E START

E START トップページ > エンタメ > ニュース > メリル・ストリープ「俳優は“いつも失業している”」 アン・ハサウェイと語る“働く女性”の本音と20年の変化

メリル・ストリープ「俳優は“いつも失業している”」 アン・ハサウェイと語る“働く女性”の本音と20年の変化

エンタメ
2026-04-20 10:30
メリル・ストリープ「俳優は“いつも失業している”」 アン・ハサウェイと語る“働く女性”の本音と20年の変化
映画『プラダを着た悪魔2』(5月1日公開)都内のホテルで取材に応じたメリル・ストリープ、アン・ハサウェイ
 トップファッション誌「ランウェイ」を舞台に、“悪魔のような”カリスマ編集長のもとで奮闘する主人公アンディの姿を描き、世界的ヒットを記録した映画『プラダを着た悪魔』(2006年)。公開から20年を経た今も“働く女性のバイブル”として愛され続ける同作の続編公開を控える中、ミランダ役のメリル・ストリープとアンディ役のアン・ハサウェイが4月上旬に来日。インタビューに応じ、作品を通して見えてくるファッション業界の変化、そして“働く女性”としての本音を語った。

【動画】『プラダを着た悪魔2』華やかな世界に“波乱”を予感させる本予告

 メリル・ストリープは、前作との最大の違いについてこう語る。

 「ファッション業界は、1作目の頃から大きく変わりました。1作目を撮影したのは、iPhoneが登場する1年前です。ビジネスモデルそのものが変化しましたし、雑誌の立ち位置もまったく違うものになりました。1作目の時点でも雑誌は少し危機に直面していましたが、今ではオンラインにつながるための広告的な役割がより強くなっていると感じます」

 さらに、「ストリートからファッションが生まれ、それを業界が一生懸命追いかけている」と、かつての雑誌主導の構造から、ストリート発信のトレンドへと変化した現状を指摘。「どうやって利益を生み出すのかという点も変わりましたし、広告主の存在はますます重要になっています。それはきっと、ほかの業界でも同じなのではないでしょうか」と続けた。

 一方、アン・ハサウェイはSNSの影響を強調する。

 「SNSのインパクトは本当に大きいと思います。特にファッションはビジュアルの力が大きい世界なので、その影響は計り知れません。1作目では、ファッション業界が少し閉ざされた世界として描かれていたと思います。誰がその世界で働けるのか、誰がテイストメーカーになれるのか、そういったことを“ゲートキーパー”が握っていた。でも、SNSの登場で、その構造は大きく変わりました」

 その変化についてアンは、「ある意味で“ファッションの民主化”が起きた」と表現し、「それはとても素敵なことだと思います。個人のパーソナルスタイルが本当に花開きましたし、“ファッショナブルであること”に決まった一つの形があるわけではなく、自分自身をどう解釈するかに委ねられている。その自由さがすごく魅力的だと感じています」と語った。

 『プラダを着た悪魔』は、厳しいキャリアと私生活の選択に揺れる現代の働く女性たちの心をつかみ続けてきた。今回の続編にもそうした共感を呼ぶ内容が期待される中、ミランダやアンディのように葛藤やプレッシャーに直面した経験、そしてそれをどう乗り越えてきたかを問うと、アカデミー賞を3度受賞しているメリル・ストリープからは意外な言葉が返ってきた。

 「俳優という仕事は少し特殊かもしれません。常に不安定で、ある意味では“いつも失業している”ような仕事です。何も保証されていませんし、次の仕事が決まっているわけでもない」

 続けてメリルは、「でも、今は多くの職業がそうなってきているとも思います。新しい役割に適応し、新しい現実を受け入れ、新しい人たちと働いていかなければならない。実は、そういうことを最近よく考えるんです。私の父は40年間同じ会社で働き続けました。でも、今の若い人たちはそうではありません。それが今の現実です。だからこそ、私たちはそれに合わせて変わっていかなければならない」とした上で、「できるだけ楽観的でいることが大切だと思います」と語った。

 20年前は、私生活を犠牲にしてでもキャリアに邁進することが特別ではなかった時代だったが、今はワークライフバランスを重視する人も増えている。そんな中、アンはメリルの働き方から学んだことについて、こう語る。

 「私は幸運なことに、メリルさんのお子さんたちとも親しくさせてもらっていて、みんな友人なんです。だからこそ感じるのですが、メリルさんは3度もアカデミー賞を受賞している特別な存在でありながら、本当に地に足のついた方なんです。決してそれを演じているわけではなく、自然体でそういう方なんです。その姿にとてもインスピレーションを受けます。私も、どんな仕事をしていても、リアルな人間であり続けたいと思っています」

 これを受けてメリルは、「ありがとう。私は、仕事をするたびに周りの人から学んでいます。スポンジのように、いろんな人のやり方を吸収しているんです。演技というのは本当にわからないものです。ほかの人はどうやっているんだろうと、いつも思っています」と応じた。

 さらに、「アンから学ぶのは、オープンでいることですね。彼女は毎瞬間にとても新鮮に向き合っている。すごく生き生きしていて、脆(もろ)さもあって、ときには少しやりすぎることもあるけれど(笑)、でもそれが魅力なんです。どんなシーンに対してもオープンでいること、それを保ち続けるのは簡単ではありません。アンは私の子どもたちと同じくらいの世代なので、子どもたちにも彼女のような姿勢を持ってほしいと思っています。聞いてくれるかどうかはわかりませんけどね(笑)」と、笑顔で語った。

 アンもまた、「メリルさんはよく、“みんなでスポンジみたいに吸収し合いましょう”とおっしゃるんです。私自身、時にはあえて“大きく”演じてみることもあります。監督に『もっと抑えて』と言われるかもしれない。それはちょっと怖いですけど、でも思い切ってやってみる。大丈夫、最終的には編集がありますから(笑)」と、快活に笑った。

 そんなアンを見ながら、メリルは「アンの素晴らしいところは、倒してもまた起き上がる人形みたいなところなのよ」と評していた。

 20年の時を経て、ファッションも働き方も大きく変化した現代。続編ではラストに向けての衣装や演出にも見どころが多く、アンは「これこそが本当のスタイルだと感じられる瞬間がある」と語る。華やかな世界の裏側だけでなく、「変化の中でどう生きるか」という普遍的なテーマにも注目したい。


関連記事


大ヒットスタートを切ったピクサー新作『私がビーバーになる時』声優にメリル・ストリープを起用した理由
『プラダを着た悪魔2』新予告映像に反響「登場人物が1ミリも老けてない」「ミランダ節(?)がたまらない」
【動画】『プラダを着た悪魔2』新予告映像
【動画】『プラダを着た悪魔2』新予告編からの先行映像
【動画】「久しぶりね」『プラダを着た悪魔2』解禁となったティザー

ページの先頭へ