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帰省時に話したい「相続」と「お金」 どうやって切り出す?スマホの“デジタル遺産”トラブルを防ぐには【ひるおび】

国内
2025-08-11 15:34

あなたは、親子で相続やお金の話をしたことはありますか?


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街の人はー
「両親が79歳なので、そろそろ考えなきゃいけないなと思いながら全然してないという状態ですね」(40代女性)


「デリケートな話題なので話したことはないです。自分にそういうのが来るって自覚がないのであんまり深く考えたことがない」(50代女性)


「あんまりわかってないですね。次男なんで、長男任せ。20年後とか、だいぶ先の話かななんて思ってるんですけど」(30代男性)


いざというときは突然やってきます。家族が集まる帰省時だからこそ話しておきたい、相続とお金について、税理士の橘 慶太氏に教わります。


今すぐ話しておいた方がいいこと

これまで5000人以上の相続相談にのっている税理士の橘慶太氏によると、「自分は関係ない」「親が元気だから大丈夫」と思っている人こそ要注意!いざ相続が起きると多くの方がトラブルに巻き込まれているといいます。


話しておくべきポイントは、以下の5つです。
◆不動産(家や土地)
固定資産税の納税通知書に一覧があるので、そこで把握する


◆預金
どこの銀行に口座があるか把握する


◆生命保険
どの会社の保険に入っていて、受取人は誰かまで話すのがベスト


◆借金・ローン ※重要
もし借金がある場合、相続が発生してから3か月以内に手続きをしないと借金を引き継ぐことになってしまうので、ある場合は早めに伝えてもらう


◆電子マネー
電子マネーが引き出せないトラブルが増えている


相続した土地、そのままにしていたらペナルティ10万円!?

2024年4月1日から「相続登記の義務化」がスタートしました。相続をした人は、相続を知った日から3年以内に登記しないと、法務局から10万円以下の過料を科されます
これまで名義変更していない人も対象で、過去の分は2027年の3月31日までに登記をしなければいけません。


これまで不動産相続には、親が亡くなって相続した子どもが不動産登記をしなかった場合、孫の世代で所有者が不明になってしまうという問題がありました。
全国の所有者不明率は20.3%(農林地含む)で、土地面積にすると約410万haと、九州よりも広い範囲になっています。
災害時には取り壊しができずに復興の妨げになるなど、問題は深刻化しています。


橘氏は、対象の土地があるかわからない場合は自治体などに相談し、早めの手続きをすることを勧めています。


円満相続税理士法人代表 税理士 橘 慶太氏:
ご両親がお持ちの不動産については、固定資産税の紙があれば把握ができます。
問題は、祖父・祖母、もしくは曾祖父が名義変更しないままずっと来てしまっている土地が非常にたくさんあって、その土地を名義変更するためには末裔の子どもや孫全員で一緒に手続きをしないと名義変更ができないことです。
100人などの単位になることもあって、それをこの27年3月までにやっていかないといけないんです。意外ともう時間がありません。


また、放置しておくと様々なトラブルが発生する恐れがあります。
▼漏電で火事になった場合
▼相続した土地に不法投棄
補償や片付けの費用を請求されることがあります。


土地だけを国に返還「相続土地国庫帰属制度」

それでは、住まない土地などはどうしたらいいのでしょうか?
これまでは「売却」するか、「管理」し続けるかのどちらかでしたが、2023年4月から土地だけを国に返還できる「相続土地国庫帰属制度」がスタートしました。


税理士 橘 慶太氏:
この新しい制度になって、土地だけ国庫に返還することができるようになりました。
固定資産税などを負担したくないから土地だけは相続したくないという方はたくさんいらっしゃるので、そういった方にはすごく向いている制度です。


「相続土地国庫帰属制度」は、申請するのにまず審査手数料1万4000円。審査が通った場合には、管理費用として20万円から100万円程の負担金がかかります。


Q.「相続土地国庫帰属制度」で承認されにくいのは?
A:田んぼ
B:竹林


正解は・・・
Bの竹林です。


「相続土地国庫帰属制度」を申請するためには条件があります。
▼建物が建っていない(更地にするのは自己負担)
▼境界線がはっきりしている
▼土壌汚染がない
▼危険な崖がない


