エンタメ
2026-09-14 12:15
スターダストプロモーションの若手男性タレント・俳優で構成されたアーティスト集団・EBiDAN(恵比寿学園男子部)からの選抜ユニットとして2011年12月25日に誕生した超特急が、キャリアハイを更新し続けている。最新の23枚目シングル「ガチ夢中!」は前作比1.6倍超えのセールスでハーフミリオン目前。11月に控えている悲願の東京ドーム公演は、2日間ともチケットが完売した。15年目の今なぜ、キャリア最高の支持を集めているのか、オリコン・リサーチが実施した「国内ボーイズグループ調査2026」の内容も含めてひも解く。
【グラフ】超特急で急伸!シングル売上推移 9人のソロショットも
超特急は2011年12月25日に結成(当時は「超特急☆-BULLET TRAIN-」)、2012年6月10日にシングル「TRAIN」でCDデビューした。ボーカルが後方で歌い、ダンサーが前面に出る「メインダンサー&バックボーカル」という唯一無二の構成は当初からのスタイル。ショッピングモールや新大久保で路上ライブをしていた当初から東京ドーム公演を目標に掲げてきた。
メンバー変遷を経て、現在は、“1桁号車”といわれる初期メンバーの2号車カイ、3号車リョウガ、4号車タクヤ、5号車ユーキ、7号車タカシ、新メンバーオーディション「超特急募」を経て2022年8月8日に加入した“2桁号車”の11号車シューヤ、12号車マサヒロ、13号車アロハ、14号車ハルの計9人で構成されている。そして、8号車と呼ばれるファンが、すさまじい熱量で彼らを支え、押し上げる。
1桁号車が築いた地盤、2桁号車加入後の9人での成長、変わらぬ8号車の熱量。そこに、2024年3月にプロモーション契約を締結したユニバーサルミュージックとの“連結”による発信力の強化が重なり、これまで超特急に触れていなかった層へ届く機会が増えた。
その化学反応が数字に表れ始め、CDセールスもキャリアハイを更新し続けている。9人体制初のシングルとなった「宇宙ドライブ」(2022年10月12日発売)を経て、「AwA AwA」(2024年11月6日発売)は前作の初週売上比で約4.1倍となる自己最高の13.8万枚を売り上げ、7年6ヶ月ぶり、通算2作目の1位を獲得した。
勢いは加速する一方で、22ndシングル「NINE LIVES」(2025年9月24日発売)は前作の初週売上比2倍強の28.7万枚をセールス。累積では自身初の30万枚を突破した。そして、最新23rdシングル「ガチ夢中!」(5月13日発売)は初週47.0万枚を売り上げ、3作連続、通算4作目の1位を獲得。初週売上は「NINE LIVES」の1.6倍で、同作の累積売上を1週間で超える勢いとなっている。
激しくも美しく揃った息もつかせぬ全力ダンスで話題を集めた「ガチ夢中」は、正面から定点撮影したダンスプラクティス動画でもバズを起こした。間奏で下手(向かって左側)最後方のポジションだったアロハが、踊りながらメンバー8人を横断し、上手前方に出てくるフォーメーション移動が「アロハの大移動」と話題となり、Xで“万バズ”する大反響。新たな広がりを見せた。
■貫き続けた“ダサかっこいい”の信念 実力とコミカルの振り幅
絶好調の超特急だが、15年の道のりは平坦ではなかった。2018年から4年以上にわたって、ボーカルをタカシ1人で担った時期もあった。苦境の時期も超特急は走り続けた。ライブではハイレベルなダンスや歌唱で確かな実力を見せる一方で、コミカルな楽曲にも真正面から向き合う。変顔も全力だ。ハロウィンイベントでは、誰なのかがわからないほど振り切った扮装で話題を集めたこともある。この振れ幅を自分たちだけの武器へと変えてきた。
この“ダサかっこいい”のスタンスは活動初期から変わっていない。2014年のオリコンニュースのインタビューでは、かっこよさだけではなくコミカルな表現にも振り切るグループの独自性について、タクヤはこう語っている。
「きっかけは何でもいいんです。『こいつらダセエな』でも『かっこ悪い』でも。見る人によって、かっこ悪いと思われるようなことを、僕らはやっているんだという自覚もちゃんとあります。でも、僕らはそれを売りにしているし、誇りに思っている。だから、『ダセエ』と思った人が次に見たとき、『かっこいい』と思ってもらえるように、全力でやっていくしかないんです。そして、振り向かせる自信があります!」
