迫る「石破・トランプ会談」に「『防衛費』はおもちゃを買うわけではない」と語るなど意気込みを見せ、締め切り近づく野党との「予算案修正協議」も「やっぱり最後は党首同士もあるさ」と自ら乗り出す構えを見せます。話は「石丸新党」「総理公邸のお化け」「40キロの大相撲・総理大臣杯の秘話」まで広がります。縦横無尽に語る石破総理の「貴重映像」を是非ご覧ください。(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)
重さ40キロの「総理大臣杯」担ぎ… 大相撲・初場所で国技館に“どよめき”
ーー大相撲・初場所の表彰式では重さ40キロの総理大臣杯を担いで渡しました。会場からどよめきも上がったということですが…腰は大丈夫でしたか。
石破茂 総理大臣:
重かったね。もう4、5日、肩と腕がめちゃくちゃ痛かったですね。慣れないことはするもんじゃないですね。こけたりしたらやっぱり悪いからね。祝い事ですから事前に練習したんです。控え室で「こうやって持つんです」みたいなことで。「支える人もいますから、とにかく頑張って抱きかかえるようにして持って渡して」と。腰は大丈夫でしたけどね。やっぱりもうちょっと軽くしてもらう方がいいんじゃないの?っていうのだけど…歴史と伝統のあるこのカップですから、そういうわけにもならんのでしょうな。
迫る日米首脳会談 “トランプ氏は「日本は他の国とは違う」とわかっている”
ーーアメリカではトランプ新大統領が就任しました。まもなく石破総理も直接会うということですが、トランプ氏といえば「関税」。会ったときにいわゆる関税を迫られる心配は。
石破総理:
バンバン大統領令を出して「世界で一番美しい言葉は関税だ」と…なかなか珍しいことを言われる方だなと思ったりもするんだけども。でも日本に対しての言及はほとんどないですよね。カナダ、メキシコあるいはEU、中国。実際にこの10年間アメリカに一番投資をしたのは日本ですよね。そして、ものすごく雇用も作り出してるわけですよ。自動車を中心としてね。それは他の国とは日本は違うんだと。やっぱりそこはビジネスマン出身であるだけによくわかっているんだと思いますね。「アメリカを世界一の製造業の国として復活させる」って言ってるわけですからね。
これから先日本はどうするのか。投資もします、雇用も作りますと。しかし、じゃあ「日本として何を得るんだ」、そして「日本とアメリカとして、これから先の世界をともに協力しながらどうやっていくんだ」というね。関税は勘弁してくださいとかそういう話ではなくて、ともに世界をどうしていくのかという前向きな話をしていきたいですね。
ーー自動車については、関税をかけられる前に「向こうの工場で作る」提案をしていくと。
石破総理:
まあ今までもやってきましたからね。これから先もそうであるわけで。それはもう「メイドインUSAの車」なわけですよ。材料なんかもアメリカで調達する割合が非常に多いわけですよね。自動車ってのは裾野が広い産業だから、アメリカの雇用を作り出すことにもなるし。それは日本車っていうよりもアメリカの車として多くのアメリカ人が認識してますし、これはトランプ大統領もそうなんだと思いますよ。
防衛費負担・兵器購入は「日本の判断、アメリカに決めてもらう話ではない」
ーー2017年の安倍総理とトランプ氏の会談では、共同会見で「私が大事だと思うのは安倍総理がアメリカから大量の兵器を購入することだ」なんて言われ、今の日本の「GDP2%」に繋がったともみられてるわけですけど…。今回も終わった後に防衛費の負担が増えるなんてことは。
石破総理:
それは日本が判断することであって、アメリカに決めてもらう話ではありませんよね。必要であればGDPの2%でも足りないってことはあるでしょう。そうでなければ2%で十分だってこともあるでしょう。何にしても、かつてはF35という高額な戦闘機を100機買いましたということであるわけだが、おもちゃを買うわけじゃないんで。日本の周りの安全保障の環境に照らして、防衛装備品だとすれば、一体今、日本が必要としているものは何だと。そしてアメリカの兵器を買った場合に、陸海空、どのようなメリットがあるかってことをきちんと吟味しておかないとね。単に買いさえすればそれでいいってもんじゃないし、それによって日米同盟がより強くなるということがきちんと確認でき、日本の納税者が納得するということでなければ、それはいかんのじゃないですか。
