とは
伊達さんが発症したのは脳梗塞のなかでも、ラクナ梗塞と呼ばれる病気。いったい、どんな病気なのでしょうか。
サンド伊達さん復帰 脳梗塞は「どこに血栓ができるかで全く異なる症状」
山形純菜キャスター:
「脳梗塞」と一言で言っても、3つの種類があります。
【脳梗塞の種類】
▼ラクナ梗塞
狭くなった脳の細い血管に血栓が付着し詰まる
▼アテローム血栓性脳梗塞
狭くなった脳の比較的太い血管に血栓が付着し詰まる
▼心原性脳塞栓症
心臓でできた血栓が血管内を流れ、脳の中で詰まる
※横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史院長によると
井上貴博キャスター:
血栓がどこにできるかによって、分類が変わるという認識で間違いないでしょうか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
アテローム血栓性脳梗塞は、血管の中の壁がコレステロールでどんどん狭くなっていくタイプで、ラクナ梗塞も発症原因は一緒です。
しかし、脳の中に入り込んでいる特に細い血管が詰まるというのがラクナ梗塞の特徴です。したがって、他の2つに比べると脳梗塞はすごく小さいです。
井上キャスター:
血管の太さには個人差があるのでしょうか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
脳の血管の太さは、体形と大体一緒です。脳の中に入り込んでいる血管は大体1ミリ~1ミリ以下のものまであります。ただ、どこの血管が詰まるかによって症状が全く異なるため、その差がすごく大きいということです。
出水麻衣キャスター:
突然または時間をかけてじわじわと詰まるのでしょうか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
アテローム血栓性脳梗塞のような比較的太い血管にコレステロールが少しずつたまる場合は、じわじわと詰まっていきます。
一方、ラクナ梗塞の場合は検査で見えないような血管のため、当事者にとっては急に詰まるという風になってしまいます。
脳ドックでの予知は困難?脳梗塞患者の約4割占める「ラクナ梗塞」とは
山形キャスター:
脳梗塞の中でも「ラクナ梗塞」とは、脳の中の細い血管が詰まってしまうことで、脳梗塞患者約131万人の3~4割を占めます。(2023年時点 厚生労働省「患者調査」より)
症状として、半身の脱力・しびれ、ろれつが回らないことなどが挙げられます。
高血圧・糖尿病・コレステロール値が高い、酒・たばこが多いなど、生活習慣病が原因で起きやすくなるそうです。
さらに、ラクナ梗塞は「脳ドックで予知することが難しい」という特徴があります。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
脳ドックという検査を受けると、脳を調べるMRI検査と脳の血管を調べるMRA検査を行うことになります。その際、ラクナ梗塞の原因となる血管は脳ドックを受けても写らないため、「脳ドックで異常なし」と言われてても、写っていない血管が詰まりかけている場合があるということを、皆さんにはぜひ知っておいていただきたいです。
脳ドックでA判定を受けていても、ラクナ梗塞は高血圧やコレステロール値の高さ、糖尿などに注意しなければ起こる可能性があります。
井上キャスター:
細い血管が詰まるのか、太い血管が詰まるのかというのは運なのでしょうか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
運です。個人によって症状も全然異なります。したがって、今回の伊達さんの脳梗塞も数ミリずれていただけで症状が全然違っていたと思います。
出水キャスター:
遺伝的要素が起因ということもありますか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
データ的にはっきりしていませんが、家系的に脳の血管の病気が起こりやすいというのはあると思います。
30代・40代も当たり前に… 不規則な生活やストレスを抱えないことが肝心
山形キャスター:
改めて伊達さんの「ラクナ梗塞」の場合はどうだったのでしょうか。
2026年8月に体調不良を訴え検査を行ったところ、ラクナ梗塞(脳梗塞)と診断され、リハビリを経て10月31日に仕事を再開しました。しかし、まだ後遺症も残っているといいます。
伊達さんは「言語は7割5分くらい『い』から『い』に繋がる言葉がまだ言えない」と言っています。
ラクナ梗塞で、「構音障害」は起こりやすいものなのでしょうか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
ラクナ梗塞だから起こりやすいということはありません。ラクナ梗塞が脳のどの部位に起こるかによって左右されます。
今回の伊達さんの場合は、言語に関する領域もしくは口や舌の協調運動が障害を受ける部位にできた可能性もあると思います。
山形キャスター:
森本院長によると、脳梗塞の発症率は50代を超えると増加するそうですが、近年では30代、40代の患者も当たり前になっているといいます。
その背景には、ストレス社会・SNS疲れがあるようです。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
一般的に、血管の老化は食事や運動不足、不規則な生活によって生じます。
脳梗塞の年齢が下がってきていることの理由として、
▼不規則な就労形態
▼高カロリーで高脂血症のものが手軽に食べられるようになったこと
▼ストレスがたまってくると自律神経の中の交感神経が亢進。すると、血管が収縮し血圧も上がり、血流も悪くなる、などが挙げられます。
以上の理由が、脳梗塞に影響を及ぼしているとの見解が、論文で少しずつ言われてきています。
冬にも注意が必要? 寒暖差と乾燥に要注意
山形キャスター:
脳梗塞は夏に多い傾向にありますが、冬も脳梗塞のリスクが高まるそうです。
森本将史院長によると、
▼寒暖差による血圧の変動が大きくなる
▼暖房&乾燥による水分摂取が減ることで脱水が起きる
こういった理由から要注意だと言います。
井上キャスター:
森本院長自身が日々の生活で意識していることや、今日からでもできることを教えてください。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
ストレスの管理と、こまめな水分補給には特に注意してもらいたいです。
▼冬は乾燥しているため、意識して水分をこまめに摂取していただくこと。
▼疲れたという自分の状態を軽視しないでほしいです。
疲れたと感じている時=自分はストレス下にあることを意識して、うまく休憩をすることで交感神経が亢進しないようにしてください。
出水キャスター:
前触れはあるのでしょうか。
横浜新都市 脳神経外科病院 森本将史 院長:
太い血管だと前触れが起こる人もいますが、細い血管は詰まる時は急に詰まるため、前触れはない場合が多いです。また、「脳ドック」の結果と採血データが正常かどうかを同時に意識してほしいです。
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<プロフィール>
森本将史さん
横浜新都市 脳神経外科病院 院長
専門分野は脳血管障害や脳腫瘍など
田中ウルヴェ京さん
五輪メダリスト
スポーツ心理学者(博士)
こころの学びコミュニティ「iMiA」主宰
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