その確固たる信念を貫くことで、強固なファンダムを築き上げた。「国内ボーイズグループ調査2026」の結果にもそれは表れている。同調査では、超特急、M!LK、なにわ男子、BE:FIRST、&TEAM、Number_iら対象グループに好感を持っているモニターの、ファン化のきっかけや応援行動などを多角的に調査・分析している。
各グループの魅力評価ポイントでは、「人柄の親しみやすさ」や「容姿・ルックス」などが上位となったが、超特急の1位は「姿勢(取り組み方)」だった。しかも、この項目のポイントはどのグループよりも高かった。
「最も好きなグループ=超特急」と回答したモニター(n=63)からは、次のような言葉が寄せられている。
「ダサかっこいいコンセプトも大好きだし、ライブが何より楽しい! 生の歌とダンスのクオリティも高く、8号車との一体感が最高、トンチキを全力でパフォーマンスが唯一無二で大好きです!」(30代女性)
「全力トンチキがかっこいいし、トンチキ以外のしっかり曲を聞かせる楽曲でも魅力的」(50代女性)
「昔から好きな人も最近好きになった人も置いて行かない優しさがあると思う。本人たちも相当の努力家なのが分かるため、素直に心から応援したいし、周りの人にも自信を持って薦められるグループ」(20代女性)
結成から15年経っても、新メンバーが加わっても、超特急の根幹は変わっていない。その変わらなさこそが、現在の急加速を支える枕木となっている。
■新たな8号車はどこから? 決め手はライブの熱量
超特急を好きになった最初のきっかけで最も多かったのは「友人・家族・恋人等の口コミ」(19.0%)、続いて「メンバー出演のドラマ・舞台・映画」(15.9%)だった。
口コミで好きになった12人のうち10人が40~50代。「娘が超特急が好きで、一緒に番組や動画を見ているうちに自分も好きになった」(50代女性)、「娘の付き添いでライブ参戦してから」(40代女性)といった声に代表されるように、若い世代の8号車を起点に親世代へ広がっている。
タクヤ(草川拓弥)の俳優活動も大きな入口。『みなと商事コインランドリー』(テレビ東京/2022年7月期)、『ウルトラマンギンガ』(テレビ東京/2013年)などの主演/出演作からタクヤを知り、超特急を検索してMVや過去番組を見始めたという回答が複数あった。
そして、一度興味・関心を持った人を沼落ちさせ、8号車に変える最大の武器が、ライブだ。同調査で超特急の魅力について聞いた自由回答63件を複数テーマに分類すると、「歌・ダンス・ライブ/全力パフォーマンス」への言及が33件で最多。「笑い・独自性・かっこよさとのギャップ」が19件、「歩み・努力・成長の物語」が14件、「元気・楽しさ・心の支え」が13件、「8号車との関係・ライブの一体感」が12件だった。
「1番の魅力はライブだと思う。音源とはまた違うアレンジや生歌の綺麗さが段違い。また8号車もメンバーと言われるくらい、ファンもコールでライブに参加している感覚が得られるので、最高に楽しい」(20代女性)
このコメントにもあるとおり、超特急のライブをメンバーの一員として完成させる最後のピースが、8号車と呼ばれるファンだ。フェスやライブイベントなどを通じて超特急のライブの一糸乱れぬコールとペンライト芸は、他グループのファンにも知られるところ。アウェイな現場でも無双状態で、初見の観客を次々と巻き込んでいく。
ライブは見るだけではなく、自分もステージ演出の一部になる。その感覚が、超特急のライブを特別なものにしている。知る→見る→初乗車(ライブ初参加)→8号車になる。この循環が急速に広がっていることも人気拡大の大きな要素となっている。
■9両それぞれに“乗車口” 個性豊かなメンバーを紹介
超特急が現在の9人体制となったのは、結成10周年を迎えた2022年。初めての新メンバーオーディション「超特急募」を開催した。初期メンバーも審査に深く関わって仲間を探し出し、8月8日の“8号車の日”に、バックボーカルのシューヤ、メインダンサーのマサヒロ、アロハ、ハルの4人の加入を発表し、現在の躍進につながる転換点となった。