竹はわずか数ヶ月で立派な竹に成長し、地下茎は1年に5mほど伸びます。地下茎まで処理しないと他の土地まで影響があるので、すべてを駆除する必要があるのです。


スマホに眠る“デジタル遺産”トラブル

遺産相続にもデジタル化の波が押し寄せています。
「デジタル遺産」とは、亡くなった方のネット上に残されたお金ですが、相続できないというトラブルが急増しています。


まず、スマートフォンのロック画面のパスワードは、携帯ショップやスマホの会社に問い合わせをしても知ることはできません。
スマホの設定によっては、何度かパスワードを試しているうちにロックがかかってしまって解除に時間がかかってしまうこともあります。
さらに、生体認証は登録者が死亡した場合には、基本的に解除できないことになっています。


スマホがロックされてしまうと起こりうるトラブルです。


〈1〉銀行預金がなくなる
スマホで開設するネット銀行・証券などは、紙の契約書や通帳がないことがほとんどなので、家族がその存在自体に気づけません。10年以上入出金がないと、休眠預金となって国庫に入ります。
特別な手続きをすれば引き出せますが、存在がわからなければ手続きもできません。


〈2〉サブスクや習い事などの支払いが続く
亡くなった方のクレジットカードを解約しても、コンテンツの月額支払いを解約しなければ、未払い状態となります。
さらに銀行口座振替にしている場合でも、残高がある限り引き落としが続くので資産が減っていってしまいます。


〈3〉“内緒の借金”に気づかない
借金も相続の対象になります。家族に知られたくないという理由で、スマホだけで完結していた借金があることも。
子どもが知らずに土地などを相続した場合、数か月後に親の借金の返済義務を負うことになります。


税理士 橘 慶太氏:
全般に言えることなんですけれども、いざ相続が起きると毎日課金されていくものをいち早く止めたくなります。携帯電話そのものを解約してしまう方が結構いらっしゃるんですが、それは最後にしていただきたい。
携帯電話を解約してしまうとスマートフォンを開くときの2段階認証ができなくなってしまう可能性があります。
アプリを発見してタップするんだけど、2段階認証が届かなくて入れないということもあるので、携帯電話の解約は一番最後。その他のサブスクなどは、解約できるものについてはできるだけ早く一つずつ解約していただくことをおすすめします。


恵俊彰:
開けない場合はどうすればいいですか?


税理士 橘 慶太氏:
開けない場合もたくさんあるんですけれども、例えばこの電子マネーについては、その有名どころの会社に一つずつ問い合わせをすれば、「残高ありますよ」と教えてくれます。
サブスクについては、クレジットカードや銀行をストップすれば、一旦継続での課金は止まって、未払いがあれば相続人に手紙が届くので、それで把握することになります。


デジタル遺産トラブルを防ぐには

まずスマホのロック解除の暗証番号や、利用しているサービスのIDやパスワードを紙に書いて残し、家族だけに場所を伝えます。
パスワードそのものではなく、例えば「〇〇記念日」など、家族にしか分からないキーワードなどで残しておくことで情報の流出を防ぐ工夫をしましょう。
エンディングノートなどを活用して、自分の死後、遺族が困らないように準備しておくこと
が重要です。


恵俊彰:
やらなきゃいけないのは親側ですね、これはね。


税理士 橘 慶太氏:
家族でもパスワードを教えたくないという方もたくさんいらっしゃるので、その場合は紙にパスワードを書いた上で修正テープで隠しておいて、自分が死んでしまった後にスクラッチみたいに削って出てくる形で残すのもおすすめです。


「相続」「お金」の話、どう切り出す?

コメンテーター 井上咲楽:
これ、どうやって家族に話せばいいのかなと思いますね。


税理士 橘 慶太氏:
やはり子どもの立場から、親に対して相続の話はなかなかしづらいんですよね。
私のおすすめとしては、いきなり相続の話をするのではなくて、お父様、お母様が介護が必要になってしまったときの話をしましょうというのをきっかけにする。
「最近何か困ったことはない?」とか、「病気になったときのために実家のことなど話しておこう」とか、近況の話題から始めて、徐々に本題に進めていくのがスムーズです。


恵俊彰:
家族が集まるいい機会ですから、皆さんお話をしてください。


(ひるおび 2025年8月6日放送より)
==========
<プロフィール>
税理士 橘 慶太氏
円満相続税理士法人代表
著書『ぶっちゃけ相続』(ダイヤモンド社)


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