エンタメ
2026-03-07 08:30
2002年に韓国KBSで放送され、日本でも社会現象を巻き起こしたドラマ『冬のソナタ』が、『映画 冬のソナタ 日本特別版』としてスクリーンに帰ってきた。
【動画】『映画 冬のソナタ 日本特別版』予告映像
日本では03年に衛星放送で初放送され、翌04年にNHK総合で放送されると、深夜帯にもかかわらず高視聴率を記録。「冬ソナ」という言葉が流行語となり、テーマ曲「最初から今まで」や雪の中で交わされる愛の約束に、多くの視聴者が涙した。
主人公チュンサンを演じた俳優ペ・ヨンジュンは“ヨン様”の愛称で日本の女性たちを魅了。来日時には羽田空港に約5000人が出迎えるフィーバーとなり、ドラマのロケ地である韓国・春川(チュンチョン)には日本人観光客が殺到するなど、日本の韓流ブームの原点とも言える作品となった。
初回放送から20年以上が経った今も、アニメ化や特集番組が制作されるなど、その人気と影響力は衰えていない。
今回公開された『映画 冬のソナタ 日本特別版』は、日本のファンへの感謝を込めて制作された“究極”の劇場版。1400分に及ぶドラマを約2時間へ再構成し、主人公二人の“純愛”を軸に物語を再編集。4Kリマスター化に加え、音楽も映画用に新たに編曲された決定版となる。
今回の映画化について、ドラマの演出を手がけたユン・ソクホ監督に話を聞いた。
■1400分のドラマを2時間に…「私にしかできない仕事」
――日本で社会現象になったことを知ったときは?
【監督】最初は「人気があるらしい」と聞いても、どの程度なのか実感がありませんでした。でもチェ・ジウさんと日本に行った時、空港に山のような人が集まり、フラッシュを浴びて、そこで初めて「本当にすごい人気なんだ」と実感しました。正直、予想外でしたね。
――今回、1400分のドラマを2時間の映画に再構成するのは大きな挑戦だったのでは?
【ユン・ソクホ監督】映画化の提案を受けたとき、実は私自身がやりたかった仕事でもあったので、とてもうれしかったんです。もちろん簡単な作業ではないとわかっていましたが、「面白い挑戦になる」と感じました。これは誰にでもできる仕事ではなく、私にしかできない仕事だとも思いました。
――今回、ご自身で編集・再編集されたそうですが、改めてどう感じましたか?
【監督】韓国で放送され、日本に輸出された後、私自身が最初から最後まで見返す機会はほとんどありませんでした。今回の映画化にあたり、ほぼ20年ぶりに一つ一つ見返しました。
当時は忙しすぎて見落としていた部分にも気づきましたし、脚本家の方々が本当に素晴らしい脚本を書いてくださっていたこと、俳優陣の演技がとても良かったことを改めて感じました。
見ている途中で脚本家に電話をして「本当にいい脚本を書いてくれてありがとう」と伝えたほどです。
■放送途中で16話→20話に変更「脚本家は本当に大変だった」
――放送当時、予定より話数が増えたそうですね。
【監督】韓国で放送が始まり、予想以上の人気となって、当初16話の予定だったものが急きょ20話に増えました。もともとない4話分を作らなければならなかったので、脚本家は本当に大変だったと思います。
当時の私は忙しさもあって、不満を言ってしまったこともありました。でも今回見返して、あの状況でここまで書き上げてくれたことに改めて感謝しました。
実は、ミニョンが病気になり、手術を受けても結果として亡くなる展開を脚本家は考えていました。しかし私は、その結末は望みませんでした。以前手がけたドラマ『秋の童話』が、終盤に主人公が亡くなる物語だったので、同じ印象になってしまうことは避けたかったんです。実際、視聴者からも「死なせないでほしい」という声が多くありました。
そこで、16話から20話に増やすことが決まったタイミングで、手術は受けるが亡くならず、その代わり視力を失うという現在のストーリーになったんです。
■チュンサンのメガネは演出の意図
――日本でもブームとなったチュンサンのメガネやマフラーファッションについて教えてください。
【監督】メガネについては、私がペ・ヨンジュンさんのデビュー作『愛の挨拶』(1994年)を演出した際、オーディションで“メガネあり/なし”で印象が大きく変わると感じました。『愛の挨拶』では模範生の役だったので、メガネをかけた姿で出演してもらったんです。そのことを思い出しました。
『冬のソナタ』では、高校時代のチュンサンと、記憶を失った後のミニョンという二つの人物像を、見た目でもはっきり違う存在として見せたいという狙いがありました。そこで、高校時代のチュンサンはメガネなし、ミニョンになってからはメガネをかけるという方針を、準備段階で決めていました。
一方、マフラーはスタイリストの提案でした。「こう巻いてみたらどうだろう」とアイデアを出してくれて、画面でもとてもきれいに映えたので、「いいですね」と採用しました。結果的に、メガネもマフラーもとても印象的なものになったと思います。
――キスシーンについても教えてください。
【監督】高校生の頃の二人は、やはり学生らしい恥じらいや初々しさを大切にしたいと思っていました。ですから、最初のキスは雪の降る日に雪だるま越しにキスをするような、少し照れくさい雰囲気の表現にしました。あの年頃の二人には、そのくらいの初々しさが合っていると思ったんですし、見る人にもその気持ちが伝わったのではないかと思います。
その後、二人が大人になり、お互いの気持ちを確かめ合ってからは、しっかりと恋人として向き合う関係になります。ですから、キスシーンももう少し大人の愛情が感じられる表現にしました。
キスシーンをそれぞれの年齢や関係性に合わせた表現にしているので、『映画 冬のソナタ 日本特別版』でも二人の恋愛の変化を自然に感じてもらえるのではないかと思います。
■「本物の感情は時代を超える」
――近年のKドラマブームに『冬のソナタ』が与えた影響をどう見ていますか。
【監督】『冬のソナタ』が放送されてから10年ほどの間は、家族関係や出生の秘密、記憶喪失といった要素が、その後の韓国ドラマで多く見られるようになりました。そういう意味では、“元祖”のように言われることもありました。
ただ最近は少し傾向が変わってきていると思います。NetflixなどOTT(配信サービス)の時代になり、作品がグローバル化して、題材も本当に多様になりました。ですから、現在の作品にまで直接影響しているかというと、そこまでではないかもしれませんね。
――配信の時代に、改めて『冬のソナタ』を見る若い世代へ伝えたい魅力は?
