国内
2026-01-24 12:00
昨年大みそか『RIZIN師走の超強者祭り』で2年ぶりに対戦した冨澤大智を返り討ちにし、MMAデビュー2戦目で初白星をあげた篠塚辰樹。得意の打撃をベースにMMAストライカーとして進化を遂げた強さを見せ、試合後には「2026年は4試合やります!」と宣言するなど、グランプリが終わって横一線となったRIZINフライ級で一気にトップ戦線へ駆け上がろうとしている。
【インタビュー動画】平本蓮「俺と秋元強真の試合を朝倉未来ファンも見たいでしょ」篠塚辰樹と大みそかの勝因を振り返る【独占対談・前編】
そんな今年の主役候補の一人である篠塚、そして同じジムで練習し冨澤対策にも協力した平本蓮の2人による独占対談が実現。ノンストップで語られた格闘トークを漏らすことなく前後編でお届けする。前編のテーマは、大みそか大会の感想を中心に、平本と因縁のある朝倉未来の今後の試合プラン予想などについて。
■「冨澤は全部殴らせてくれたから、殴りすぎて手首が痛いです」(篠塚)
――まずは篠塚選手、昨年大みそかの冨澤大智戦の勝利、おめでとうございました!試合から2週間ほどが経ちましたが、改めて振り返っていただけますか。
篠塚:普通に(タックルを)切って殴るだけの作戦だったんですけど、予想以上に冨澤が強くなかったんで良かったです。全部殴らせてくれたから、殴りすぎて手首が痛いです。
平本:本当は判定までいくつもりで練習してきたけど、冨澤が耐えられなかったですね。
篠塚:15分間やってボコボコにしようと思ってたんだけど。
平本:判定を狙ってたけど、TKOになっちゃった。
――平本選手も対策練習を一緒にやっていたんですよね?
平本:はい。9月に(弟の平本)丈と冨澤の試合があったのも大きかったんですけど、丈の試合からずっと半年間くらい冨澤のマネして動いてたんで、クセとか全部見えました。
篠塚:構えとかリズムとか冨澤と全く一緒でマネしてくれて、めっちゃ良かったです。
平本:試合が決まったときから作戦が定まってました。とにかく絶対に冨澤は辰樹のジャブに対応できないと思っていて、サウスポーの構えからの辰樹の左の使い方とか距離感はバツグンに良くて、福田龍彌選手と練習した後くらいからさらに良くなって「これには対応できないだろう」って確信ができて。だから、辰樹がいつもの試合勘でMMAを変に意識せずに、普通に受け身にならずに攻撃できるようになればMMAでいけるなって。もともとオープンフィンガーグローブの攻撃は慣れてるからアドバンテージはあるし、RIZINの雰囲気にも慣れてるから、地力の差が出たって感じですね。
――冨澤選手が序盤に仕掛けたタックルを篠塚選手がきれいに切るシーンが何度もありました。完全に練習してきたことが出たんですね。
篠塚:うれしかったですね。切れば切るほど「オェーイ!切った~!」みたいな感覚で(笑)。タックルを切るだけでめっちゃ気持ちが楽になるんですよ。
平本:1発目を切るのが大事です。
篠塚:開始早々に冨澤が突っ込んで来たじゃないですか。あれを切ったときに「この試合はイケる。もう力ないな」って感じて。
平本:あんまり共感してもらえないんですけど、冨澤選手と武田光司ってめっちゃ似てるんですよ。
篠塚:ずっと言ってる(笑)。
平本:辰樹との試合のステップの感じがめっちゃ武田光司に似てて、そこが驚きだったです(笑)。わかってもらいたいんですよね、似てるんですよ。
――もしかしたら冨澤選手が意識したんですかね。
篠塚:ホントに?(笑)
平本:武田選手はタックルうまいから、意識してたんじゃないかな。
――寝技に持ち込まれたことを想定した練習もしましたか?
篠塚:起き上がる練習だけしてました、それしかないだろうと思ってたんですけど、それ以上に何もなかったですね。
――MMAデビュー戦はヒロヤ選手に敗れて篠塚選手のいいところが出せなかったので、いろんな声があったと思いますが、今回の勝利で一気に払拭できましたね。
篠塚:だからうれしかったっす。2024年の大みそか(vs.野田蒼)から勝ってなかったんで、マジでうれしかった。MMAの勝利は超うれしいです。
■福田龍彌との練習でつかんだ“MMAの距離感”「4月の福岡は出たい」
――試合前には同じく大みそか大会に出場した福田龍彌選手とも練習されたんですよね。
篠塚:けっこうデカいですね。福田選手は自分が目指しているスタイルなんで。一緒になった会見後にこのジムで練習して、その後に自分が京都の福田選手のジムに行って練習してもらいました。
――どんな練習をされたんですか?