長い歴史を持つグループへの新メンバー加入は、ファンに歓迎されるとは限らない。過去を愛するファンが多ければ多いほど、変化には不安も伴う。しかし、モニター調査では「9人体制になってからはブーストがかかったというか、『超特急2.0』になったような気がする」(40代女性)との声もあった。1桁号車が築いた土台に2桁号車が加わることでどのような相乗効果をもたらしたのか。それぞれの個性を見てみよう。
■カイ
2号車/メインダンサー/神秘担当/イメージカラー:青]
◆超特急の“美意識”を担うクリエイティブな先頭車両
頭の回転が速く、“超特急のブレーン”的存在の先頭車両。ファッションへの造詣が深く、グループの衣装やビジュアルを含むクリエイティブ面でもセンスを発揮する。小笠原海として俳優活動を行うほか、自身がプロデュースするファッションブランド「KEEN AND INTENSE」の設立、スキンケアブランドとのコラボなど多方面で才能を発揮している。
■リョウガ
3号車/メインダンサー/ガリガリ担当/イメージカラー:紫
◆MC力抜群、ゲームとアニメを愛する異色のリーダー
2代目リーダー。トーク力はメンバー随一で、ライブMCでは独特なワードセンスでトークをまとめる。「バイオハザード5」オンライン版で世界ランキング最高2位を記録した筋金入りのゲーマーで、YouTubeではゲーム実況チャンネル「ガリゲーch」も開設している。アニメもこよなく愛し、“オタク”であることを隠さない親近感も支持される理由の一つ。
■タクヤ
4号車/メインダンサー/筋肉担当/イメージカラー:緑
◆俳優活動から新たな8号車を呼び込む“みどりの窓口”
甘いルックス、ファッションや美容への感度の高さ、華やかな存在感で超特急のスタイリッシュさを体現。草川拓弥としての俳優活動を通じて、超特急にファンを呼び込む“乗車口”となっており、イメージカラーの緑にちなんで「みどりの窓口」と呼ばれる。2027年には15年ぶりにNHK大河ドラマに出演することも決定している。
■ユーキ
5号車/メインダンサー/ドジっ子担当/イメージカラー:赤
◆EBiDANのライブ演出も担う熱きダンスリーダー
圧倒的なダンススキルを持ち、ダンスリーダーとして振付やライブ演出にも深く関わる。現在ではEBiDAN全体のライブ演出にも携わり、“総監督”として後輩グループの魅力も引き出している。ステージでは熱い表現者だが、私生活の「ドジっ子」エピソードには事欠かない。その人間味も含めて愛される、超特急のパフォーマンスの中核。
■タカシ
7号車/バックボーカル/末っ子担当/イメージカラー:純白
◆トンチキからバラードまで 超特急の歌を支える柱
初期メンバーでは末っ子だったことから、永遠の末っ子担当。温かさと芯を兼ね備えた伸びやかな歌声で、トンチキソングからバラードまで振り幅の大きい超特急の歌を、4年以上の長期間にわたって一人で背負った。2020年9月には松尾太陽として、ミニアルバム『うたうたい』でソロデビューもしている。穏やかで誠実な人柄でメンバーからの信頼も厚い。
■シューヤ
11号車/バックボーカル/チャラチャラ担当/イメージカラー:チャコール
◆「タカシの隣で歌いたい」を現実にした熱き相方
超特急のメンバー募集を知ったきっかけは、テレビでタカシの思いを聞いたことだった。「隣で歌い、支えたい」という思いから応募し、その場所をつかみとった。ハイトーンボイスからパワフルな歌唱まで、地道な練習と研究の積み重ねによる表現の幅広さで魅了。仲間への思いも人一倍熱く、人情味にあふれた人柄でも惹きつける。
■マサヒロ
12号車/メインダンサー/ごはん担当/イメージカラー:ブラウン
◆バックからメインダンサーに 実力でつかんだダンス職人
ダンスの専門学校を卒業後、プロのダンサーとして経験を重ね、超特急のバックで踊ったことも。そのステージでアーティストの違いを痛感し、「前で踊りたい」という思いを強くしたことが「超特急募」への応募につながった。キレの良さと美しいシルエットを兼ね備え、ヒップホップからジャズまで自在に踊りこなす。トークでは不器用さをのぞかせるギャップも愛されている。
■アロハ
13号車/メインダンサー/真っ直ぐ担当/イメージカラー:ターコイズ
◆憧れのグループの一員に “アロハの大移動”でも話題
