
注目されている新関脇の安青錦は、どんな力士なのでしょうか。
優勝争いの安青錦 ウクライナから来日の“異色”の力士
新関脇の安青錦。戦火を逃れてウクライナからやってきた“異色”の力士です。今場所は、新入幕から5場所連続で2桁勝利を果たす、前人未到の記録を達成しました。
安青錦は、ウクライナ中部の町・ビンニツァ出身の21歳。相撲が人気のウクライナで7歳から相撲を始めました。2022年、ロシアの軍事侵攻を受けて18歳以上の男性の出国が制限され、当時17歳の安青錦は来日を決断します。
このときお世話になったのが、2019年に日本で開催された国際大会であまりにも強い安青錦に声をかけた、関西大学の相撲部でした。主将の山中新大さんの家に居候しながら稽古を続け、8か月後、安治川部屋に入門します。
しこ名「安青錦新大」の「青」はウクライナ国旗の青と、青い目にちなんでいます。下の名前「新大」は相撲部主将・山中新大さんの名前をそのままもらいました。
関脇まで最速で到達 41年ぶりに記録更新
大相撲に入門した安青錦。初土俵から、番付を異例の速さで一気に駆け上がりました。
600人ほどの力士がいる大相撲の世界では、番付は「序ノ口」から始まります。場所ごとに勝ち越せば少番付が上がっていき、給料がもらえて「関取」と呼ばれるのは十両からです。前頭以上がいわゆる「幕内」と呼ばれ、小結、関脇、大関、横綱になれるのは、ほんの一握りの力士だけです。
これまで、初土俵から関脇に一番早くたどり着いたのは、元大関・小錦の14場所でしたが、安青錦は13場所で到達し、記録を41年ぶりに塗り替えました。
そして今、次の大関昇進へのスピード記録がかかっています。アマチュア時代の成績によって幕下からの“飛び級”でスタートした横綱・大の里らを除けば、これまでの最速は琴欧州の「19場所」でした。今回、安青錦が今場所後に昇進を決めれば、「15場所」と大幅な記録更新となります。
「大関になる実力はある」初優勝で最速記録の昇進となるか
安青錦は身長182センチ、体重140キロと、大型化している力士の中では決して大きい方ではありません。
しかし、頭を下げた特徴的な前傾姿勢で相手の懐に潜り込むという特徴があります。さらに激しく動く投げ技、足技のほか、腕で相手の足を内側から払う「内無双」という珍しい技も繰り出し、多彩な取り組みが見られます。
安青錦はこの勢いのまま、史上最速での大関昇進となるのでしょうか。目安は「小結、関脇で直近3場所の合計33勝以上」とされていて、安青錦の場合、すでに33勝はクリアしています。しかし、先々場所が前頭筆頭だったため、ハードルは高いのが現状です。
ただ過去には、照ノ富士や栃ノ心のように平幕が起点でも、優勝して昇進した例もあります。元横綱「若乃花」の花田虎上さんは「遅かれ早かれ大関になる実力はある。強い大関になってほしいので、優勝を決めて昇進してほしい」と解説します。
今日の千秋楽で初優勝を果たし、最速記録での大関昇進となるのでしょうか。
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