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2026-05-17 01:12
フランスで開催中の「第79回カンヌ国際映画祭」で現地時間16日、コンペティション部門に選出された映画『急に具合が悪くなる』のフォトコールと公式記者会見が行われた。
【画像】『急に具合が悪くなる』フォトコール&記者会見の写真
前日に行われたワールドプレミアでは、観客から大歓声と拍手で迎えられた本作。すでに50以上の国・地域での配給も決定しており、世界的な注目を集めている。会場には濱口竜介監督をはじめ、ヴィルジニー・エフィラ、岡本多緒、長塚京三、黒崎煌代が登場した。
フォトコールでは、エフィラがサンローランのセットアップにカルティエのイヤリングを合わせたスタイリッシュな装いで登場。ショートパンツから伸びる美しい脚にも視線が集まった。一方、岡本はシャネルのジャケットにプリーツスカートを合わせ、国際的トップモデルとして培ってきた圧倒的な存在感を放ち、現地カメラマンから歓声が上がった。長塚はゼニア、黒崎はTOD’Sを着用し、濱口監督とともにリラックスした表情を見せた。
本作は、がんを患った哲学者と文化人類学者による往復書簡を原作とした作品。会見で濱口監督は、「言葉の多いこの内容をどう映画にすればいいかわからずにいた」と企画当初を振り返り、「大部分をフランスで撮れば、この会話劇を受け入れてくれる土壌があると思った」と明かした。さらに、「原作を読んだ時に体が震えるような感覚があり、それを何とか映画に移し替えたかった」と語った。
フランス側プロデューサーのジャン=リュック・オルミエール氏は、「文化に完全に浸り、現地の俳優たちとワークショップを行って働き方を理解しようとしました。それは全く例外的で注目すべきことでした」と、その徹底した準備を絶賛した。
アカデミー賞国際長編映画賞およびカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した、『ドライブ・マイ・カー』(2021年)でも話題を呼んだ、“濱口メソッド”についても言及。感情を排した本読みについて濱口監督は、「俳優が言葉の情報ではなく、体からあふれてくる感情の情報を使って演技ができるのではないか。俳優の集中力を非常に高めてくれるものだと期待して取り入れています」と説明した。
黒崎は「経験が浅い中で、このような素晴らしい作品に参加させていただいて、ただただ無我夢中でした」と振り返り、「濱口スペシャルメソッドでトレーニングメニューを組んでくれて、私は乗っかれば自然とたどり着いている、魔法のような演出だった」とコメント。
81歳で50年以上のキャリアを持つ長塚も、「大変勉強になりました」と感想を述べ、「演技というのはまだこんなにも奥深く、新しい発見があるものなんだなと感じた」と語った。フランス語のせりふは、「テキストを書き写して、書斎に貼ってその前を通るごとに黙々と読むということを日課にした」と役作りを明かした。
日本語での演技に挑んだフランスの国民的俳優ヴィルジニー・エフィラは、「私はまず『ひらがな』を読むことから習得するように言われました(笑)。子どものように読みながら、本当に早口でテキストを繰り返しました。大変な作業でしたが、それができて本当に幸せでした。これは単なる撮影ではなく、別の世界へ連れて行かれるような、人間としての深い経験でした」と振り返った。
フランス語での演技に挑んだ多緒も、「短い役者人生の中で、これほど豊かな時間をいただけたことはなかった」と語る。「毎日、次の日のテキストを何回も何回も読む作業を繰り返すことで、母語ではない言語が体に染み付き、恐怖なく現場に行ける段階まで持っていっていただけました。言語の壁を越えて、身体的・エネルギー的に『本当に通じ合えている』と感じられる瞬間が多々ありました」と手応えを明かした。
会見では、「ベネチア国際映画祭」で銀獅子賞を受賞した『悪は存在しない』(2024年)と本作のつながりについての質問も飛んだ。同時期に企画が進行していたという2作品について、監督は「根本的には自分が『何かすごく疲れたな』という気持ちだったと思います。なんでこんなに疲れているんだろうと考えた時、自分たちがいる社会というものが何かしら作用しているんじゃないかという気持ちが、両作品に反映しているのではないでしょうか」と語った。
本作の大きなテーマである「ケア」について問われた濱口監督は、「他者に対する関心」というキーワードを挙げ、「自分たちの生活の中で、人に関心を向けることがすごく難しくなっていると感じています。ケアのプロフェッショナルの仕事でさえ、その根本にある関心が奪われ、行為が形骸化してしまう状況がある。自分が今回拾い上げたいと思ったのは、その『ケアの根本にある、自分たちの関心を奪ってしまう何か』について考えたいということでした」と語っていた。
