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西日本でクマ出没が急増 エサを失い昆虫まで食べる異常事態「今年ほど最悪な年はない」【THE TIME,】【追っかけTIME】

国内
2026-10-30 06:00

秋が深まるにつれ、全国で相次いでいるクマの出没ニュース。背景には山での深刻なエサ不足があります。
クマの目撃件数が2.5倍ほどに増えている広島県の、三次市にある梨農園に設置されたカメラが、夜の農園に現れた1頭のツキノワグマを捉えていました。しばらく歩き回った後、口に梨をくわえて悠々と歩き去っていきます。このクマはその後駆除されましたが、一晩でおよそ100個もの梨が食べられてしまったといいます。


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農園を営む三上農園の三上早苗さんは、「以前はこんなにクマが出て騒動になるようなことはなかった」「心が折れる」と、辛い胸の内を語ります。


また、10月に入り、愛知県ではミツバチを飼育する箱にクマが近寄る様子が捉えられるなど、出没件数は去年と比べておよそ4.5倍に急増。その他、近畿地方や中国地方などでも、軒並み去年より大幅に増加しています。なぜ今、東北地方などだけではなく西日本でクマの出没が増えているのでしょうか?


なぜ西日本で?覆る“ドングリが主食”の定説

これまで、秋のクマの主食は「ドングリ」と考えられてきました。しかし、兵庫県立大学 自然・環境科学研究所の藤木大介准教授によると、「兵庫県の東部で4年間、300個ぐらいのクマのフンを集め、その内容物を精査した結果、クマの秋の主食はドングリではなくベリー類であることが分かった」と述べ、クマの“食生活が変化していると話します。
驚くことに、ドングリが豊作の年でさえ、クマはドングリを食べずにベリー類を主に食べていたというのです。


藤木准教授によれば、今年は山にあるベリー類が全体的に不作で、クマが食べるエサがなく、人里に降りてきて柿などを食べる姿が度々目撃されている状況だといいます。


「東北のクマの出没はブナで決まっているという話がありますが、私はおそらくブナだけではない、その他の樹種の豊凶も影響していると思います」と、従来の予測方法に疑問を呈しています。


「今年ほど最悪の年はない」山の“エサ場が全滅状態”

実態を調べるため、番組の取材班は目撃件数が2.5倍ほどに増えている広島県へ向かいました。クマの生態を20年以上研究してきた広島フィールドミュージアムの金井塚 務代表と、山に入り調査を進めていくと…。ベリー類に似た実をつける「ミズキ」の木を指さし、「このミズキもあっちのミズキも本当は(クマ)棚が良くできる木なんですよ。今年は全く実ってない」と例年であればたくさんの実をつけているはずの木に、この日は1個の実も見つかりません。


ベリー類が満足に食べられないクマが次に主食にするのが、ドングリの実です。ところが、そのドングリも今年は見当たりません。「ドングリ類が何も落ちてない」「今年ほど最悪の年はない。本当にクマにとってはエサ場が全滅状態です」と金井塚氏は厳しい表情を見せます。


ベリー類も、ドングリもない。山に食料がなくなった“切羽詰まったクマ”は、一体何を食べているのでしょうか。調査を進めると、金井塚氏がある痕跡を発見しました。


「爪で剥ぎ取って、クマが痕跡を残している。昆虫を探している」。クマは木の皮を器用に剥ぎ取り、中にいるアリなどの昆虫を獲って食べていたのです。
昆虫を食べるのは、クマにとって最後の手段。山の食料事情がいかに深刻かを示す、異常事態だというのです。


都市部にクマが定着?専門家が警告する「ドーナツ化現象」

この事態は、私たちの生活にも大きな影響を及ぼす可能性があると注意を促します。金井塚氏は、「奥山でのクマの食料資源っていうのが、クマを養えなくなって、それが里周辺にクマがシフトしてくる。ドーナツ化と呼ばれるような現象として現れている」と指摘します。
「ドーナツ化現象」とは、山で食べ物を得られなくなったクマが、人里に近い“里山”におりてきて定着してしまう現象だといい、今後、この現象がますます加速するといいます。


金井塚氏は「だんだん市街地依存が強くなってくるということは、極端な話で言えば広島市の繁華街とかにクマが歩くってことはそう遠くない将来起こり得るし、東京でもたぶん起こり得る」と予測します。
クマの深刻な餌不足。それは、クマと人間の距離がこれまで以上に近くなる危険性を示唆しています。クマの生態の変化を正確に捉え、新たな対策を講じていく必要がありそうです。


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情報提供元:TBS NEWS DIG Powered by JNN

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