小学生の頃からの夢だった超特急の一員になったアロハは、スキルフルなダンスと高い身体能力が武器。芸能界スポーツマンNo.1を決めるTBS系「最強スポーツ男子頂上決戦2024」に出演したことも。「ガチ夢中!」では「アロハの大移動」で話題を集めた。髙松アロハとして俳優業にも活動を広げ、映画『純愛上等!』ではM!LKの山中柔太朗とW主演を務めた。
■ハル
14号車/メインダンサー/怪獣担当/イメージカラー:オレンジ
◆天性のアイドル性で新風を引き込む最年少
EBiDAN研究生として活動し、同期がデビューしていく悔しさを味わいながら「超特急募」でチャンスをつかんだ。加入時は17歳で、メンバー最年少。天性のアイドル性でも新しい風を吹き込み、「ガチ夢中!」ではセンターを担った。柏木悠として俳優活動も行い、『ViVi』の国宝級イケメンランキングでは2025年上半期NEXT部門(22歳以下のブレイク枠)で1位に輝いた。
■“長男”超特急が切り開いたレール EBiDANも15周年で大旋風
1桁号車に敬意を持つ2桁号車が加わり、相乗効果でさらに加速した超特急。1桁号車の背中を追ってきたのは2桁号車だけではない。EBiDAN(恵比寿学園男子部)の後輩グループも見続けてきた。超特急が“長男”として牽引してきたEBiDANは、M!LKを筆頭に所属グループが次々と存在感を高め、大旋風を巻き起こしている。
それを象徴するのが、8月13日~16日に東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催された「EBiDAN THE LIVE 2026 15th Anniversary」(通称エビライ)だった。4公演で約5万人を動員したエビライには、超特急をはじめ、M!LK、SUPER★DRAGON、Sakurashimeji、ONE N’ ONLY、原因は自分にある。、BUDDiiS、ICEx、Lienelの9グループが出演。さらに、新グループ・iiONDO(イイオンド)がお披露目され、10グループ・総勢68人に拡張した。
EBiDANの破竹の勢いは音楽セールスでも顕著に表れている。9グループ60人が参加した15周年記念シングル「Yes! 東京」は、今年度最高となる初週105.3万枚を売り上げ、初週ミリオンを達成。シングルのミリオン作品は今年度初となった。先行配信された表題曲は週間ストリーミングランキングで5週連続1位を獲得している。
最終公演では、現在のEBiDANの盛り上がりについて、M!LKの佐野勇斗が超特急への感謝の言葉を口にする場面があった。
「ここまでこれたのは紛れもなく超特急さんのおかげです。2桁号車のみんなもだけど、特に、ずっと最前線でEBiDANで走ってきた1桁号車の5人のみんな。最前線で走ることがどれだけきついことかというのを、僕は後ろで見てきたので、本当にここまで引っ張ってきてくれてありがとうございます」
超特急の1桁号車が走り続けた時間は、自分たちのためだけの15年ではなかった。その後ろには、同じEBiDANで活動する後輩たちがいた。先頭に立って超特急が走り続けたからこそ、後続グループが夢を見ることができた。佐野の感謝の言葉を受け、ユーキは「EBiDANが今年こんな盛り上がってるのは、間違いなくM!LKのおかげです」と感謝の言葉を返した。「EBiDAN、まじで最高なやつらの集まりです。この先、EBiDANで歴史変えていきましょう!」とも宣言した。この絆の強さが、現在のEBiDANの強さそのものなのかもしれない。
路上やショッピングモールで一人でも多くの8号車を増やそうとしていた時代、メンバーの変遷を経て、超特急が牽引してきたEBiDANは一大勢力へと成長。そして、結成初期からの夢、東京ドーム公演が現実になる。今の9人にとって、東京ドームはもう“終着駅”ではないだろう。かつて遠い夢として掲げた目的地は、新たな始発駅になる。超特急は今、猛スピードでその先へと走り始めている。
【調査概要】「国内ボーイズグループ調査2026」
調査対象:オリコン・モニターリサーチ会員 全国男女10~50代
サンプル数:総調査数N=5000※国勢調査を基にした2026年5月の人口推計を算出に使用し、人口推計に基づき割付
うち、対象グループ好感者n=1430が本調査対象
調査期間:2026年5月19日(火)~5月29日(金)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
