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児童養護施設などを巣立って…「ケアリーバー」となった若者たち “孤独”“不安”を一人で抱えないで!自立への課題と必要な支援とは【news23】

国内
2026-05-19 14:47

シリーズSDGs「地球を笑顔にするWEEK」。家庭の事情から児童養護施設などで育ち、その後、社会的な支援から外れた若者たちを示す「ケアリーバー」という言葉。英語の「保護=ケア」と、「去る人=リーバー」からできた造語です。このケアリーバーの中には、孤独や不安を抱えながら社会に出る若者も少なくありません。「ケアリーバー」の課題や、若者たちを支える“居場所”づくりを行う人を取材しました。


【写真を見る】一時的にケアリーバーが居住可能なアパート


不安や孤独を1人で…「ケアリーバー」の自立

蒼依さん(25・仮名)
「仕事の時のお弁当にも使えるぐらい。作り置きにできるものをいつも作りがち」


蒼依さんは、ことし大学を卒業し、春から首都圏で会社員として働いています。


蒼依さん
「見た目が良い!」
「いつも食べている味」


明るく、社交的、部屋には推しのグッズもずらり…


蒼依さん
「まだ(会社に)入って2か月経ってないぐらいなので、まだまだ先輩に仕事をもらいながら、少しずつ覚えている段階です」


仕事にプライベート、新たな門出に胸を躍らせています。


しかし、蒼依さんには、すぐには埋めることができない大きな傷が…


蒼依さん
「両親の機嫌が悪い時に、ストレスの発散場みたいな感じで、アイスピックで刺されながら(勉強を)やったりとか、カッターは刃を出して(首に)当てられる」


中学生の時に保護されて以降、児童養護施設や里親の元などを転々としていたと言います。


高校卒業後は、奨学金制度などを使い、大学へ進学。


社会的な支援なく自立し生活するケアリーバーとして、週7でのアルバイトで生活費はもちろん、学費もみずから工面し、大学を卒業しました。


そんな蒼依さんが、特につらかったと話すのが…


蒼依さん
「(大学入学当初は)しんどさ、不安、孤独感というのを埋めることができなくて」
「頼れる実家がない、帰りたいと思えないということが、すごく苦しかった」


ーー退所した施設には頼れない?


蒼依さん
「施設には、今の子がいる。里親さんにも今の子がいるかもしれない。余計に迷惑かけられない」


一人での慣れない生活、過去の虐待の記憶に、精神が不安定となり、自らを傷つけることもあったと言います。


蒼依さん
「助けてくれる人、話を聞いてくれる、そういう人たちがいるだけで、不安とか、しんどさが解消されていくと思う」


蒼依さんは、社会人としての生活にも、不安を漏らします。


蒼依さん
「上司とか職場の方は、まだ関係値が1か月なので、どこまで(自分を)開示して良いかわからない。ちょっと心的にしんどくなるというのはある」


「ケアリーバー」に必要な支援 求められる“頼れる存在”

施設を巣立ち、社会的支援から離れた子どもたちは、“ケアリーバー”と呼ばれ、毎年2000人ほどが「18歳での自立を迫られる」と言われています。


「自立」後は、メンタル不調などを理由に、大学等に進学しても4年後には28.4%が中退、就職しても1年3か月後には44.9%が、離職していたという調査結果も出ています。


こうした状況を専門家は…


認定NPO法人・ブリッジフォースマイル 林恵子 理事長
「何かあった時のセーフティーネットが“あるか”“ないか”はすごく大きい。何かあったときにすぐ聞ける、困っていることを相談に乗ってもらえる。そういうのは、ある程度、自分の環境を知って、自分の事を知ってくれている人に安心感を持って伝えられるもの。それがない状態っていうのはやはりすごく不安だと思う」


そんなケアリーバーたちに寄り添う人がいます。


ケアリーバー ブローハン聡さん(35)
「あなた自身も助けられて良い存在なんだと、今日は強く伝えたかった」


現在、「ケアリーバー」の当事者として、講演会や動画配信サイトなどで、自らの経験を発信しています。


ブローハン聡さん
「お母さんが外国人の人なんですけど、生まれたとき(出生が)認知されていない」


物心ついたころから、義父からの虐待を受けていたというブローハンさん。11歳で施設に保護された後も、母親との交流はあったものの、14歳で死別。


高校卒業まで施設で過ごし、退所後、「ケアリーバー」となりました。


ブローハン聡さん
「全部新しい環境の中で、自分でやっていくって、すごく難しい」


そんなブローハンさんには、いま大切にしている活動があります。


“素”でいられる空間を ケアリーバーの居場所

それは「ケアリーバー」専用の居場所づくり。かつて、「自立」したての自分が、もっとも求めていた場所です。


アフターケア事業の一環として、2019年に埼玉県と連携し開設された、この「クローバーハウス」。現在200人の利用者がいると言います。


ここでは、何をするのも自由。テレビを見て、たわいのない会話をし、「ケアリーバー」たちが“素”でいられる空間です。


クローバーハウス利用者(19)
「同じ境遇だからこそ、同じ環境でいる中で、自分と同じ方がいるのは安心できる」


クローバーハウス利用者(26)
「自分が悩んでいることなどを相談したとき、少しアドバイスだったり、共感してくれるとかはよくある」


クローバーハウス利用者(19)
「心にぽっかり空いたものを埋め尽くしてくれる感じ。家族みたいな感じ」


ここでは当事者同士の「交流」以外に、こんな支援も…


ブローハン聡さん
「面談に行ける洋服がないから、仕事にありつけないっていう話があった。全部レンタルで借りられるようにしています」


衣服や食料品の提供、さらに一時的な居住が可能なアパートの貸し出しなど、生活に余裕が無いケアリーバーのサポートも行っています。


ブローハン聡さん
「自分の状態を分かってもらえない時点で、人との繋がりを諦めてしまう可能性がすごく高いと思う。でも、それを理解してくれる人たちが、そこ(居場所)に行けばいるってことが、居場所のあり方なのかなって」


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