100年を超える「日本将棋連盟」の歴史のなかで、初めて女性のプロ棋士が誕生することになりました。女性のみが所属する「女流棋士」の枠組みから、性別を問わない「棋士」の世界へ挑戦することになります。
【写真で見る】なぜ“女性のプロ棋士”が生まれてこなかったのか
2027春に"女性初のプロ棋士誕生”へ 突破した狭き門とは?
山形純菜キャスター:
女性初のプロ棋士誕生、快挙を成し遂げた西山朋佳女流四冠(31)ですが、ここまでの道のりは非常に険しかったようです。
将棋のプロ棋士になるには3つのルートがあります。
▼養成機関である「奨励会」に入会
・26歳までに四段に昇段できなければ自動的に退会
・原則、半年に2人のみ加入できる
→西山さんも挑戦するも、あと1歩で届かず
▼プロ編入試験
・プロ棋士5人相手に対局、5戦3勝あげなければいけない
→西山さんは2勝3敗で不合格に
▼女流タイトルの最高峰「白玲」で通算5期獲得
・2025年に女性の競技人口拡大などを目的に導入された新たな制度
・通算5期獲得でプロ棋士になる“資格”を得られる
→西山さんは100年余りの歴史で初の女性棋士に
井上貴博キャスター:
女流タイトル「白玲」の資格があって、この道に進みますというニュアンスの会見をされたのはそういうことなんですね。ご自身の判断で進むという決断をされた。
山形キャスター:
「もっと強い方と戦いたい」という思いから決断したそうです。
棋風は“剛腕”? 強さのワケとは…
山形キャスター:
では、西山女流四冠の強さのワケを見ていきます。
師匠の伊藤博文七段によると、子どものころは「序盤から中盤は下手くそだった」そうです。ただ、終盤の巻き返しがすごく、毎回大逆転し、活躍していたということです。
将棋ライターの松本博文さんによると、西山さんはやはり終盤にかけて大胆に攻めていく“剛腕ぶり”が特徴だといいます。
将棋の終盤の強さは、「努力」もありますが、「生まれ持っての才能」もあるとも述べていました。序盤中盤はある程度セオリーを研究すればカバーできるが、終盤はセンスが出てくるということでした。
井上キャスター:
女流棋戦に比べると、持ち時間が全く違うため、圧倒的な体力勝負になった時にどう対峙していけるのかがポイントだと言われていますね。
「プロ棋士」と「女流棋士」兼務 1年間のスケジュールがよりハードに?
山形キャスター:
注目されるのが今後の戦い方です。西山さんは「プロ棋士」と「女流棋士」を兼務する形になるそうです。
将棋ライターの松本博文さんによると、「いまもタイトル戦で地方への移動もあり忙しい。プロ棋士との対局が加われば、相当ハードなスケジュールになるのでは」ということです。
1年間ずっとある「女流棋戦」に加え、「公式戦」の8大タイトルも行うことになると、どのようにスケジュールをこなしていくのかということも注目されていきます。
斎藤幸平 東京大学准教授:
女性の競技人口が少ないことを踏まえ、西山さんには新しいロールモデルとなっていただきたいと思います。
一方で、今までの正規のルールとは異なる形で入っていくことに対して「女子枠じゃないか」といった声もあるため、いい成績を残すことが必須だと思います。
よって、二刀流よりも棋士の方に集中するほうがいいのではないかと個人的に感じました。
井上キャスター:
議論は将棋界でされているとは思いますが、制度をどう構築していくかということが大切だと考えます。
出水麻衣キャスター:
これから多くの棋士が西山さんを目指すとすれば、女性特有のライフステージの変化にどう配慮するかといった議論もどんどん加速していくといいですね。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学准教授
経済思想家
著書『人新世の「資本論」』は50万部超
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