習近平氏との日中首脳会談 “信頼関係高めるため、最も良い時期に訪中”
ーー日中首脳会談について。習近平主席から親書も届いたということですが、いつ頃に。
石破総理:
岩屋外務大臣や森山幹事長、公明党の西田幹事長も(中国に)行かれましたよね。これは重層的にいろんな人が行くわけであってね。アメリカ、中国、そして私も年が明けて、マレーシア、インドネシアに行きましたよね。そういういろんなところとの外交を組み合わせていきながら、日米韓のような話し合いもあるわけで…いつがいいのかなと。
李強首相が来るとすれば、それと呼応する形でいつがいいのか。それは総合的な判断ですがね。やはりAPECで習近平さんと話をする機会もありましたが、防衛大臣のときなんかもそうだったんだけども、会う回数は多ければ多いほどいいですよ。それによって信頼関係も高まるわけだし、妙な誤解みたいなものはなくなっていくんだよね。我々として中国に対して、例えば拘束されてる邦人どうするんだと。あるいは水産物、お米、牛肉、いろんな課題があるわけじゃないですか。日本人殺傷事件なんかもありましたよね。課題は課題としてきちんと解決をしていきながら、信頼関係を高めるために最も良い時期に訪中もする。でもこっちが行くばかりではない。向こうからも来てもらうわけで、そこはもうきちんとかみ合った形で進めていきたいと思いますね。
「103万の壁」修正要求 与党案「123万」も“びた一文動かないものではない”
ーーいわゆる「103万円の壁」について。今、与党は123万円に上げるとしていますが、国民民主党は修正要求でもっと上げろと。
石破総理:
去年の年末の自民・公明・維新の幹事長の間で「178万円を目指して」って文章をきちんと入れてるわけですよね。今、123万円って物価上昇分を勘案して出してるわけだけども…同時に178万円を目指してってことですから。123万円からびた一文たりとも動かないぞというような頑なな姿勢をとるものでは当然ないということですが。いくらにするの、その財源どこなの、地方税収どうなるの、と。それとともに、それをやることによってどれぐらいの働き控えをしてきた人たちが労働市場に出てくるか、どういうふうな経済状況になっていくのかってことも精緻に分析していきながら決めることであって。「はい、いくら」みたいな雑駁な決め方をするわけではございません。
地域課題に政策で信を問うのが都議選だ 「石丸新党」は“話題性だけでは…”
ーー6月には都議選があります。「政治とカネ」もありますが、伺っておきたいのは“石丸新党”「再生の道」。統一した政策はなく、国政政党所属でもいい。ただし2期8年までがルールだとSNSでも話題です。
石破総理:
さあ、どうだろうね。なんせ都議選ですからね。東京都がこれからどうなっていくのか、それぞれの選挙区はどうなのかってことをやはり有権者はよく見てるんだろうと思いますね。都知事選みたいな東京都全体の選挙じゃなくて、島しょ部なら島しょ部、港区なら港区それぞれの課題があるわけですよね。それぞれに対して、「石丸新党」なら「石丸新党」、都民ファーストは都民ファースト、自民党は自民党、公明党さんは公明党さん、そういう具体的なビジョンというものを示して信を問うということだから。もちろん「石丸新党」の方々もよくわかっておられることだと思うけれど、なかなか話題性だけで選挙ってのはできないと思いますけどね。他党のことはともかくとして、自民党は自民党として本当に地道に丁寧な選挙をやっていくってことだと思います。
ーー「大連立」も取りざたされていますが。
石破総理:
政策が一致しなくては、大連立も何もないもんだということですよね。財政であり、経済政策であり安全保障政策であり社会保障政策であり、それがどうなっていくかってことを今議論しているわけであってね。それがどうなるかわからない時点で、大連立もあったもんじゃありません。まずきちんと予算を通すことが大事です。「何のための大連立ですか」ってことがわからなければ。国民の皆さん方、有権者の皆さん方に対して「これとこれとこれが一致する」ということがなければ、話がそもそも始まらんじゃないですか。
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