簗農林水産大臣が、「自民党を支持しなかった自治体の道路予算をカットした」などと発言した問題で、大臣が取材に応じ、自身の発言について撤回し、謝罪しました。
簗大臣が“予算カット”発言を撤回・謝罪
井上貴博キャスター:
5日午後3時半ごろ、簗大臣が報道陣の取材に応じました。
簗農水大臣(5日午後3時半頃)
「発言について撤回し、お詫びする。私が担当省庁に予算削減の働きかけをした事実はない。職務の遂行に全力を尽くすことで信頼の回復に努めてまいりたい」
今回の経緯をみてみましょう。
▼2026年2月
衆議院議員選挙で比例復活当選
▼5月
栃木県大田原市での自民党支部の会合で、自民党を支援しなかった自治体について「予算をカットした」など発言
▼10月2日
会見にて「誤解を招く発言をしてしまった」とするも、辞任は否定
「首長が“自民党の国会議員はいらない”と」発端となった簗大臣の発言とは
井上キャスター:
この発端となった発言は、どのようなものだったのか。
▼「那須烏山市と那珂川町の令和8年度の道路予算については、大幅にカットしました」
▼「1つは、首長が“自民党の国会議員はいらない”と。2つ目の要件は、票数。多くの市民・町民がそういう判断をしたということ」
▼「自民党の議員に頼って、インフラの予算が必要だというところに多く回すのは当たり前の話ですから」
このような発言が発端となっているわけです。
今までも、国会議員の様々な発言が問題やニュースになってきました。しかし、今回の簗大臣の発言は毛色が違うように思えます。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
わかりやすいですよね。まず「誤解を招くような発言をしてしまった」と言いながら、聞いてみれば、非常にロジカルに「いくら予算をカットした」「理由はこうです」と、誤解のしようがないような発言をされています。“リベンジ予算カット”のような感じで、政治家の正義感が問われると思います。
皮肉にも、二つの嘘のどちらかが本当なんです。
一つ「圧力をかけて予算をカットした」けれども「それはしていない」というのがもし本当であれば、これは嘘です。
逆に、圧力はかけておらず、国交省が決めたとしても、あたかも自分がやったように言ったというのが嘘なのか。どちらかが嘘なので、どちらに転んでも政治家としてはどうなのか。撤回すればいい、ということなのであれば、もう誰も説明責任を果たせないです。
撤回すればいい、という話でもないと私は思います。
行政が歪められた可能性は…問われる「大臣の資質」
井上キャスター:
そういった場合、「大臣の資質」というよりも、そもそも「議員の資質」という話になる気はしますが、岩田政治部長にポイント二つ挙げてもらいました。
TBS政治部 岩田夏弥 部長:
1つ目は、5日、簗大臣は発言の撤回とお詫びを表明しましたが、それで有権者が納得できるかです。
税金というのは当たり前ですが、国民が納め、国の必要なところになるべくフェアに、みんなが納得できる形で使うのが税金です。その税金の使い方について、国会議員が影響力を行使して、「ここは付ける、ここはカットする」と、そういう考え方で税金というものを考えること自体が、それで本当にいいのかという。税金に対する考え方自体も問われると思います。
2つ目は、行政が歪められた可能性は本当にないのか。簗大臣は、「国交省に問い合わせた」ということは話しています。なので、いつの段階で問い合わせをして、どういう問い合わせだったのか。その結果、国交省の判断には変化があったのか。今度は、そのあたり国交省側にも説明の責任が出てきています。
井上キャスター:
「行政が歪められた可能性は本当にないのか」という部分は非常に重いと思います。行政が歪められていたのかどうか。簗大臣は2日の会見で、「国土交通省に問い合わせを行い、結果の報告を受けた。その内容について地元の会合において報告をした」と、国交省への働きかけを否定しています。
TBS政治部 岩田夏弥 部長:
井林国土交通大臣は2日の記者会見で、今回の道路予算というのは「地方公共団体からの要望や事業の進捗状況、重点配分の対象の有無などを総合的に勘案して行っている」と、今回、簗大臣が発言したような形で、道路予算が削減された事実はないという説明をしました。問題は「総合的に勘案して」というところです。
「総合的」というところに、本当に国会議員などの考え方が介入してくる余地が全くないのか、どうなのか。そのあたり実際はどうだったのか、国交省も説明が必要だと思います。実際に減ってるわけですから。
井上キャスター:
国会でもこの議論は必要だと思います。一方で、消費税減税を含めた重要法案がある。
重要法案の審議時間を確保するため、与野党や世論から大臣の進退を問う声も上がっていますが、国会の時間をどのように使っていくべきでしょうか。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
今回の臨時国会では、21の法案を取り上げるということで、数多くあります。ある意味お荷物になるのは自民党にとっても、国家にとっても、国民にとっても良くないので、そこは自分の正義感を一度、自分で正すべきだと思います。
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<プロフィール>
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者
1963年オランダ生まれ
現パナソニック顧問・アース製薬の社外取締役など
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