篠塚:自分は距離感が悪くて、キックの距離だから近かったのを直してもらったり、けっこう面食らいましたね。最初にジムに行ったときにマジでビックリして、ボクシングでめっちゃぶっ飛ばされて、ボクサー以外でそんなぶっ飛ばされたことなかったんで、スゴイなって。
平本:練習が終わったあとにわざわざ俺に電話かけてきましたから。
篠塚:本当にすごかったんで「マジでヤバい、エグいわ」って。
――数回の練習でも変化を感じられたんですね。
平本:やっぱ距離感なんですよ、大事なのは。僕が前にアメリカのルーファスポーツ(※セルジオ・ペティスの所属ジム。平本は2021年に長期間の修行をした)に行って、立ち技からMMAに転向したばかりだったので、スパーリングで打撃上等のヤツとやると全然やりやすいんですよ。近い距離でしっかり勝負をしてくるんで。でも、ビビリだったり変則的な動きをしてくるヤツだと、距離が遠くて打撃を当てられずに組まれてました。
ジムの代表で昨年に亡くなったデューク・ルーファスさんは元K-1選手で、「キックの選手はみんな心が強くて基本は殴り合うって考えだけど、MMAはクレイジーなヤツばっかりだから」って言ってて。「攻撃にカウンターを合わせるっていうのは危ないから、相手をよく見てしっかり一発ずつ効かせるのが大事だ」と。その考えが自分にいいきっかけを与えてくれました。
――距離感の重要性をアメリカで知ることができたんですね。
平本:アメリカ人のスパーリングって、距離がめっちゃ近いんですよ。ボクサーみたいに殴り合い上等な感じなんですけど、アイルランドもみんな近くて、日本の選手ってなんか遠い感じで。辰樹も今の練習メンバーってみんな打撃が上手いから殴り合いに発展しやすいし、キックは被弾覚悟で当てにいったりするけど、MMAでそれをやっちゃうと危ないのでその辺が最初は難しかったですね。福田選手はそういう距離感の調整を丁寧にしているから、辰樹のスタイルといい感じでマッチしたと思います。
――篠塚選手の日頃の積み重ねで作ったスタイルがあるからこそ、別の視点が大きなヒントになった。
平本:僕も朝倉未来戦の前に伝統派空手の二瓶さんの指導を受けて、自分の中のルールにない動きがすごくいいヒントになりました。違う視点や新たな刺激が1個入るだけで「今までなんでこれをやってなかったんだ」って急に思うけど、意外に自分の中に技術の引き出しがあって、違う分野の人と練習した瞬間にその引き出しを思い出すというか。技術の全部を常に覚えているわけではないので。もちろん、逆も然りで練習したけどすごく会わないパターンもありますし、練習でうまくいっても試合になったら違うなってことも。本当はファイトスタイルに合ってるかもしれないけど、その試合ではたまたまダメだったこともあるけど、試合での一期一会をどうやって引き出すか。
――それを試合で発揮できるかどうか、ファイターの難しさですね。篠塚選手は今後も京都の福田選手のジムに練習に行く予定ですか?
篠塚:行きます。山にも一緒に行って狩りもやってきます。福田さんはあんまり東京が好きじゃないんで、こっちに来てもらうより自分が行く感じですね。
――冨澤戦後のインタビューでは「今年4試合やりたい」と話していましたが…。
篠塚:やらないです、やらないです(笑)。テンション上がって言っちゃったけど。ただ、4月の福岡は出たいと思ってます。
■「朝倉未来のクセにシェイドゥラエフがしっかり合わせてた」(平本)
――大みそか大会の他のカードについてもお伺いしたいと思います。メインのラジャブアリ・シェイドゥラエフvs.朝倉未来戦について、お二人は会場でご覧になりましたか?
