「がんばれ共和国」という、難病や障害がある子どもたちと家族が集う、年に一度のキャンプがあります。このキャンプに、“人の数倍速く年を取る難病”コケイン症候群のきょうだいとその家族が初めて参加しました。「元気なうちに思い出をつくりたい」、がんばれ共和国が叶えたのは家族の思いです。
【写真で見る】「がんばれ共和国」には悩みを打ち明ける「お母さんクラブミーティング」も
「元気なうちに思い出を」50万人に1人の“難病”きょうだいが2泊3日のキャンプへ
「友達をたくさんつくって楽しい時間を過ごしましょう」
2026年8月、福岡県柳川市のホテルで始まった「がんばれ共和国」。障害や難病がある人とその家族が、2泊3日の日程で共同生活を送るキャンプです。
今回、初めて参加したのが北野さん家族です。
3人のきょうだいのうち、長女の志歩さんと長男の哲士さんには「コケイン症候群」という病気があります。
コケイン症候群は遺伝性で、発症は約50万人に1人という非常にまれな病気。発症すると、通常の数倍の早さで老化が進行する指定難病です。
母・千鶴さん
「平均(寿命)が20歳ぐらいと言われている病気。志歩は19歳で、哲士は13歳になったばかり。耳もちょっと聞こえにくくなっていて、目も見えなくなってはいる。元気なうちに色んな思い出をつくりたい」
このキャンプでは、17人の参加者一人ひとりに担当のボランティアがつきます。ボランティアはお風呂の介助もしてくれます。
気球に乗ってみんなで空へ!ネイルやモルック体験で弾ける笑顔
2日目の早朝、みんなが待ちに待ったイベントが始まります。
お父さんたちが準備してくれた気球に乗って、きょうだいみんなで空へ。
次女・夏帆さん
「楽しんでたよね?」
母・千鶴さん
「志歩ちゃんはね。哲士は固まってた」
――楽しかった?
志歩さん
「つかれた」
日中はバランスボール遊びなど、みんなが楽しめるイベントが目白押しです。
北野姉妹はそろって、初めてネイルをしてもらいました。
次女・夏帆さん
「志歩ちゃん、爪かわいいね」
そのころ、哲士さんはボランティアのお兄さんたちと木製のピンを倒していく「モルック」に夢中でした。
母・千鶴さん
「馴染んできましたね。彼のコミュニティができている。親が知らないところでもちゃんと楽しんでるのが嬉しい」
一方、子どもたちが遊んでいる間は、お父さんとお母さんのリラックスタイムです。
ボランティア
「夜寝られてます?」
母・千鶴さん
「眠りは絶対浅いです」
平均寿命20歳の壁…娘の変化に向き合う母親が打ち明けた“葛藤”
「がんばれ共和国」にはもう一つ、「お母さんクラブミーティング」という大切な時間があります。普段は話せない悩みを打ち明ける時間です。
母・千鶴さん
「もう一人障害があるのを最初は受け止められなくて。『どうしよう』『なんで産んじゃったんだろう』と本当に失礼だけど思ったりして」
平均寿命が20歳前後とされる「コケイン症候群」。
千鶴さんは、まもなく20歳の誕生日をむかえる娘・志歩さんとの向き合い方に悩んでいました。
母・千鶴さん
「今から2人の変化を受け止めていかないといけない。この元気な時間って長いわけじゃなくて、大事にする時期に入ってるのかなと」
我が子のこれからをどう決め、どう支えていくのか。アドバイスをくれたのは、指定難病で18歳の息子を亡くした先輩ママです。
筋ジストロフィーの息子(18)を亡くした 高見友子さん
「不自由な体を18年間生きてきて、ものすごく早く成長した気がする。一緒に過ごしてきた全ての時間は何も間違っていない。何を選んだっていい。自信持って選んでください」
母・千鶴さん
「日常ではなかなかそこまで深い話をできる時間がない。安心して話せる仲間や人がいるのはありがたい」
その夜、共和国では夏祭りが開かれました。ヨーヨーすくいに、輪投げやかき氷。みんな大はしゃぎです。
いつもは撮影係のお父さんも、みんなの前でラムネ一気飲み大会に挑戦。
父・博章さん
「あんなに飲めないものとは。ちょっと恥ずかしかった」
母・千鶴さん
「頑張ってました」
父・博章さん
「また楽しい思い出を、何度も何度も子どもたちと家族と一緒に過ごせたらいいなと思う」
母・千鶴さん
「すごくいい思い出ができたし、忘れられない3日間になった。また頑張ろうって思えたなって思います」
無事に迎えた20歳の誕生日 母親「一日一日を大事に、たくさんの思い出を」
上村彩子キャスター:
皆さんの笑顔が素敵でした。
子どもたちにとっては新しい友達ができる場所であり、そして、親御さんにとっても同じような境遇だからこそ分かち合えることがあるなと思いました。
喜入友浩キャスター:
大事な空間になっていますよね。
北野さん一家に近況をお伺いしましたが、9月末、長女の志歩さんが20歳の誕生日を迎えられたそうです。
母親の千鶴さんは、「幸い志歩も哲士も元気で過ごしていて、これからも一日一日を大事に、たくさんの思い出を家族で作っていきたい」とおっしゃっていました。
上村彩子キャスター:
20歳の誕生日、おめでたいですね。
病気や障害があっても家族で安心して出かけられるような場所や機会がもっともっと広がるといいなと思います。
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