
高市総理は7月15日、野党党首との党首討論を行い、様々な重要法案などをめぐり論戦を交わしました。
高市総理と国民民主・玉木雄一郎代表との論戦を全文公開します。
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消費税減税の法整備「8月頭なら作業的に間に合う」
国民民主党 玉木雄一郎 代表:
国民民主党代表の玉木雄一郎です。
今日は総理の肝入り政策であります、飲食料品の消費税ゼロについて伺います。
まず、国民の皆さんとも共有したいなと思っているのは、そもそも飲食料品の消費税をゼロにしたときに、どれだけ負担が軽くなるのか。逆に言うと今どれぐらいの負担を国民の皆さんは飲食料品の消費税を払うことによって負担しているのか。年間の1人当たりの負担額について、まず教えてください。
高市総理:
年間でお1人当たりということになりますと、8%まるまるでしたら、4万円超ということになります。
国民民主党 玉木雄一郎 代表:
4万円程度ということなんですけれども、私はこれに賛成です。
今インフレで、様々な出費が増えていますので、年間1人当たり4万円程度の負担軽減策を講じていくことは合理性もあるし、速やかにやるべきだと思っています。
ただ、この間に国民会議で様々な議論を積み重ねてきた中で、2024年4月、つまり今から2年後の給付付き税額控除についてはある程度、各党の合意が得られて、明日にもそういったものが固まるやに聞いてますけども、肝心のそれまでのつなぎの措置である、飲食料品の消費税実質ゼロ、これについては、議長案という形で、レジの問題もあるので1%までまず下げますと。残りの1%分は給付でありますと。この1%減税と1%分の給付を組み合わせるということが議長案として出たんですが、これについては残念ながら国民会議で全く各党の合意が得られていません。
というのも、総理が選挙でもおっしゃったんですが、この間いろいろ事情が変わっています。例えば、当時はやはり飲食料品が高かった、米とかね。ただ、あの時はイラン戦争がなかったんですよ。アメリカ、イスラエルがイランを攻撃して、今もそうですが、エネルギー価格が高騰して、あらゆるものの値段が上がっていると。
そして、総理が就任したときは10年債の金利は1.66だったと思います。いわゆる骨太ショックで2.9をタッチするということになっているので、債券市場をめぐる環境も大きく変わっています。
また、私が2月に代表質問で総理に伺いましたけれども、仮に0%、1%に下げたときには、農業者、特に免税事業者や簡易課税の事業者がかえって数千億円の負担を被ることになるんじゃないかと。仕入れ税額が引けなくなるとか、還付が受けられなくなるとか。こういう問題がある。
あと外食ですね。今10%と8%でも、テイクアウトしようと、みんな生活が厳しいですから、これが10%と1%、10%と0%とかになってしまうと、やっぱりお店で食べるよりは持ち帰ろうということで、外食にも大きな影響がある。
何より、2年後に1%を8%に戻すときに、実質大きな負担増になってしまうと。種々の課題が指摘をされています。
そこで総理に伺います。まだ各党で合意が十分とられていない、このいわゆる議長案と言われる1%に減税することと、1%の給付を組み合わせる案。これは、もう変わらないのか。あるいは、我々国民民主党は今日も法案を出しますけれども、もう来年度から、インフレに合わせて住民税の控除額を引き上げて、住民税を減税すること。そして本当に困っている人はもう今年から、給付を行ってはどうか。こういった、政策も提案しております。
今想定されている財源の中で、5兆円とも言われています。その範囲の中でいいので、より最適な政策、あるいは政策の組合せを模索することが私は引き続き必要ではないかと思っています。
国民にとって国民経済にとって最適な政策を選択する、そのための議長案の見直しの余地は残っているのか。あるいは、さらなる協議の余地は残っているのか。それとももう議長案しかないのか、総理のお考えをお聞かせください。
高市総理:
いわゆる、食料品の消費税率をゼロにしたいと私は申し上げましたけれども、この点について、いま国民会議に議論を委ねております。そして、できたら夏前に議論が終わって必要な法整備に取りかかりたかったのですが、8月の頭ぐらいでしたら十分に作業的に間に合いますので、議長には7月いっぱいかけてでも、しっかりと多くの方が納得する、議論をしてほしいと申し上げています。
