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サンデーモーニングでご意見番を務める上原浩治さん(49)がメジャーリーグ4球団のキャンプを取材。日本時間26日には、かつて巨人で共にプレーした菅野智之(35)のもとを訪れた。2人は共に大卒で巨人に入団し、長年エースとして活躍。上原さんは34歳、菅野は35歳でフリーエージェント権を行使してオリオールズへ移籍した。共通点の多い後輩に、上原さんが現在の心境を聞いた。
アメリカの環境
上原浩治さん:何を聞かれたい?
菅野智之投手:いやいやいや(笑)。なんでも聞いてください。
上原:ビザで渡米が遅れたんだよね?
菅野:そうですね、発行が間に合わなくて。
上原:遅れてキャンプに入って、調整はどうですか?
菅野:最初はちょっと時差ぼけがきつくて、慣れるまでに3日くらいかかったんですけど、もう順調に。明日(日本時間27日)試合で投げますけど、思い描いている調整ができているので楽しみです。
上原:初登板では何を思い描きながら投げる?
菅野:まずはピッチクロック、ボールも違いますし、ベンチ前でキャッチボールできなかったりとか環境面に慣れないといけない。まずは結果云々よりもそっちを考えています。
上原:ピッチクロックの秒数ですけど、日本時代のままだとオーバーしている?
菅野:去年はすごく気をつけて、投球間隔を短く意識していました。去年の時点で全然問題なかったですし、この前のライブBPでも意識せずに平均10秒くらいで投げられているので。
上原:それなら大丈夫だね。あとはボールやマウンドの違いを意識して?
菅野:そうですね。
上原:チームの雰囲気はどうでしょう?
菅野:思ったよりも歓迎してくれてやりやすい雰囲気ですし、球団のスタッフさんも球場の食事などもすごく気を使ってくれているので、ものすごくやりやすいです。
上原:日本食も?
菅野:日本食は出ないですけど、いつもはないお米を用意してくれたりとか「何でも言ってね」と言ってくれているので。
上原:それは過去にボルチモアに在籍していた先輩のおかげ…。
菅野:ありがとうございます!(笑)
※上原さんは2009年から11年までオリオールズに所属。
上原:あとは和田毅と。
菅野:藤浪ですね。
上原:そうだね。だから日本人に対して慣れみたいなのは球団の中でもあるのかも。
菅野:かもしれないですね。
上原:キャンプの練習は日本と比べてどうですか?
菅野:個人に練習を任されている。全体練習なんか1時間も経たないうちに終わっちゃうので。「あとは自分の準備を」と言われているので、本当に自主性が問われるなと思っています。
上原:自主トレはハワイ、今のキャンプ地はフロリダ。どっちがいい?
菅野:う~ん、ハワイですかね。フロリダの方が寒暖差が激しいです。でも似た気候なのでやりやすいです。
上原:でも、ボルチモアに帰ると3月、4月は寒いと思う。寒さはどう?
菅野:寒いのは…苦手ですね。寒い中試合をすることが日本だとあまりないので。一回1年目(2013年)の日本シリーズで仙台で11月に田中将大さんと投げ合ったんですけど、その日は寒かったですね、(気温)5度とか。
上原:その時のピッチングは?
菅野:良かったんですけど、若かった(当時24歳)から。そこから12年経ったので…。
自身の年齢について
上原:今35歳ですよね、俺の1歳上でメジャーに挑戦。年齢は気にしてます?
菅野:僕は全然感じないんですよね。動きの中で「前よりもこれができなくなったな」とかは全然感じないです。
上原:ローテーションの一番手、二番手として期待されていると思うけど、目標は?
菅野:1年間ケガ無くローテーションを守って、30試合くらい投げられればいいなと。まずはそこを一番の目標にして。あとはチームがワールドチャンピオンを狙うと言っていますし、その中心にいられるようなピッチングをしたいと思います。
上原:自分たちがいたころ(09年~11年)は100敗するようなチームだったけど、今は100勝するようなチームになっているので。そこは期待しています。
菅野:ありがとうございます。
ここで会話は、2人が巨人でチームメイトだった時の思い出へ。上原さんが2019年に引退を表明する直前、その練習を見ていた菅野は「僕がその年齢になったらあんなにたくさん練習できない」と上原さんに伝えていた。
記者:改めて今、菅野さんが上原さんの歳になったら、あのくらい練習しそうですか?
上原:あの時は44歳やね。
菅野:ないですね、44歳まで僕、野球やってないです。
上原:あのコメントをくれた次の日に、もう引退している。もう辞めるって決まっていた時で。
菅野:唐突にジャイアンツ球場で「智之、オレ辞めるわぁ」って。「えっ!急にすか?」って感じで。
菅野:本当に朝早く来て最後までトレーニングを。走るのもすごく走っていたので、僕はあの練習はできないなと思いますね。
上原:いや、できるでしょ?
菅野:やりたくないです(笑)。
上原:今年は何で1年契約を選んだ?複数年契約を提示したところもあったと思うけど?
菅野:ちょっとそこは言えないですけど、でも「強いチームでやりたい」というのが一番だったので。自分自身にプレッシャーもかけながら、というところですかね。
“魔改造”久保コーチとの絆
昨年、巨人で4季ぶりの最多勝を獲得した菅野。その復活を支えたのは現在、田中将大投手(36)のフォーム改造でも知られる久保康生巡回投手コーチ(66)だ。
菅野:久保さんには今も動画を送って、「大丈夫ですかね?」と。こっちはピッチングコーチも、トラックマンとかデータのことは言ってくれるんですけど、フォームのことは言わないというか。僕もフォームが完成しているとは言えチェック項目があって、人から言われて気づくこともありますし。ちょっと感覚がずれてくると「今どうなってるのかな?」って不安になることがあるので。そういう時は、久保コーチに連絡させてもらっています。
上原さんからのエール
2人の共通点は、まだまだある。
上原:背番号19は、空いてたの?
菅野:ちょうど空いていたんですよ。「それなら19番をつけさせてください」とお願いしました。
上原:特にオレ(上原さん)の番号だ、とかは関係ない?(笑)
菅野:いやいやいや、ありますよ!上原さんとはいろいろ経歴が似てるじゃないですか。
上原:そうねぇ…。入るのも1年遠回りして…背番号が一緒で…。
※上原さんは大学入学時、菅野はプロ入り時に1年浪人を経験
菅野:それも、いい…なんていうんですかね?
上原:流れじゃないけど、ね。自分も入った時に2年契約で、2年で終わるつもりだったから。そこからしつこく(メジャー9年・巨人2年)続けた。智之もしつこく、1年でも長くやってもらいたいなと。
菅野:そうですね、粘り強くやりたいです。
インタビュー翌日の日本時間27日、パイレーツとのオープン戦でメジャー初登板した菅野は2回を2安打無失点。上原さんと菅野のもう一つの共通点は「コントロールの良さ」。この日も全28球のうち17球がストライクと、変わらない安定感を見せた。
*写真は左から上原浩治さん、菅野智之投手
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