篠塚:俺は福田選手の試合が終わって帰って、家で見ました。
平本:僕も途中で帰って家で見ました。
――試合の感想を教えてください。
平本:シェイドゥラエフ相手にカウンターでどうにか組み立てるのは難しいんだなって思いました。朝倉未来に最初のタックルに入る前にシェイドゥラエフが何回も揺さぶりをかけてるんですよ。タックルのフェイントというか、パンチを入れてるからこその揺さぶりをかけて、それに対して朝倉未来がしっかり当てるつもりのジャブを突いていくんじゃなくて、入ってきたものに当てるような後手に回ってしまうジャブを2発くらい出すけど、顔から50センチくらい離れて全然当たらない。普通に当てにいけばいいけど、カウンターに合わせて打とうとしてるから、いわば引き気味のジャブなんですよ、先(せん)を取れちゃってるから。しっかり自分から当ててやるっていう気持ちで打たないジャブって、当たらないんです。これはMMAだけじゃなくてキックもボクシングも同じだし、ジャブが一番難しいパンチなんで。それで2回くらい揺さぶられて、シェイドゥラエフの右のパンチに合わせて朝倉未来が右を出したところで、あれはクセですよね、そこにしっかり入ってこられて。
――タックルに入ってからはシェイドゥラエフの一方的な展開でした。
平本:朝倉未来はもっと攻撃的に行っても良かったと思ったんですけど、シェイドゥラエフの前回の試合だったりデータが増えていって、強いイメージもどんどん固まってるじゃないですか。だからけっこうプレッシャーもあって警戒してたと思うけど、シェイドゥラエフには警戒してると勝負にもならないような強さも感じました。ただ、ちょっとだけシェイドゥラエフのクセも見えたんです。クセって言ってもバクチみたいな作戦になってしまうかもしれないけど、一つだけ「これは合わせられる」というのが見えました。
――自分がいずれシェイドゥラエフと戦うことをイメージして見ているんですね。
平本:ここに来るならこのタイミングかなって、今までは不透明ではあったんですけど。ただ、それを合わせられなかったら恐ろしい組みの展開が待ってると思うんで、まだバクチにすぎないんですけど、まぁ何かが少し見えるようになりました。
――レフェリーストップのタイミングも話題となっていますが、適切だと思いましたか?
平本:あれはもっと早く止めたほうがいいです。2回くらいレフェリーが入りかけて、でも謎に止めないところがあって。
篠塚:あそこで止めてよかったよね。
平本:普通は目を開けたまま失神するじゃないですか。でも目を閉じた状態で顔を抑えて止まる試合って、よっぽどの恐怖ですよ。
――篠塚選手のあの試合の感想は?
篠塚:怖いっしょ、あれ。エグかったッスね、怖ぇ~、やりたくねぇって感じです。
■「朝倉未来との再戦はやる価値ない。俺の負ける姿を見たければ秋元くんに託したほうが可能性ある」
――シェイドゥラエフの強さがさらに際立った試合でしたが、朝倉未来選手は次はどこを目指していくと思いますか?
平本:僕は引退したって聞いたんですけど、違うんですか?
――ご本人はSNSやYouTubeで「ファンの喜ぶ試合をやっていきたい」と表明していましたが…。
平本:いや、「もうコイツに勝てないって思う相手にいつか遭遇したら引退する」って発言してたんですよ。それが、試合後にシェイドゥラエフのところで練習しようかみたいなことを言ってたから、もう勝つ気ねぇじゃんって。そもそも、最初から勝つ気なかったですよ、朝倉未来は。今回の大みそかは莫大なファイトマネーのために戦って、それを手に入れたらもういいんですよ、勝つ気がなかったです。久保優太のほうが全然おもしろかったですね。気持ちが弱くて勝ちにいってなかった。今思えば、シェイドゥラエフには武田光司が一番いい試合をしてましたね、パンチも当ててたし。冨澤もその試合を見てきたんじゃないかな(笑)。
篠塚:またその話題に帰ってきた(笑)。
――平本選手と未来選手の再戦を楽しみにしていたファンも多かったと思いますが。
平本:どうですかね、やる価値はないですかね。
篠塚:LMS(LASTMAN STANDING)のベルトをかけてやらないの?