だから私自身が結論を先取りすることはいたしません。食料品は確かに、物価上昇率が少し下がってきましたよね。少し下がってきましたけれども、今CPI見まして、プラス「1.5」、食料品の寄与度が「1」ということになると、まだまだ高いということがございます。
私がもともとこの話、これは自民党の公約で決めるときはちゃんと党議決定までしておりますので、私1人の意見ということではないのですが、食料品というのはやっぱり生きていくために絶対必要なものであると。
だから国家の品格として、やはりみんなが困っているときには食料品だけでも、これは税率を引き下げられないかということと、あわせて、できたら今後、将来、急に感染症があったり大災害があったり、どうにもみんなが困ってしまうようなことがあったときに、今の「8%」と「10%」という設定だけじゃなくて、給付は割とお金と時間がかかります。
人的負担も大きいですから、そういったときに、欧州のように消費税率をぱっと下げましたと、こういう柔軟性を持てるようなシステムの構築をする、一つのチャンスでもあると考えました。
いずれにしましても私は、国民会議の結論を今の時点で先取りすることはいたしません。最適な方法、とにかく中・低所得の方々の負担を減らしていく、手取りを増やしていく、こういった方向を御党と共有しておりますので、最適な方法が議論され、提示されることを期待いたしております。
玉木代表「今は消費税を減税すべきじゃない」
国民民主党 玉木雄一郎 代表:
総理から消費税、税制の柔軟性は私も賛同するところであります。
改めて伺います。2029年4月から何があっても1%を8%に戻す。この方向は変わりませんか。
高市総理:
本丸は給付つき税額控除と申し上げてまいりました。その制度設計ができて、しっかりと給付が行われる。その状況が達成できるまでのつなぎと申し上げてまいりましたので、2年間限定という見通しについて、私自身は変わりはございません。
ただ、国民会議での議論中でございますので、ここで断言はできません。
先ほど住民税などについてもご提案を頂きました。方向性は確かに一緒です。中・低所得の方々の負担を、そして税と社会保険料の負担に苦しむ方々に集中的に支援をしたい、手取りを増やしたい、分厚い中間層をつくりたい。この方向性というのは一致していると思っております。
その上で、御党とお約束して合意をした上で、所得税の基礎控除の引き上げを決めました。ですから今年の12月に、年末調整で3万円から6万円減税ということになります。ですから、これとの関係をどう考えるか。
住民税というのは地域社会の会費的な意味合いを持ちますので、そうすると、地方の財政の問題というのが出てきます。これが恒久的なものなのか、年限を切ったものかによりますけれども、こういった論点を詰めなきゃいけないと思います。ご提言については今承りました。
国民民主党 玉木雄一郎 代表:
結構、今重要な答弁で、2029年4月、今から2年先ですね。このときに、景気がすごく悪くなっていても上げなきゃいけないんですよ、今の案はね。
私はもし、多分総理がやりたいことと今やろうとしてることにずれがあって、私は前も提案したことがあるかもしれませんが、本当に消費税を柔軟に、景気対策等で使うんであれば、民間のレジシステムの会社に直せって言うんじゃなくて、例えば、欧州のように、消費税率の範囲を法律で、例えば5%から10%は、財政民主主義の観点、租税民主主義の観点で法律で決めるけれども、その間の税率については政省令で決める。こういう消費税法体系に変えていくってことが、実は政治としてやらなければいけない柔軟性の確保なんだと思います。
私も率直に申し上げて、今は消費税を減税すべきじゃないと思うんです。むしろ2年後に、今、サイクリカル(循環的)な景気でいうと、今より悪くなっている可能性があるので、もし下げるなら2年後のほうが最適である可能性があるんです。
そのための制度をつくっておく、抜本的な改革をする、それまでの間、逆にその間は給付や、あるいは住民税の減税等でつないでいって、今総理がおっしゃったような柔軟な消費税法体系をつくり上げるということをちゃんと議論をして、やるほうが私は意味があると思っているんです。
