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バス事故直前に「死ぬかも」高校生が保護者にメッセージ 部活動のマイクロバス…学校&保護者の本音は?「できることならコスト抑えたい」【news23】

国内
2026-05-13 15:16

部活動の遠征中に高校生が死亡したマイクロバスの事故。男の運転に危険を感じた生徒は、事故の前、保護者に「死ぬかも」と伝えていました。全国の学校で使われるマイクロバス。保護者たちはどう感じているのでしょうか?


【写真で見る】若山容疑者が運転しているとみられるバス 新たな映像を入手


「死ぬかも」事故直前に高校生が保護者にメッセージ

部活動の遠征に向かう高校生1人の命が奪われ、20人が負傷したマイクロバスの事故から6日。


逮捕された運転手・若山哲夫容疑者(68)は、この事故の前に、自分の車などで何度も事故を起こしていたことがわかっています。


若山容疑者の車の修理業者は…


若山容疑者を担当 自動車修理業者
「最近この2か月ぐらいに6~7回、自分の車を(修理に)持ってきては、代車を貸してやれば、その代車もめちゃくちゃにしてくる」


さらに、事故当時バスに乗っていた北越高校・男子ソフトテニス部の生徒のひとりが車内から保護者に向けて、「死ぬかも」という趣旨のメッセージを送っていたことが捜査関係者への取材でわかりました。


一体どんな運転だったのか。若山容疑者が運転しているとみられるバスの新たな映像を入手しました。


マイクロバス“新映像” 事故直前の運転は「大回り」自転車の通行帯にはみ出しも

片側一車線の道路を走るマイクロバス。


早朝、高校に迎えに行く道中だとみられます。


バスは、センターラインをまたいで反対車線に大きくはみ出しているのがわかります。


その後、画面手前に右折してきたバスは大回りし、自転車の通行帯にもはみ出していました。


この2時間後、生徒が恐怖を感じる中、バスは磐越道でガードレールなどに衝突。


17歳の稲垣尋斗さんが亡くなりました。稲垣さんは、反対車線にまで投げ飛ばされていたといいます。


悲惨な事故の背景に、違法な「白バス」行為があったのか。
客を運送して対価を得る「二種免許」を持っていない若山容疑者が報酬を受け取っていれば、違法となる恐れがありますが、双方の言い分は…


蒲原鉄道(6日)
「ドライバーに報酬払う交渉していない」


北越高校(10日)
「蒲原鉄道から運転手に渡されたとみられる手当の封筒があった」


高校によると、バスの中に現金3万3000円が入った「手当」などと書かれた封筒が見つかったというのです。


マイクロバスと若山容疑者を手配したのは、蒲原鉄道の営業担当・金子氏。
12日朝、封筒について聞くと…


――蒲原鉄道がお金を渡したというふうにされてしまうかもしれないが?

蒲原鉄道・営業担当 金子賢二氏
「…」


部活動のマイクロバス 学校での運用は?

部活動の遠征にマイクロバスは欠かせない移動手段のひとつ。
いま学校現場では、どのように運用されているのでしょうか。


長野県にある松商学園高等学校。
甲子園常連の野球部をはじめ、多くの部活動が強豪として知られています。


マイクロバスを4台所有し、学習活動や部活動で使用しているといいます。


こちらの学校で導入しているのは、ドライブレコーダーと連携させた「運行日報」


松商学園高校 松本匡礼主任
「どういった経路で進んでいったか、走行距離・走行時間、最高速度が表示されている。急減速・急加速・ふらつき・居眠り・脇見・携帯電話・あおり運転、そういったものが全て記録されるようになっている」


さらにアルコールチェックができるアプリとも連携していて、日報に記録されるといいます。


松商学園高校 長野雅弘校長
「ハリネズミのように防衛していくことが必要。ありとあらゆる面から子どもを守れるよう努力をしている」


マイクロバスの運転は、「中型免許」を持つ約20人の教員が担当。
教員の人手が足りない時には、保護者にボランティアでお願いすることもあるそうですが、事前に免許証の写しなど提出してもらい、学校側で把握しているということです。


松商学園高校 森政秀教頭
「大会が重なったときは学校でレンタカーを借り上げます。場合によっては、貸切バスを使うクラブもある。ただ、年間の部費の中で時には支払いを行うこともあるので、安全第一ではあるが、できることならコストを抑えたいのは本音」


文科省によりますと、現在、部活動の移動に関する具体的な国の指針はないといいます。
そのため、各教育委員会などを通じて、学校ごとに危機管理マニュアルを作成させているのが実情です。


