夏休みに向けてホテルの宿泊需要が高まっていますが、お客さんに心地よく使ってもらうための「備品」の持ち去り被害が各地で相次いでいます。
ホテルの「テレビ」や「空気清浄機」まで持ち去り被害に…
山内あゆキャスター:
今、ホテルの備品の持ち去りが問題になっています。当然、ホテルの備品の持ち去りは「窃盗」になります。
年間ホテルに300泊以上宿泊するという、ホテル評論家の瀧澤信秋氏によると、持ち去りの対象になっているものは…
▼高級ドライヤー
▼シャワーヘッド
▼ポット
▼液晶テレビ
▼空気清浄機
▼コーヒーマシン
▼リモコンの電池
こうした持ち去りをどのように対策するのかということで、こんな工夫をしている旅館がありました。
箱根のとある旅館ではこれまで、浴衣やレストランの箸などが持ち去られていました。担当者によると、「箸も高級なものではなく一般的な箸だが、かんざしにして持ち帰ってしまう客もいた」ということでした。
ただ、「持ち去る」ということは、「欲しい人がいる」ということでビジネスチャンスと考えました。グレードアップした浴衣や箸を売店で販売したところ、「浴衣の売り上げは好調なので、効果はあったのでは」と担当者は話していました。
日比麻音子キャスター:
ホテルや宿泊施設でも、「暮らすように宿泊してほしい」という思いから、例えば、ホテルの名前をあえてつけないなどの“おもてなしの心”が逆手に取られてしまうというのは大変残念なことですし、対策も難しいところですね。
南波雅俊キャスター:
テレビまで持ち帰るという、少し信じられないことが起きているんですね。
山内キャスター:
もちろん、持ち帰っていいものもありますが、この線引きは一体どこにあるのか。
弁護士の牧野和夫氏によると、持ち帰っていい物は「宿泊数に必要な消耗品」で、例えば、小分けになっているものなどは持って帰っても大丈夫です。
一方で、備え付けになっているシャンプーボトルなどの備品は持ち帰ってはいけません。
また、タオルも原則持ち帰ってはいけませんが、旅館などの名前が書いてある手ぬぐいは持ち帰っても大丈夫な場合もあります。
「ご自由にどうぞ」と書いてあるアメニティコーナーで大量に持ち帰ってしまうのは、「窃盗罪」にあたる可能性もあるので、「宿泊に必要な分だけ」という常識の範囲内で持ち帰りましょう。
「持ち去り」ではなく「置き去り」も問題に
山内キャスター:
逆に、持ち去りではなく物を置いていく「置き去り」も問題になっています。「置き去り」で代表的なのが、「スーツケース」です。
ホテル評論家の瀧澤さんによると、「アクセサリーなど、忘れ物なのか置き去りなのかわからず、ホテルを悩ませている物もある」ということです。
ただ、置き去りされてしまったスーツケースを再利用しているホテルがあります。
東京・千代田区にある「庭のホテル 東京」では、置き去られたスーツケースをプランター代わりにして野菜の栽培を行っているそうです。そして、この野菜はホテルのレストランで食べることができるということです。
南波キャスター:
必ずしも全部がそうではないという前提のもとですが、海外からの観光客も増えている中で、例えば、「浴衣の帯は持ち帰っていいもの」だと思って持ち帰ってしまう人もいるかもしれません。アナウンスすることも大事ですし、私たちも含めて、本当に常識の範囲内でちゃんと行動していくのは重要かなと思います。
日比キャスター:
「あれ?」と疑問に思ったら、利用者同士で声をかけるのもいいかもしれないですね。
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