住宅街でクマに襲われた人が、死亡するケースが相次いでいます。もしクマに遭遇したらどうすればいいのか。撃退した人に話を聞きました。
現場から2種類の足跡 専門家「珍しい」
井上貴博キャスター:
クマは嗅覚が非常に鋭いといわれていて、専門家によると、数キロ先のにおいを感知できるということです。
【各地でクマ被害相次ぐ】
●北海道・福島町(7月12日)
新聞配達中に襲われ男性死亡
●岩手・北上市(7月4日)
81歳女性が自宅で襲われ死亡
●福島・下郷町(7月14日)
河川敷で鳥の生息調査をしていた30代男性2人が軽傷
●長野・大町市(6月22日)
山林でタケノコ採りの男性1人死亡・1人軽傷
15日には奈良で、住宅の中で82歳女性がクマに襲われたという情報が入ってきました。
北海道・福島町では、北海道立総合研究機構がクマの目撃情報があった6か所を調査しました。クマの毛・唾液を回収することに成功し、DNA検査を行うということです。
現場からは、2種類の足跡が発見されたということですが、専門家によると、これは珍しいことだといいます。
クマの足跡から何がわかったのでしょうか。
調査チームによると、▼一つは、足跡が15cm程度と大きいことから、オスの個体ではないかといいます。
そして、▼もう一つは、子熊ではなく小型の個体で、メスの可能性も視野に調べを進めているということです。
クマの生態に詳しい酪農学園大学の佐藤喜和教授は「別の個体が同時期に住宅街に降りてくるのは珍しい」としています。
クマの数増加で生息分布拡大か?住宅街を避ける習性も
井上キャスター:
なぜ複数のクマが、住宅街におりてきているのでしょうか?
北海道・福島町の事例を時系列で見ていきます。
▼9日 クマを目撃・痕跡
▼10~11日 クマのフンなど複数の痕跡
▼12日 新聞配達中に襲われ男性死亡
▼13日 警察官がクマを目撃
▼14日 ごみ収集所で荒らされた跡
そもそもクマは住宅街を避ける習性があるといわれていますが、佐藤教授によると、クマの数が増加したことで生息分布が拡大し、行動範囲が広くなり住宅街までおりるようになってきたといいます。
そのため、最近のニュースでも、山ではなく住宅街で襲われることが多くなってきているようです。
タレント・俳優 青木さやかさん:
クマの生息場所や遭遇したときの対応の常識が徐々に変わってきているように感じます。
神奈川の山の方に行くと、生活圏内にも「クマに注意」と書かれているところがあって、今までの感覚を見直したほうがいいなと思います。
野イチゴや山菜が少なくなる季節 住宅街ではごみが荒らされることも
井上キャスター:
この季節は、野イチゴや山菜など、山の中でもクマが好んで食べるものが少なくなってくる時期で、人里にくることは考えられますが、住宅街では、ごみが特に荒らされているということです。
残飯などをいれて肥料にするコンポストにひっかいたような痕が見つかったり、物置のドアが破壊され、ごみが荒らされたりしています。
佐藤教授によると「『食料』と認識すると執着してしまう。物置にあっても破壊してでも食べたいという行動にでる」ということです。
実際の犬の鳴き声や銃声も“クマ対策アプリ”
井上キャスター:
元猟師が考案したクマ対策アプリ「BowBear」(無料)があります。
出没MAPでは、ユーザー間で目撃情報を共有することができ、地図上に表示されます。今後は、自治体が独自に集計している情報も載せていきたいということです。
アプリを起動していれば、出没エリアに近くになるとアラートが出るということです
また、音でクマよけができるということです。アプリのボタンを押すと、犬の鳴き声や銃声がします。
作った音ではなく、実際に猟師が犬を連れて、猟銃を構えて撃っているときのものを録音しているとのことです。
アプリを作った人のおじいさんがもともと猟師で、クマの被害を軽減させたいという思いを汲んで、何とか形にしたいということで出来上がったアプリだそうです。
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<プロフィール>
青木さやかさん
タレント・俳優 高校生の娘の母
ギャンブル依存・肺腺がん闘病の経験も
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