文科省・国交省の対応は? 専門家「財源を確保できるような仕組みづくりを」

文科省は12日…


松本洋平 文部科学大臣
「安全管理について関係局長などに対して指示を行ってまいりたい」


関係幹部に対し、部活や校外活動を含めた児童生徒の安全管理の徹底を指示すると明らかにしました。


また国交省も今後、部活動などの移動時の安全確保について、効果的な対策を文科省と検討していくとしています。


道路交通法に詳しい弁護士は「規制よりも学校現場の負担の軽減を議論すべきだ」と指摘します。


道路交通法に詳しい 本田聡弁護士
「(部活動の送迎は)要するにグレーな話だと思う。貸切バスじゃなきゃだめだと、保護者を連れて行くこともだめだというのは現実的ではない。子どもが部活動や学校活動で行うものだから、ただのレジャーではない。ある程度財源を確保できるような仕組みを作るのが先ではないか。規制を厳しくするということではなく」


誰が支える?部活動のホンネ 「月に約20万円」「遠征も合宿もなし」街の声は

小川彩佳キャスター:
今回の事故を巡っては、未だ学校側と業者側の主張が食い違ったままです。
安全管理の不備にとどまらず、部活動を支える構造上の問題が浮かび上がってきているようにも感じます。


小説家・真山仁さん:
明らかに費用の問題ですよね。部活の費用が潤沢にあれば、貸切バスを借りてプロの運転手さんにお願いすることができますが、それができない。なので、グレーゾーンがでてくるのだと思います。


こういうときに思うのは、困ったときに「実は困っているんです」と言う文化がないですよね。「どうしましょうか」と相談したときに、OBが支援したり地元の人でルールを作ったりできればいいのですが、学校や顧問の先生が抱えてしまう。ここが問題で結果的に悲惨なことが起きてしまうのではないかと思います。


藤森祥平キャスター:
学校側の視点で言うと、このようなデータがあります。

▼部活動費(公立高校)
・49,499円/年
・4,124円/月
(クラブ活動・運動会などの費用含む)文科省「子供の学習費調査」より

▼交通費・遠征費(ソフトテニス部・1年間)
・30,000円~120,000円
「ニッセンライフ」より

部活動の遠征費についてどう思うか、街の人に聞いてみました。


子どもはサッカークラブ 中1の親
「結構県外遠征が多い。この子が行くお金だけで(年間)20万…30万はいってないかな。経験かな。色んな経験をさせてもらっているなと思う。せっかく入った強いところで一生懸命頑張ってほしい」


こちらの母親は最近、保護者同士では合宿代について話すことが増えたといいます。


子どもはサッカークラブ 小6の親
「月に2回も合宿行くと、どうしようかという話題にはかなり(なる)。どうやって工面するかという悩む声は多い。合宿から帰ってきた時の子どもの成長やチームの力はそれに相当する物があるので、どうにか補填するような感じ」


また、遠征では保護者による車での送迎も少なくありません。


子どもはバレーボール部 高3の親
「親がボランティアで何人か近くの子を一緒に車で連れて行く。他人の子どもを乗せているので、やっぱり事故に遭ったらどうしようというのがあるので、(高速で)3車線あれば一番左の80キロで一番端っこを通るとか」


一方で、遠征はないという部活も…


子どもは卓球部 高2の親
「遠征はないです。合宿も一回もないです。顧問の先生が言うには道具費とか、卓球は定期的なメンテナンスが必要でそれにあててほしいと。部費も集めてない。卓球ボールを買うときだけ集める」


藤森キャスター:
現場それぞれがチームの実情に合わせながら取り組めていたりいなかったり、様々ですね。


真山仁さん:
部活に対する親御さん・顧問の考え方も違えば、おそらく学年でも「この代はOKだけど、この代はダメ」といった判断の違いもあると思います。


そうなると、事故が起きるたびに「規制しましょう」となりがちですが、結果、それで犠牲になるのは子どもたちです。


先ほども言ったように、困ってるということをオープンにして「どうすればいいのか」を考えること自体が、実はすごく良い社会勉強になります。


自分たちがやりたいことに対して「ここは我慢する」「ここは我慢したくないので、お金を集める」等を話し合い、募金するのか、OBの人にお願いするのか、地域の人に頼むのか。あるいは運転が得意な親御さんに自分たちでお願いしにいくのか。


そういうことをみんなで話し合いながら結論を出していくやり方をしないと、結局は規制の網を抜けてまた遠征に行き、また事故が起きるということの繰り返しになってしまう気がします。


自分たちの楽しいことや、スポーツを続けたいのであれば、ある意味では全部自分たちで責任を持って考えるということ。それは、子どもたちの将来にもプラスになるはずですし、そういう考え方ができたら良いと思います。


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<プロフィール>

真山仁さん
小説家
防衛費倍増で揺れる政権を描いた「アラート」
最新作は「ウイルス」


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