平本:あれはトロフィーみたいなもんだから(笑)、防衛の義務はないんで。もう朝倉未来とやる必要ないでしょ。再戦するよりも、こっから俺が復帰していい試合を重ねて、秋元(強真)くんと試合をするのが一番盛り上がると思いますよ。ファンは朝倉未来との試合より見たいでしょ。正直、朝倉未来ファンも朝倉未来より秋元くんの方が俺に勝てる可能性があるって、絶対に本心では思ってるはずなんで。朝倉未来ファンにとってもいいことだし、それで全部平和に終わります。
――平本選手の負ける姿を見たいっていうのであれば…。
平本:朝倉未来に託すより、秋元強真に託したほうが可能性はあると思いますよ。また朝倉未来が負ける姿を見て傷つくこともないし、秋元くんが俺といい試合をしたほうが「未来さんだったらもう1回やったら勝てるよ!」って気持ちで帰ることができるじゃないですか。まぁ、秋元くんは大みそかの試合(vs.新居すぐる)は余裕で勝つと思ってましたけど、やっぱり強かったですね。
【後編に続く】
★2人の所属ジム「STILL THE GOAT」では、一般会員を募集中。見学や体験希望も随時募集しているので、詳細は公式サイトや各種SNSにて。
https://stg.club/
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■「冨澤は全部殴らせてくれたから、殴りすぎて手首が痛いです」(篠塚)
――まずは篠塚選手、昨年大みそかの冨澤大智戦の勝利、おめでとうございました!試合から2週間ほどが経ちましたが、改めて振り返っていただけますか。
篠塚:普通に(タックルを)切って殴るだけの作戦だったんですけど、予想以上に冨澤が強くなかったんで良かったです。全部殴らせてくれたから、殴りすぎて手首が痛いです。
平本:本当は判定までいくつもりで練習してきたけど、冨澤が耐えられなかったですね。
篠塚:15分間やってボコボコにしようと思ってたんだけど。
平本:判定を狙ってたけど、TKOになっちゃった。
――平本選手も対策練習を一緒にやっていたんですよね?
平本:はい。9月に(弟の平本)丈と冨澤の試合があったのも大きかったんですけど、丈の試合からずっと半年間くらい冨澤のマネして動いてたんで、クセとか全部見えました。
篠塚:構えとかリズムとか冨澤と全く一緒でマネしてくれて、めっちゃ良かったです。
平本:試合が決まったときから作戦が定まってました。とにかく絶対に冨澤は辰樹のジャブに対応できないと思っていて、サウスポーの構えからの辰樹の左の使い方とか距離感はバツグンに良くて、福田龍彌選手と練習した後くらいからさらに良くなって「これには対応できないだろう」って確信ができて。だから、辰樹がいつもの試合勘でMMAを変に意識せずに、普通に受け身にならずに攻撃できるようになればMMAでいけるなって。もともとオープンフィンガーグローブの攻撃は慣れてるからアドバンテージはあるし、RIZINの雰囲気にも慣れてるから、地力の差が出たって感じですね。
――冨澤選手が序盤に仕掛けたタックルを篠塚選手がきれいに切るシーンが何度もありました。完全に練習してきたことが出たんですね。
篠塚:うれしかったですね。切れば切るほど「オェーイ!切った~!」みたいな感覚で(笑)。タックルを切るだけでめっちゃ気持ちが楽になるんですよ。
平本:1発目を切るのが大事です。
篠塚:開始早々に冨澤が突っ込んで来たじゃないですか。あれを切ったときに「この試合はイケる。もう力ないな」って感じて。
平本:あんまり共感してもらえないんですけど、冨澤選手と武田光司ってめっちゃ似てるんですよ。
篠塚:ずっと言ってる(笑)。
平本:辰樹との試合のステップの感じがめっちゃ武田光司に似てて、そこが驚きだったです(笑)。わかってもらいたいんですよね、似てるんですよ。
――もしかしたら冨澤選手が意識したんですかね。
篠塚:ホントに?(笑)
平本:武田選手はタックルうまいから、意識してたんじゃないかな。
――寝技に持ち込まれたことを想定した練習もしましたか?
篠塚:起き上がる練習だけしてました、それしかないだろうと思ってたんですけど、それ以上に何もなかったですね。
――MMAデビュー戦はヒロヤ選手に敗れて篠塚選手のいいところが出せなかったので、いろんな声があったと思いますが、今回の勝利で一気に払拭できましたね。
篠塚:だからうれしかったっす。2024年の大みそか(vs.野田蒼)から勝ってなかったんで、マジでうれしかった。MMAの勝利は超うれしいです。
■福田龍彌との練習でつかんだ“MMAの距離感”「4月の福岡は出たい」
――試合前には同じく大みそか大会に出場した福田龍彌選手とも練習されたんですよね。
篠塚:けっこうデカいですね。福田選手は自分が目指しているスタイルなんで。一緒になった会見後にこのジムで練習して、その後に自分が京都の福田選手のジムに行って練習してもらいました。
――どんな練習をされたんですか?