【動画】“アロハの大移動”に大注目!「ガチ夢中!」定点撮影のダンスプラクティス
【2014年の記事】“非アイドル”の超特急、独自スタンスで人気急上昇
EBiDAN「Yes! 東京」ミリオン達成 ストリーミングは累積1億回再生突破 超特急、M!LKら数字でたどる15年の軌跡
EBiDAN 15周年記念作で初ミリオン 今年度最高の初週105.3万枚 超特急タクヤ「EBiDAN最高すぎて“Yes”!」
EBiDAN“総監督”ユーキ、「敷かれたレールに乗っているだけじゃ上に行けないな」演出関わるきっかけ【オリコンライターズ】
【グラフ】超特急で急伸!シングル売上推移 9人のソロショットも
超特急は2011年12月25日に結成(当時は「超特急☆-BULLET TRAIN-」)、2012年6月10日にシングル「TRAIN」でCDデビューした。ボーカルが後方で歌い、ダンサーが前面に出る「メインダンサー&バックボーカル」という唯一無二の構成は当初からのスタイル。ショッピングモールや新大久保で路上ライブをしていた当初から東京ドーム公演を目標に掲げてきた。
メンバー変遷を経て、現在は、“1桁号車”といわれる初期メンバーの2号車カイ、3号車リョウガ、4号車タクヤ、5号車ユーキ、7号車タカシ、新メンバーオーディション「超特急募」を経て2022年8月8日に加入した“2桁号車”の11号車シューヤ、12号車マサヒロ、13号車アロハ、14号車ハルの計9人で構成されている。そして、8号車と呼ばれるファンが、すさまじい熱量で彼らを支え、押し上げる。
1桁号車が築いた地盤、2桁号車加入後の9人での成長、変わらぬ8号車の熱量。そこに、2024年3月にプロモーション契約を締結したユニバーサルミュージックとの“連結”による発信力の強化が重なり、これまで超特急に触れていなかった層へ届く機会が増えた。
その化学反応が数字に表れ始め、CDセールスもキャリアハイを更新し続けている。9人体制初のシングルとなった「宇宙ドライブ」(2022年10月12日発売)を経て、「AwA AwA」(2024年11月6日発売)は前作の初週売上比で約4.1倍となる自己最高の13.8万枚を売り上げ、7年6ヶ月ぶり、通算2作目の1位を獲得した。
勢いは加速する一方で、22ndシングル「NINE LIVES」(2025年9月24日発売)は前作の初週売上比2倍強の28.7万枚をセールス。累積では自身初の30万枚を突破した。そして、最新23rdシングル「ガチ夢中!」(5月13日発売)は初週47.0万枚を売り上げ、3作連続、通算4作目の1位を獲得。初週売上は「NINE LIVES」の1.6倍で、同作の累積売上を1週間で超える勢いとなっている。
激しくも美しく揃った息もつかせぬ全力ダンスで話題を集めた「ガチ夢中」は、正面から定点撮影したダンスプラクティス動画でもバズを起こした。間奏で下手(向かって左側)最後方のポジションだったアロハが、踊りながらメンバー8人を横断し、上手前方に出てくるフォーメーション移動が「アロハの大移動」と話題となり、Xで“万バズ”する大反響。新たな広がりを見せた。
■貫き続けた“ダサかっこいい”の信念 実力とコミカルの振り幅
絶好調の超特急だが、15年の道のりは平坦ではなかった。2018年から4年以上にわたって、ボーカルをタカシ1人で担った時期もあった。苦境の時期も超特急は走り続けた。ライブではハイレベルなダンスや歌唱で確かな実力を見せる一方で、コミカルな楽曲にも真正面から向き合う。変顔も全力だ。ハロウィンイベントでは、誰なのかがわからないほど振り切った扮装で話題を集めたこともある。この振れ幅を自分たちだけの武器へと変えてきた。
この“ダサかっこいい”のスタンスは活動初期から変わっていない。2014年のオリコンニュースのインタビューでは、かっこよさだけではなくコミカルな表現にも振り切るグループの独自性について、タクヤはこう語っている。
「きっかけは何でもいいんです。『こいつらダセエな』でも『かっこ悪い』でも。見る人によって、かっこ悪いと思われるようなことを、僕らはやっているんだという自覚もちゃんとあります。でも、僕らはそれを売りにしているし、誇りに思っている。だから、『ダセエ』と思った人が次に見たとき、『かっこいい』と思ってもらえるように、全力でやっていくしかないんです。そして、振り向かせる自信があります!」
