茨城県の潮来市で、自治体指定のごみ袋が4月から約3倍の価格になります。これを受け、駆け込み需要で売り切れが相次ぐ事態となっています。
市が指定するごみ袋が3倍に値上げ 急な価格上昇のワケ
井上貴博キャスター:
茨城県潮来市は4月1日から市が指定するごみ袋を値上げします。(燃やせるごみ専用袋の価格は据え置き)
【資源物専用袋】1組10枚入り
▼プラスチック・ビニール類
63円→170円(約2.7倍)
▼缶・ビン・ペットボトル
84円→270円(約3.2倍)
ホラン千秋キャスター:
結構大幅な値上げですね。
井上キャスター:
なぜごみ袋を値上げするのかですが、潮来市はリサイクル意識を定着させるため、資源物専用袋は20年以上価格を据え置きしてきました。
潮来市環境課の安藤正幸課長は「根付くのに時間がかかると思い、今までは市で努力していた」と話しています。しかし、原材料・人件費などの製造コストが年々増加し、市が差額を負担しきれず値上げしたということなんです。
もう一つ、潮来市が考えていることとして今の現状で言うと、資源ごみの袋の方が安くなりすぎているということから、可燃ごみも資源ごみの方に入れて出してしまうということが起きてしまっていたため、可燃ごみの袋と資源ごみの袋の値段をある程度同じにした方がこういったことが起きないのではないか、ということも含めての値上げなんだそうです。
ホランキャスター:
容量は変わらないわけですよね?
井上キャスター:
基本的には変わらないです。
ホランキャスター:
これだけ値上がりするとなると、駆け込みで買っておこうという市民の気持ちもわかりますよね。
オンライン直売所「食べチョク」代表 秋元里奈さん:
分別してリサイクル率を上げていくために各市町村は頑張っていると思いますが、自治体でできることにはどうしても限界があるので、1人1人の意識を変えていかなければいけないというところで考えると、ごみが混ざってしまうというようなことが起きてしまっているのなら、価格もある程度一定にしていくというような努力も必要なのかなと聞いていて感じます。
ごみを“減らしたくなる”取り組み 全国6割超で有料化進む
井上キャスター:
全国の自治体では家庭ごみの有料化が進んでいて、約66.7%もの自治体でごみ袋の有料化などが進んでいるということなんです。(環境省HPより ※粗大ごみ除く)
福岡県柳川市では、2021年から可燃物の指定ごみ袋が20円から40円に値上げされました。(大サイズ 30Lの場合)その一方で、資源物専用の袋は20円から10円に値下げしました。(大サイズ 50Lの場合)
そして、ごみ袋の名称を「燃やすしかないごみ」に変更しました。市民に「それは本当に燃やすごみなのか」を考えてもらうというような工夫なんだそうです。
その結果、可燃ごみの収集量は1世帯あたり(年間)33袋減量することに成功したそうです。資源物収集量は約2倍に増加したということでした。
ホランキャスター:
しっかり分別してもらえるのであればいいことですもんね。
井上キャスター:
そして、大阪府箕面市では、世帯人数に応じて燃えるごみ専用袋を無料配布しているそうです。例えば、1人世帯(年間)だと1600L分、3人世帯(年間)だと3600L分が無料で貰えます。
使い切ってしまった場合、追加分は各家庭で購入する必要があります。40L(10枚)836円なので、かなりお高めとなっています。
これにより、ごみを一定量に収め、意識を高めてもらうことで減量効果を狙い導入したということなんです。
【可燃ごみの収集量】(1日1世帯あたり)
2002年度(導入前):約1432g
2023年度:約886g
導入前と比べて約40%減少したということなので、値段を上げるだけではなく、様々な方法でごみ全体を減らしていこうという取り組みなわけです。
ホランキャスター:
確かにこのような方法だと、「小さく畳んで捨てようかな」とか「これはリサイクルにすれば減らせるな」とか、工夫して収めようという気持ちになりますし、それが「ごみを減らしたい」という気持ちに関係なく、自然と資源を大切にしながら生活できるようなマインドになったらいいですもんね。
秋元里奈さん:
食べ物でも食品ロスの問題というのは結構大きくて、飲食店で捨てられている食料もそうですし、家庭の中でも、まだ食べれるのに捨ててしまっているというようなこともあったりするので、こういう小さいところからでも少しずつ意識が変わっていくといいかなというのをすごい感じます。
東京23区 有料化の検討は?
井上キャスター:
自治体としてもごみの焼却施設が足りないので、広域で連携していくということももちろん進められているんですが、自治体で差が出てきています。
今のところ、東京23区は家庭ごみは無料です。(※一部有料のケースもあり)
有料化の検討をしているのか各担当者に伺ったところ、葛飾区は「ごみを減らすには有効な手段。やらないといけないと思うが、区民への丁寧な説明が必要。今すぐの有料化は考えていない」ということでした。
また、世田谷区は「有料化は検討していない。あくまで目的はごみを減らすこと。それ以外の方法も検討したい」ということでした。
23区全てが横並びである必要はないので、近い将来、有料化になる区も出てくるかもしれません。
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<プロフィール>
秋元里奈さん
オンライン直売所「食べチョク」代表 34歳
神奈川の農家に生まれる
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