篠塚:自分は距離感が悪くて、キックの距離だから近かったのを直してもらったり、けっこう面食らいましたね。最初にジムに行ったときにマジでビックリして、ボクシングでめっちゃぶっ飛ばされて、ボクサー以外でそんなぶっ飛ばされたことなかったんで、スゴイなって。
平本:練習が終わったあとにわざわざ俺に電話かけてきましたから。
篠塚:本当にすごかったんで「マジでヤバい、エグいわ」って。
――数回の練習でも変化を感じられたんですね。
平本:やっぱ距離感なんですよ、大事なのは。僕が前にアメリカのルーファスポーツ(※セルジオ・ペティスの所属ジム。平本は2021年に長期間の修行をした)に行って、立ち技からMMAに転向したばかりだったので、スパーリングで打撃上等のヤツとやると全然やりやすいんですよ。近い距離でしっかり勝負をしてくるんで。でも、ビビリだったり変則的な動きをしてくるヤツだと、距離が遠くて打撃を当てられずに組まれてました。
ジムの代表で昨年に亡くなったデューク・ルーファスさんは元K-1選手で、「キックの選手はみんな心が強くて基本は殴り合うって考えだけど、MMAはクレイジーなヤツばっかりだから」って言ってて。「攻撃にカウンターを合わせるっていうのは危ないから、相手をよく見てしっかり一発ずつ効かせるのが大事だ」と。その考えが自分にいいきっかけを与えてくれました。
――距離感の重要性をアメリカで知ることができたんですね。
平本:アメリカ人のスパーリングって、距離がめっちゃ近いんですよ。ボクサーみたいに殴り合い上等な感じなんですけど、アイルランドもみんな近くて、日本の選手ってなんか遠い感じで。辰樹も今の練習メンバーってみんな打撃が上手いから殴り合いに発展しやすいし、キックは被弾覚悟で当てにいったりするけど、MMAでそれをやっちゃうと危ないのでその辺が最初は難しかったですね。福田選手はそういう距離感の調整を丁寧にしているから、辰樹のスタイルといい感じでマッチしたと思います。
――篠塚選手の日頃の積み重ねで作ったスタイルがあるからこそ、別の視点が大きなヒントになった。
平本:僕も朝倉未来戦の前に伝統派空手の二瓶さんの指導を受けて、自分の中のルールにない動きがすごくいいヒントになりました。違う視点や新たな刺激が1個入るだけで「今までなんでこれをやってなかったんだ」って急に思うけど、意外に自分の中に技術の引き出しがあって、違う分野の人と練習した瞬間にその引き出しを思い出すというか。技術の全部を常に覚えているわけではないので。もちろん、逆も然りで練習したけどすごく会わないパターンもありますし、練習でうまくいっても試合になったら違うなってことも。本当はファイトスタイルに合ってるかもしれないけど、その試合ではたまたまダメだったこともあるけど、試合での一期一会をどうやって引き出すか。
――それを試合で発揮できるかどうか、ファイターの難しさですね。篠塚選手は今後も京都の福田選手のジムに練習に行く予定ですか?
篠塚:行きます。山にも一緒に行って狩りもやってきます。福田さんはあんまり東京が好きじゃないんで、こっちに来てもらうより自分が行く感じですね。
――冨澤戦後のインタビューでは「今年4試合やりたい」と話していましたが…。
篠塚:やらないです、やらないです(笑)。テンション上がって言っちゃったけど。ただ、4月の福岡は出たいと思ってます。
■「朝倉未来のクセにシェイドゥラエフがしっかり合わせてた」(平本)
――大みそか大会の他のカードについてもお伺いしたいと思います。メインのラジャブアリ・シェイドゥラエフvs.朝倉未来戦について、お二人は会場でご覧になりましたか?
