今回の参議院議員選挙について、JNNが中盤情勢を分析した結果、自公で参議院の過半数を割り込む可能性があることがわかりました。
【CGで見る】参院選での獲得議席の予測(JNN中盤情勢調査)
自公 過半数割れの可能性 参政党は10を超える議席獲得の可能性
出水麻衣キャスター:
今回の参議院選挙は、125議席を誰に・どの政党に託すのかを皆さんが選ぶ選挙となっています。
現在、与党が過半数を超えるためには50議席が必要となっていますが、JNNが中盤情勢の分析をした結果、自民・公明の与党では過半数を割る可能性も出てきています。
TBS報道局 選挙本部デスク 本杉美樹記者:
公示前の改選議席と獲得議席の予測は、それぞれ以下のようになっています。
▼公示前の改選議席
自民党 52
公明党 14
立憲民主党 22
日本維新の会 5
共産党 7
国民民主党 4
れいわ新選組 2
参政党 1
社民党 1
日本保守党 0
諸派・無所属 8
▼獲得議席の予測
自民党 28~44
公明党 5~11
立憲民主党 24~32
日本維新の会 5~8
共産党 3~6
国民民主党 11~21
れいわ新選組 3~4
参政党 8~18
社民党 0~1
日本保守党 2~3
諸派・無所属 7~9
自民党と公明党はいずれも議席を減らす公算が大きいとみています。自民・公明を合わせた与党の議席は50議席を割り込み、参議院で過半数割れする可能性が1週間前よりも大きくなりました。
一方、野党の立憲民主党は選挙区で堅調です。そして国民民主党と参政党は、野党の中でも特に大きく議席を伸ばす見込みです。
国民民主党は選挙区・比例とも大きく積み増し、目標としている16議席獲得に迫る勢いになっています。参政党は10を超える議席を獲得する可能性があります。
序盤の情勢と比較していきます。
▼序盤
自民党 35~50
公明党 8~13
立憲民主党 20~31
国民民主党 9~18
参政党 7~16
▼中盤
自民党 28~44
公明党 5~11
立憲民主党 24~32
国民民主党 11~21
参政党 8~18
1週間前の情勢と比べると、自民党と公明党はさらに厳しい状況になりました。
一方で立憲民主党、国民民主党、参政党は接戦となっているところで伸びを見せるなどして、議席をさらに積み増す見込みになっています。
井上貴博キャスター:
自民党を見てみると、今は52ある議席が、下振れすると28議席になっていますね。
JX通信社 代表取締役 米重克洋さん:
比例も選挙区もそれぞれ苦戦しているので、過半数を獲得することが厳しくなってきています。
カギ握る「1人区」最新情勢
出水キャスター:
情勢の鍵を握る1人区はどうなっているのでしょうか。
本杉美樹記者:
2022年の選挙での1人区の結果は与党が28、野党系が4で、与党の圧勝で終わりました。
今回の選挙では序盤の予測で与党優勢が9、野党系優勢が12で、接戦は11と、全国的に与党が苦戦しているのが分かります。
中盤の情勢では、与党優勢が8、野党系優勢が15で、接戦は9となっています。1週間前よりも、さらに自民党が追い込まれている状況です。
7月7日時点で自民優勢となっていた滋賀は接戦に持ち込まれました。接戦だった青森、三重、和歌山では野党系が支持を伸ばし、野党系優勢になっています。
出水キャスター:
この変化をどの捉えていますか。
米重克洋さん:
群馬や栃木、岡山などのいわゆる保守王国と言われるような場所、特にJNNの判定で栃木と岡山で接戦になっているということが、今回の自民党の苦戦をかなり象徴していると思います。
その背景には、自民党が取りたかった保守的な無党派層を参政党が食っている部分があったり、野党が、立憲民主党と共産党の候補を統一したりするなどの動きもあり、全体として野党優勢の状況になってきているということが挙げられます。
若い世代 “自民離れ”加速 ソーシャルメディアの普及により変化か
出水キャスター:
全体的には自民党が苦戦しているということですが、それを裏付けるデータもあるようです。
本杉美樹記者:
以下は、それぞれ2022年と今回、参議院選挙の投票1週間前に行った調査結果です。
▼自民党 年代別支持率(2022年7月3日時点)
20代以下 22.8%
30代 26.2%
40代 27.5%
50代 30.4%
60代 33.9%
70歳以上 37.9%
▼自民党 年代別支持率(2025年7月13日時点)
20代以下 9.1%
30代 11.9%
40代 15.9%
50代 20.8%
60代 26.9%
70歳以上 32.9%
20代以下、30代の支持率は半減しています。40代以上も軒並み支持率が下がっています。
特に若年層を中心に自民党離れが顕著ですが、20代以下は今回の選挙、比例ではどこの政党に投票するのでしょうか。
▼20代以下 比例投票先
自民党 7.2%
公明党 5.0%
立憲民主党 2.1%
日本維新の会 2.1%
共産党 1.7%
国民民主党 14.9%
れいわ新選組 2.1%
参政党 10.0%
社民党 0.5%
日本保守党 3.5%
他 2.7%
未定・無回答 48.2%
まだ48.2%が未定・無回答ではありますが、調査結果によると1番多いのは国民民主党14.9%、2番が参政党10%で、自民党は3位に落ち込み7.2%という結果になっています。
全年代での比例投票先は、以下のようになっています。
▼中盤情勢 比例投票先(全世代)
自民党 14%
公明党 4%
立憲民主党 10%
日本維新の会 4%
共産党 3%
国民民主党 7%
れいわ新選組 4%
参政党 8%
社民党 1%
日本保守党 3%
他 2%
未定・無回答 39%
全年代で見ると、1位は自民14%、2位は立憲10%、3位は参政8%、4位は国民7%となっています。
若年層で比例の投票先として支持を集めていた国民民主党と参政党は、若者だけではなく全体でも大きく伸びていて、今回躍進する可能性があるとみています。
一方で、未定・無回答者も4割いるので、残り1週間で情勢が変わる可能性があると考えています。
出水キャスター:
投開票日まで6日余りですが、今後の注目ポイントはどのようなところでしょうか。
米重克洋さん:
報道各社の情勢報道が続いていますが、引き続き参政党や国民民主党がかなり躍進するのではないかといわれています。
そうした中で、無党派層はこれから態度を決め、最後の3日間で急激に態度を決めていく有権者も多くいます。相対的に若い人たちに多いですが、このような人たちがどのような投票行動を決めるかが、変化の上で注目すべき点かなと思います。
井上貴博キャスター:
選挙期間中にこれだけ状況が変わっていくことを、都議選でも感じました。データを分析している中で、分岐点や「このあたりで変わった」などと感じたことはありますか。
米重克洋さん:
2024年以降、ネット選挙の影響がかなり大きくなってきているので、ソーシャルメディアの普及によって、無党派層の態度の決まり方が変わってきてる部分もあるのかなと思います。
触れる情報がソーシャルメディア中心になってくると、ソーシャルメディアの中で話題になった情報を頼りにして投票先を決める有権者の割合が増えていくので、そういう部分が大きな影響を及ぼしてきている可能性もあると思います。
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<プロフィール>
米重克洋
JX通信社 代表取締役
全国の報道機関にニュース速報や世論調査を提供
選挙分析も手がける
本杉美樹
TBS報道局 選挙本部デスク
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