その確固たる信念を貫くことで、強固なファンダムを築き上げた。「国内ボーイズグループ調査2026」の結果にもそれは表れている。同調査では、超特急、M!LK、なにわ男子、BE:FIRST、&TEAM、Number_iら対象グループに好感を持っているモニターの、ファン化のきっかけや応援行動などを多角的に調査・分析している。
各グループの魅力評価ポイントでは、「人柄の親しみやすさ」や「容姿・ルックス」などが上位となったが、超特急の1位は「姿勢(取り組み方)」だった。しかも、この項目のポイントはどのグループよりも高かった。
「最も好きなグループ=超特急」と回答したモニター(n=63)からは、次のような言葉が寄せられている。
「ダサかっこいいコンセプトも大好きだし、ライブが何より楽しい! 生の歌とダンスのクオリティも高く、8号車との一体感が最高、トンチキを全力でパフォーマンスが唯一無二で大好きです!」(30代女性)
「全力トンチキがかっこいいし、トンチキ以外のしっかり曲を聞かせる楽曲でも魅力的」(50代女性)
「昔から好きな人も最近好きになった人も置いて行かない優しさがあると思う。本人たちも相当の努力家なのが分かるため、素直に心から応援したいし、周りの人にも自信を持って薦められるグループ」(20代女性)
結成から15年経っても、新メンバーが加わっても、超特急の根幹は変わっていない。その変わらなさこそが、現在の急加速を支える枕木となっている。
■新たな8号車はどこから? 決め手はライブの熱量
超特急を好きになった最初のきっかけで最も多かったのは「友人・家族・恋人等の口コミ」(19.0%)、続いて「メンバー出演のドラマ・舞台・映画」(15.9%)だった。
口コミで好きになった12人のうち10人が40~50代。「娘が超特急が好きで、一緒に番組や動画を見ているうちに自分も好きになった」(50代女性)、「娘の付き添いでライブ参戦してから」(40代女性)といった声に代表されるように、若い世代の8号車を起点に親世代へ広がっている。
タクヤ(草川拓弥)の俳優活動も大きな入口。『みなと商事コインランドリー』(テレビ東京/2022年7月期)、『ウルトラマンギンガ』(テレビ東京/2013年)などの主演/出演作からタクヤを知り、超特急を検索してMVや過去番組を見始めたという回答が複数あった。
そして、一度興味・関心を持った人を沼落ちさせ、8号車に変える最大の武器が、ライブだ。同調査で超特急の魅力について聞いた自由回答63件を複数テーマに分類すると、「歌・ダンス・ライブ/全力パフォーマンス」への言及が33件で最多。「笑い・独自性・かっこよさとのギャップ」が19件、「歩み・努力・成長の物語」が14件、「元気・楽しさ・心の支え」が13件、「8号車との関係・ライブの一体感」が12件だった。
「1番の魅力はライブだと思う。音源とはまた違うアレンジや生歌の綺麗さが段違い。また8号車もメンバーと言われるくらい、ファンもコールでライブに参加している感覚が得られるので、最高に楽しい」(20代女性)
このコメントにもあるとおり、超特急のライブをメンバーの一員として完成させる最後のピースが、8号車と呼ばれるファンだ。フェスやライブイベントなどを通じて超特急のライブの一糸乱れぬコールとペンライト芸は、他グループのファンにも知られるところ。アウェイな現場でも無双状態で、初見の観客を次々と巻き込んでいく。
ライブは見るだけではなく、自分もステージ演出の一部になる。その感覚が、超特急のライブを特別なものにしている。知る→見る→初乗車(ライブ初参加)→8号車になる。この循環が急速に広がっていることも人気拡大の大きな要素となっている。
■9両それぞれに“乗車口” 個性豊かなメンバーを紹介
超特急が現在の9人体制となったのは、結成10周年を迎えた2022年。初めての新メンバーオーディション「超特急募」を開催した。初期メンバーも審査に深く関わって仲間を探し出し、8月8日の“8号車の日”に、バックボーカルのシューヤ、メインダンサーのマサヒロ、アロハ、ハルの4人の加入を発表し、現在の躍進につながる転換点となった。