本作は、6月19日より全国公開。
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フォトコールでは、エフィラがサンローランのセットアップにカルティエのイヤリングを合わせたスタイリッシュな装いで登場。ショートパンツから伸びる美しい脚にも視線が集まった。一方、岡本はシャネルのジャケットにプリーツスカートを合わせ、国際的トップモデルとして培ってきた圧倒的な存在感を放ち、現地カメラマンから歓声が上がった。長塚はゼニア、黒崎はTOD’Sを着用し、濱口監督とともにリラックスした表情を見せた。
本作は、がんを患った哲学者と文化人類学者による往復書簡を原作とした作品。会見で濱口監督は、「言葉の多いこの内容をどう映画にすればいいかわからずにいた」と企画当初を振り返り、「大部分をフランスで撮れば、この会話劇を受け入れてくれる土壌があると思った」と明かした。さらに、「原作を読んだ時に体が震えるような感覚があり、それを何とか映画に移し替えたかった」と語った。
フランス側プロデューサーのジャン=リュック・オルミエール氏は、「文化に完全に浸り、現地の俳優たちとワークショップを行って働き方を理解しようとしました。それは全く例外的で注目すべきことでした」と、その徹底した準備を絶賛した。
アカデミー賞国際長編映画賞およびカンヌ国際映画祭脚本賞を受賞した、『ドライブ・マイ・カー』(2021年)でも話題を呼んだ、“濱口メソッド”についても言及。感情を排した本読みについて濱口監督は、「俳優が言葉の情報ではなく、体からあふれてくる感情の情報を使って演技ができるのではないか。俳優の集中力を非常に高めてくれるものだと期待して取り入れています」と説明した。
黒崎は「経験が浅い中で、このような素晴らしい作品に参加させていただいて、ただただ無我夢中でした」と振り返り、「濱口スペシャルメソッドでトレーニングメニューを組んでくれて、私は乗っかれば自然とたどり着いている、魔法のような演出だった」とコメント。
81歳で50年以上のキャリアを持つ長塚も、「大変勉強になりました」と感想を述べ、「演技というのはまだこんなにも奥深く、新しい発見があるものなんだなと感じた」と語った。フランス語のせりふは、「テキストを書き写して、書斎に貼ってその前を通るごとに黙々と読むということを日課にした」と役作りを明かした。
日本語での演技に挑んだフランスの国民的俳優ヴィルジニー・エフィラは、「私はまず『ひらがな』を読むことから習得するように言われました(笑)。子どものように読みながら、本当に早口でテキストを繰り返しました。大変な作業でしたが、それができて本当に幸せでした。これは単なる撮影ではなく、別の世界へ連れて行かれるような、人間としての深い経験でした」と振り返った。
フランス語での演技に挑んだ多緒も、「短い役者人生の中で、これほど豊かな時間をいただけたことはなかった」と語る。「毎日、次の日のテキストを何回も何回も読む作業を繰り返すことで、母語ではない言語が体に染み付き、恐怖なく現場に行ける段階まで持っていっていただけました。言語の壁を越えて、身体的・エネルギー的に『本当に通じ合えている』と感じられる瞬間が多々ありました」と手応えを明かした。
会見では、「ベネチア国際映画祭」で銀獅子賞を受賞した『悪は存在しない』(2024年)と本作のつながりについての質問も飛んだ。同時期に企画が進行していたという2作品について、監督は「根本的には自分が『何かすごく疲れたな』という気持ちだったと思います。なんでこんなに疲れているんだろうと考えた時、自分たちがいる社会というものが何かしら作用しているんじゃないかという気持ちが、両作品に反映しているのではないでしょうか」と語った。
本作の大きなテーマである「ケア」について問われた濱口監督は、「他者に対する関心」というキーワードを挙げ、「自分たちの生活の中で、人に関心を向けることがすごく難しくなっていると感じています。ケアのプロフェッショナルの仕事でさえ、その根本にある関心が奪われ、行為が形骸化してしまう状況がある。自分が今回拾い上げたいと思ったのは、その『ケアの根本にある、自分たちの関心を奪ってしまう何か』について考えたいということでした」と語っていた。
本作は、6月19日より全国公開。
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