エンタメ
2026-11-02 16:07
2025年にステージ4の食道がんで闘病していたことを公表していた俳優の山﨑努が2日、「第39回東京国際映画祭」Nippon Cinema Now部門で特別上映されたドキュメンタリー映画『山﨑リバーサイド 俳優の肩越しに』の舞台あいさつとQ&Aに登壇した。久しぶりに公の場に立った山﨑は、観客からの“人生相談”のような問いかけに、自身の経験を交えながら真摯に答えた。
【写真】大きな花束…山﨑努と固い握手を結ぶ渡辺謙
犬童一心監督が手がけた本作で、役を通さず、カメラの前に立った山﨑。撮影に臨んだ当時は、病気を経験した直後だったという。
「僕は無心でカメラの前にいることを目的にしていました。病気で死にかけた直後だったこともあり、心の中のどこかで、この世の皆さんとお別れのメッセージになればいいなと。その気持ちは今も残っています」と思いを明かし、撮影を支えたスタッフや、劇場に集まった観客へ感謝を伝えた。
生身の自分を撮られることについては、「もともと僕は恥ずかしがり屋で、コンプレックスの塊」と告白。若い頃は、人前やカメラの前に立つために、大きなエネルギーが必要だったと振り返った。
「歳を重ねて場慣れして図々しくなりましたが、それでも劣等感や羞恥心は嫌な形で残っています。今回はそれをなるべく払って、スッポンポンの状態でカメラの前に立ちたい、犬童さんに思うままに撮っていただこうと思って臨みました」と話した。
Q&Aでは、人によく思われたい気持ちがあり、弱みを見せられないという男性が、自分をさらけ出すための助言を求めた。
山﨑は、内向的な性格が、表現する際には力にもなり得ると応じた。
「内向的で人前に出ることが苦手な人ほど、実は舞台やカメラの前で演じる時に力があるんです。なぜなら、外と自分との間の“壁”が厚いから。目一杯ぶつかって突き抜けないと外に出られない。その突き抜けた時のエネルギーは、人前で何でも軽くこなせる人よりもずっと強いし、勢いがある」
自身も羞恥心を抱えながら演じてきたという山﨑は、「だから内向的な人の方が表現者に向いていると思います。苦手だからと引け目を感じる必要は全くありません」と伝えた。
かつて小劇団に所属し、家庭を持ったことを機に俳優を辞めたという男性からの質問に山﨑は、自身も若い頃から、才能があるかも分からない自分が、なぜ舞台という一段高い場所に立っていられるのかを考えてきたと振り返った。
「ある先輩は『芸を磨けばお金が取れる』と言いましたが、客席には僕より芸達者な人も才能がある人もいるはずで、僕の中では答えにならなかった」と言い、その問いに対して見いだしたのが、自分をさらけ出す覚悟だった。
「僕がなぜ俳優として立っていられるのか。その答えは『自分をさらけ出すこと』です。胸の底まで全部さらけ出す。これは普通の人には恥ずかしくてできない。でも、その覚悟がないと俳優はできない。ただ恥をさらせばいいわけでもない。『見る価値のある恥をかく』。身を切り開く覚悟を持って代わりに恥をかくからこそ、お客様からお金をいただける職業として成立するんです」
隣で聞いていた犬童監督も、「映画の中で言ってくれなかった名言が出ましたね」と反応。「見る価値のある恥をかく」という名言に会場が湧く中、突然現れたのが、山﨑の“後輩”である渡辺謙。花束を手渡すと、病み上がりの山﨑が、ドキュメンタリー映画の撮影に臨むと聞き、当初は体調を心配していたなどと話した。完成作を観て、「山さんがどう生きて、どう俳優という仕事をしてきたのかが宝石のように散りばめられていた」と敬意を表した。
俳優生活70周年を迎えても、山﨑自身に節目の実感はないという。
「毎日が新鮮で、楽しくて、不安で。夢中になっているうちに過ぎてしまった。積み重ねなんて考えたこともないし、辞める気もありません」と現役宣言も飛び出し、会場から温かな拍手が送られた。
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犬童一心監督が手がけた本作で、役を通さず、カメラの前に立った山﨑。撮影に臨んだ当時は、病気を経験した直後だったという。
「僕は無心でカメラの前にいることを目的にしていました。病気で死にかけた直後だったこともあり、心の中のどこかで、この世の皆さんとお別れのメッセージになればいいなと。その気持ちは今も残っています」と思いを明かし、撮影を支えたスタッフや、劇場に集まった観客へ感謝を伝えた。
生身の自分を撮られることについては、「もともと僕は恥ずかしがり屋で、コンプレックスの塊」と告白。若い頃は、人前やカメラの前に立つために、大きなエネルギーが必要だったと振り返った。
「歳を重ねて場慣れして図々しくなりましたが、それでも劣等感や羞恥心は嫌な形で残っています。今回はそれをなるべく払って、スッポンポンの状態でカメラの前に立ちたい、犬童さんに思うままに撮っていただこうと思って臨みました」と話した。
Q&Aでは、人によく思われたい気持ちがあり、弱みを見せられないという男性が、自分をさらけ出すための助言を求めた。
山﨑は、内向的な性格が、表現する際には力にもなり得ると応じた。
「内向的で人前に出ることが苦手な人ほど、実は舞台やカメラの前で演じる時に力があるんです。なぜなら、外と自分との間の“壁”が厚いから。目一杯ぶつかって突き抜けないと外に出られない。その突き抜けた時のエネルギーは、人前で何でも軽くこなせる人よりもずっと強いし、勢いがある」
自身も羞恥心を抱えながら演じてきたという山﨑は、「だから内向的な人の方が表現者に向いていると思います。苦手だからと引け目を感じる必要は全くありません」と伝えた。
かつて小劇団に所属し、家庭を持ったことを機に俳優を辞めたという男性からの質問に山﨑は、自身も若い頃から、才能があるかも分からない自分が、なぜ舞台という一段高い場所に立っていられるのかを考えてきたと振り返った。
「ある先輩は『芸を磨けばお金が取れる』と言いましたが、客席には僕より芸達者な人も才能がある人もいるはずで、僕の中では答えにならなかった」と言い、その問いに対して見いだしたのが、自分をさらけ出す覚悟だった。
「僕がなぜ俳優として立っていられるのか。その答えは『自分をさらけ出すこと』です。胸の底まで全部さらけ出す。これは普通の人には恥ずかしくてできない。でも、その覚悟がないと俳優はできない。ただ恥をさらせばいいわけでもない。『見る価値のある恥をかく』。身を切り開く覚悟を持って代わりに恥をかくからこそ、お客様からお金をいただける職業として成立するんです」
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俳優生活70周年を迎えても、山﨑自身に節目の実感はないという。
「毎日が新鮮で、楽しくて、不安で。夢中になっているうちに過ぎてしまった。積み重ねなんて考えたこともないし、辞める気もありません」と現役宣言も飛び出し、会場から温かな拍手が送られた。
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