長い歴史を持つグループへの新メンバー加入は、ファンに歓迎されるとは限らない。過去を愛するファンが多ければ多いほど、変化には不安も伴う。しかし、モニター調査では「9人体制になってからはブーストがかかったというか、『超特急2.0』になったような気がする」(40代女性)との声もあった。1桁号車が築いた土台に2桁号車が加わることでどのような相乗効果をもたらしたのか。それぞれの個性を見てみよう。
■カイ
2号車/メインダンサー/神秘担当/イメージカラー:青]
◆超特急の“美意識”を担うクリエイティブな先頭車両
頭の回転が速く、“超特急のブレーン”的存在の先頭車両。ファッションへの造詣が深く、グループの衣装やビジュアルを含むクリエイティブ面でもセンスを発揮する。小笠原海として俳優活動を行うほか、自身がプロデュースするファッションブランド「KEEN AND INTENSE」の設立、スキンケアブランドとのコラボなど多方面で才能を発揮している。
■リョウガ
3号車/メインダンサー/ガリガリ担当/イメージカラー:紫
◆MC力抜群、ゲームとアニメを愛する異色のリーダー
2代目リーダー。トーク力はメンバー随一で、ライブMCでは独特なワードセンスでトークをまとめる。「バイオハザード5」オンライン版で世界ランキング最高2位を記録した筋金入りのゲーマーで、YouTubeではゲーム実況チャンネル「ガリゲーch」も開設している。アニメもこよなく愛し、“オタク”であることを隠さない親近感も支持される理由の一つ。
■タクヤ
4号車/メインダンサー/筋肉担当/イメージカラー:緑
◆俳優活動から新たな8号車を呼び込む“みどりの窓口”
甘いルックス、ファッションや美容への感度の高さ、華やかな存在感で超特急のスタイリッシュさを体現。草川拓弥としての俳優活動を通じて、超特急にファンを呼び込む“乗車口”となっており、イメージカラーの緑にちなんで「みどりの窓口」と呼ばれる。2027年には15年ぶりにNHK大河ドラマに出演することも決定している。
■ユーキ
5号車/メインダンサー/ドジっ子担当/イメージカラー:赤
◆EBiDANのライブ演出も担う熱きダンスリーダー
圧倒的なダンススキルを持ち、ダンスリーダーとして振付やライブ演出にも深く関わる。現在ではEBiDAN全体のライブ演出にも携わり、“総監督”として後輩グループの魅力も引き出している。ステージでは熱い表現者だが、私生活の「ドジっ子」エピソードには事欠かない。その人間味も含めて愛される、超特急のパフォーマンスの中核。
■タカシ
7号車/バックボーカル/末っ子担当/イメージカラー:純白
◆トンチキからバラードまで 超特急の歌を支える柱
初期メンバーでは末っ子だったことから、永遠の末っ子担当。温かさと芯を兼ね備えた伸びやかな歌声で、トンチキソングからバラードまで振り幅の大きい超特急の歌を、4年以上の長期間にわたって一人で背負った。2020年9月には松尾太陽として、ミニアルバム『うたうたい』でソロデビューもしている。穏やかで誠実な人柄でメンバーからの信頼も厚い。
■シューヤ
11号車/バックボーカル/チャラチャラ担当/イメージカラー:チャコール
◆「タカシの隣で歌いたい」を現実にした熱き相方
超特急のメンバー募集を知ったきっかけは、テレビでタカシの思いを聞いたことだった。「隣で歌い、支えたい」という思いから応募し、その場所をつかみとった。ハイトーンボイスからパワフルな歌唱まで、地道な練習と研究の積み重ねによる表現の幅広さで魅了。仲間への思いも人一倍熱く、人情味にあふれた人柄でも惹きつける。
■マサヒロ
12号車/メインダンサー/ごはん担当/イメージカラー:ブラウン
◆バックからメインダンサーに 実力でつかんだダンス職人
ダンスの専門学校を卒業後、プロのダンサーとして経験を重ね、超特急のバックで踊ったことも。そのステージでアーティストの違いを痛感し、「前で踊りたい」という思いを強くしたことが「超特急募」への応募につながった。キレの良さと美しいシルエットを兼ね備え、ヒップホップからジャズまで自在に踊りこなす。トークでは不器用さをのぞかせるギャップも愛されている。
■アロハ
13号車/メインダンサー/真っ直ぐ担当/イメージカラー:ターコイズ
◆憧れのグループの一員に “アロハの大移動”でも話題