特に今心配してるのは、給付付き税額控除が2029年4月から始まるのはいいです。ただこの対象がまだ決まってないです。いわゆる「翁カーブ」と言われて国際的にも比較して税や社会保険料の負担が高いとされる日本人は年収540万以下になっています。
ただ、欧米を見ると給付付き税額控除は大体、平均年収の半分ぐらいの人に支援するってことになっているので、240万以下です。2年後の姿を思い出してください。確かに給付付き税額控除が入ります。540万以下あるいは240万以下の人が救われます。でもそれ以上の所得の方は、単に消費税が1%から8%に戻るので、大幅な増税が実は中間層、現役世代に及ぶんですよ。
これはやはり経済に悪影響を及ぼすし、もしこれで日本経済がガタガタしたら世界経済に悪影響を及ぼすと。ベッセント財務長官が日本の債券市場もしっかりしてくれというメッセージを出していることは、総理も御承知のことだと思います。それだけ日本の責任、一国の日本国の総理大臣の責任は重いんです。
だから私は消費税の制度を柔軟にしていくことは、本当に賛同します。ただ、いま総理が議長案としてやろうとしていることと、総理が目指していることにずれがあるというのが、是非、率直に議論させていただきたいと。
そしてそれまでは様々な政策の組合せがありうるので、そこをやっぱり柔軟に、最新の経済状況を見ながら考えていくのがトップリーダーの責任ではないでしょうか。
この意味で、一つ、関係するんで伺いますけれども、骨太ショックってありました。これはいろんな理由で言われていて、いやいや骨太の原案が原因になってはないですよというんですが、明らかに私も債券市場の人と何人も話しましたけれども、日本の日銀あるいは政府が、インフレを的確に抑える能力と意思がないんじゃないのか。だから将来インフレになるので、きちんとしたより高いクーポン(利率)を求めないと、長期国債が成り立たないので金利が上がっているとこういう説明もあるわけです。
伺います。総理として、いわゆる骨太ショック、この原因を内閣総理大臣としてどのように認識していますか。
高市総理「成長のスイッチ押しまくる」「今やらないと間に合わない」
高市総理:
「骨太ショック」という言葉は、とある新聞社が発信して、それで広がりましたけれども、私はまだ閣議決定もしていない政府のただ一つの文書の原案が、ショックの原因だとは思っておりません。
為替市場もそうです。金利もそうですけれども、これは様々な要因によって決まります。今日の値動きを見ていても、アメリカの金利だったり、雇用統計の影響だったり、それによって随分、ブレがありますよね。
それから、やっぱり地政学的なリスクですとか、ショックへの体制とか、いろんなことで判断されるものだと思います。
先ほど2年後、今より悪くなっているとおっしゃいましたが、玉木代表と私が目指しているのは、今こそ経済を強くすると。いや、今成長に向けてエンジンを吹かすときでしょうということだと思うんです。
今とにかく供給力を強くする、人材も強くする、エネルギー、食料、安全保障ですね。こういうリスクに耐性のある、そういう国造りの今絶好のチャンスが来ていると思います。今やらなかったら経済は強くならない。だから強い経済と、そして債務残高、これのGDP比を引き下げていくということを申し上げておりますが、この財政の持続可能性、これを両立する。
そのために、私は成長のスイッチを押して押して押しまくると申し上げました。今がそのチャンス。2年後に悪いようだったら本当に、日本はチャンスを失ったと、私はそう考えます。一緒にやりましょうよ、強い経済づくり。全部、今ならできます。今やらないと間に合わない。そう思っております。
国民民主党 玉木雄一郎 代表:
気合と根性だけでマーケットは動かないんですね。私も大賛成です。「責任ある積極財政」には賛成なので、それができる環境を整えることだと思います。
我々は、「国債NISA」ということで、NISAの対象に国債を加えることなど、国内の安定的な受け入れをしっかりできるような体制、あるいは個人にとっても、ミドルリスク・ミドルリターンの新しい投資対象をつくろうということも提案して、これは責任ある積極財政も資すると思っていますので、ぜひ冷静な、客観的な経済の分析の中で最適な政策選択を行っていただけるように、改めて総理に求めて、私の質問終わりたいと思います。
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