篠塚:俺は福田選手の試合が終わって帰って、家で見ました。
平本:僕も途中で帰って家で見ました。
――試合の感想を教えてください。
平本:シェイドゥラエフ相手にカウンターでどうにか組み立てるのは難しいんだなって思いました。朝倉未来に最初のタックルに入る前にシェイドゥラエフが何回も揺さぶりをかけてるんですよ。タックルのフェイントというか、パンチを入れてるからこその揺さぶりをかけて、それに対して朝倉未来がしっかり当てるつもりのジャブを突いていくんじゃなくて、入ってきたものに当てるような後手に回ってしまうジャブを2発くらい出すけど、顔から50センチくらい離れて全然当たらない。普通に当てにいけばいいけど、カウンターに合わせて打とうとしてるから、いわば引き気味のジャブなんですよ、先(せん)を取れちゃってるから。しっかり自分から当ててやるっていう気持ちで打たないジャブって、当たらないんです。これはMMAだけじゃなくてキックもボクシングも同じだし、ジャブが一番難しいパンチなんで。それで2回くらい揺さぶられて、シェイドゥラエフの右のパンチに合わせて朝倉未来が右を出したところで、あれはクセですよね、そこにしっかり入ってこられて。
――タックルに入ってからはシェイドゥラエフの一方的な展開でした。
平本:朝倉未来はもっと攻撃的に行っても良かったと思ったんですけど、シェイドゥラエフの前回の試合だったりデータが増えていって、強いイメージもどんどん固まってるじゃないですか。だからけっこうプレッシャーもあって警戒してたと思うけど、シェイドゥラエフには警戒してると勝負にもならないような強さも感じました。ただ、ちょっとだけシェイドゥラエフのクセも見えたんです。クセって言ってもバクチみたいな作戦になってしまうかもしれないけど、一つだけ「これは合わせられる」というのが見えました。
――自分がいずれシェイドゥラエフと戦うことをイメージして見ているんですね。
平本:ここに来るならこのタイミングかなって、今までは不透明ではあったんですけど。ただ、それを合わせられなかったら恐ろしい組みの展開が待ってると思うんで、まだバクチにすぎないんですけど、まぁ何かが少し見えるようになりました。
――レフェリーストップのタイミングも話題となっていますが、適切だと思いましたか?
平本:あれはもっと早く止めたほうがいいです。2回くらいレフェリーが入りかけて、でも謎に止めないところがあって。
篠塚:あそこで止めてよかったよね。
平本:普通は目を開けたまま失神するじゃないですか。でも目を閉じた状態で顔を抑えて止まる試合って、よっぽどの恐怖ですよ。
――篠塚選手のあの試合の感想は?
篠塚:怖いっしょ、あれ。エグかったッスね、怖ぇ~、やりたくねぇって感じです。
■「朝倉未来との再戦はやる価値ない。俺の負ける姿を見たければ秋元くんに託したほうが可能性ある」
――シェイドゥラエフの強さがさらに際立った試合でしたが、朝倉未来選手は次はどこを目指していくと思いますか?
平本:僕は引退したって聞いたんですけど、違うんですか?
――ご本人はSNSやYouTubeで「ファンの喜ぶ試合をやっていきたい」と表明していましたが…。
平本:いや、「もうコイツに勝てないって思う相手にいつか遭遇したら引退する」って発言してたんですよ。それが、試合後にシェイドゥラエフのところで練習しようかみたいなことを言ってたから、もう勝つ気ねぇじゃんって。そもそも、最初から勝つ気なかったですよ、朝倉未来は。今回の大みそかは莫大なファイトマネーのために戦って、それを手に入れたらもういいんですよ、勝つ気がなかったです。久保優太のほうが全然おもしろかったですね。気持ちが弱くて勝ちにいってなかった。今思えば、シェイドゥラエフには武田光司が一番いい試合をしてましたね、パンチも当ててたし。冨澤もその試合を見てきたんじゃないかな(笑)。
篠塚:またその話題に帰ってきた(笑)。
――平本選手と未来選手の再戦を楽しみにしていたファンも多かったと思いますが。
平本:どうですかね、やる価値はないですかね。
篠塚:LMS(LASTMAN STANDING)のベルトをかけてやらないの?
平本:あれはトロフィーみたいなもんだから(笑)、防衛の義務はないんで。もう朝倉未来とやる必要ないでしょ。再戦するよりも、こっから俺が復帰していい試合を重ねて、秋元(強真)くんと試合をするのが一番盛り上がると思いますよ。ファンは朝倉未来との試合より見たいでしょ。正直、朝倉未来ファンも朝倉未来より秋元くんの方が俺に勝てる可能性があるって、絶対に本心では思ってるはずなんで。朝倉未来ファンにとってもいいことだし、それで全部平和に終わります。
――平本選手の負ける姿を見たいっていうのであれば…。
平本:朝倉未来に託すより、秋元強真に託したほうが可能性はあると思いますよ。また朝倉未来が負ける姿を見て傷つくこともないし、秋元くんが俺といい試合をしたほうが「未来さんだったらもう1回やったら勝てるよ!」って気持ちで帰ることができるじゃないですか。まぁ、秋元くんは大みそかの試合(vs.新居すぐる)は余裕で勝つと思ってましたけど、やっぱり強かったですね。
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