小学生の頃からの夢だった超特急の一員になったアロハは、スキルフルなダンスと高い身体能力が武器。芸能界スポーツマンNo.1を決めるTBS系「最強スポーツ男子頂上決戦2024」に出演したことも。「ガチ夢中!」では「アロハの大移動」で話題を集めた。髙松アロハとして俳優業にも活動を広げ、映画『純愛上等!』ではM!LKの山中柔太朗とW主演を務めた。
■ハル
14号車/メインダンサー/怪獣担当/イメージカラー:オレンジ
◆天性のアイドル性で新風を引き込む最年少
EBiDAN研究生として活動し、同期がデビューしていく悔しさを味わいながら「超特急募」でチャンスをつかんだ。加入時は17歳で、メンバー最年少。天性のアイドル性でも新しい風を吹き込み、「ガチ夢中!」ではセンターを担った。柏木悠として俳優活動も行い、『ViVi』の国宝級イケメンランキングでは2025年上半期NEXT部門(22歳以下のブレイク枠)で1位に輝いた。
■“長男”超特急が切り開いたレール EBiDANも15周年で大旋風
1桁号車に敬意を持つ2桁号車が加わり、相乗効果でさらに加速した超特急。1桁号車の背中を追ってきたのは2桁号車だけではない。EBiDAN(恵比寿学園男子部)の後輩グループも見続けてきた。超特急が“長男”として牽引してきたEBiDANは、M!LKを筆頭に所属グループが次々と存在感を高め、大旋風を巻き起こしている。
それを象徴するのが、8月13日~16日に東京・国立代々木競技場 第一体育館で開催された「EBiDAN THE LIVE 2026 15th Anniversary」(通称エビライ)だった。4公演で約5万人を動員したエビライには、超特急をはじめ、M!LK、SUPER★DRAGON、Sakurashimeji、ONE N’ ONLY、原因は自分にある。、BUDDiiS、ICEx、Lienelの9グループが出演。さらに、新グループ・iiONDO(イイオンド)がお披露目され、10グループ・総勢68人に拡張した。
EBiDANの破竹の勢いは音楽セールスでも顕著に表れている。9グループ60人が参加した15周年記念シングル「Yes! 東京」は、今年度最高となる初週105.3万枚を売り上げ、初週ミリオンを達成。シングルのミリオン作品は今年度初となった。先行配信された表題曲は週間ストリーミングランキングで5週連続1位を獲得している。
最終公演では、現在のEBiDANの盛り上がりについて、M!LKの佐野勇斗が超特急への感謝の言葉を口にする場面があった。
「ここまでこれたのは紛れもなく超特急さんのおかげです。2桁号車のみんなもだけど、特に、ずっと最前線でEBiDANで走ってきた1桁号車の5人のみんな。最前線で走ることがどれだけきついことかというのを、僕は後ろで見てきたので、本当にここまで引っ張ってきてくれてありがとうございます」
超特急の1桁号車が走り続けた時間は、自分たちのためだけの15年ではなかった。その後ろには、同じEBiDANで活動する後輩たちがいた。先頭に立って超特急が走り続けたからこそ、後続グループが夢を見ることができた。佐野の感謝の言葉を受け、ユーキは「EBiDANが今年こんな盛り上がってるのは、間違いなくM!LKのおかげです」と感謝の言葉を返した。「EBiDAN、まじで最高なやつらの集まりです。この先、EBiDANで歴史変えていきましょう!」とも宣言した。この絆の強さが、現在のEBiDANの強さそのものなのかもしれない。
路上やショッピングモールで一人でも多くの8号車を増やそうとしていた時代、メンバーの変遷を経て、超特急が牽引してきたEBiDANは一大勢力へと成長。そして、結成初期からの夢、東京ドーム公演が現実になる。今の9人にとって、東京ドームはもう“終着駅”ではないだろう。かつて遠い夢として掲げた目的地は、新たな始発駅になる。超特急は今、猛スピードでその先へと走り始めている。
【調査概要】「国内ボーイズグループ調査2026」
調査対象:オリコン・モニターリサーチ会員 全国男女10~50代
サンプル数:総調査数N=5000※国勢調査を基にした2026年5月の人口推計を算出に使用し、人口推計に基づき割付
うち、対象グループ好感者n=1430が本調査対象
調査期間:2026年5月19日(火)~5月29日(金)
調査手法:インターネット調査
調査機関:オリコン・モニターリサーチ
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