【監督】私は「真実味」や「誠実さ」という言葉を使いたいですね。どんな時代であっても、本物の感情がある作品は人の心に届くと思っています。
今の作品はテンポが速く、刺激も強く、笑いやアクションも分かりやすいものが多いですよね。でも『冬のソナタ』には、人をどれほど愛したのか、愛する人を失った時にどれほど心が痛むのか――そうした“本物の感情”が、俳優の表情や演技に表れ続けています。
時代が変わっても、人の心そのものは変わりません。若い世代にもきっと伝わると思います。この作品を見て「こんな美しい恋愛がしてみたい」と思ったり、人の心や恋愛について少しでも関心を持ってもらえたらうれしいですね。
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主人公チュンサンを演じた俳優ペ・ヨンジュンは“ヨン様”の愛称で日本の女性たちを魅了。来日時には羽田空港に約5000人が出迎えるフィーバーとなり、ドラマのロケ地である韓国・春川(チュンチョン)には日本人観光客が殺到するなど、日本の韓流ブームの原点とも言える作品となった。
初回放送から20年以上が経った今も、アニメ化や特集番組が制作されるなど、その人気と影響力は衰えていない。
今回公開された『映画 冬のソナタ 日本特別版』は、日本のファンへの感謝を込めて制作された“究極”の劇場版。1400分に及ぶドラマを約2時間へ再構成し、主人公二人の“純愛”を軸に物語を再編集。4Kリマスター化に加え、音楽も映画用に新たに編曲された決定版となる。
今回の映画化について、ドラマの演出を手がけたユン・ソクホ監督に話を聞いた。
■1400分のドラマを2時間に…「私にしかできない仕事」
――日本で社会現象になったことを知ったときは?
【監督】最初は「人気があるらしい」と聞いても、どの程度なのか実感がありませんでした。でもチェ・ジウさんと日本に行った時、空港に山のような人が集まり、フラッシュを浴びて、そこで初めて「本当にすごい人気なんだ」と実感しました。正直、予想外でしたね。
――今回、1400分のドラマを2時間の映画に再構成するのは大きな挑戦だったのでは?
【ユン・ソクホ監督】映画化の提案を受けたとき、実は私自身がやりたかった仕事でもあったので、とてもうれしかったんです。もちろん簡単な作業ではないとわかっていましたが、「面白い挑戦になる」と感じました。これは誰にでもできる仕事ではなく、私にしかできない仕事だとも思いました。
――今回、ご自身で編集・再編集されたそうですが、改めてどう感じましたか?
【監督】韓国で放送され、日本に輸出された後、私自身が最初から最後まで見返す機会はほとんどありませんでした。今回の映画化にあたり、ほぼ20年ぶりに一つ一つ見返しました。
当時は忙しすぎて見落としていた部分にも気づきましたし、脚本家の方々が本当に素晴らしい脚本を書いてくださっていたこと、俳優陣の演技がとても良かったことを改めて感じました。
見ている途中で脚本家に電話をして「本当にいい脚本を書いてくれてありがとう」と伝えたほどです。
■放送途中で16話→20話に変更「脚本家は本当に大変だった」
――放送当時、予定より話数が増えたそうですね。
【監督】韓国で放送が始まり、予想以上の人気となって、当初16話の予定だったものが急きょ20話に増えました。もともとない4話分を作らなければならなかったので、脚本家は本当に大変だったと思います。
当時の私は忙しさもあって、不満を言ってしまったこともありました。でも今回見返して、あの状況でここまで書き上げてくれたことに改めて感謝しました。
実は、ミニョンが病気になり、手術を受けても結果として亡くなる展開を脚本家は考えていました。しかし私は、その結末は望みませんでした。以前手がけたドラマ『秋の童話』が、終盤に主人公が亡くなる物語だったので、同じ印象になってしまうことは避けたかったんです。実際、視聴者からも「死なせないでほしい」という声が多くありました。
そこで、16話から20話に増やすことが決まったタイミングで、手術は受けるが亡くならず、その代わり視力を失うという現在のストーリーになったんです。
■チュンサンのメガネは演出の意図
――日本でもブームとなったチュンサンのメガネやマフラーファッションについて教えてください。
【監督】メガネについては、私がペ・ヨンジュンさんのデビュー作『愛の挨拶』(1994年)を演出した際、オーディションで“メガネあり/なし”で印象が大きく変わると感じました。『愛の挨拶』では模範生の役だったので、メガネをかけた姿で出演してもらったんです。そのことを思い出しました。
『冬のソナタ』では、高校時代のチュンサンと、記憶を失った後のミニョンという二つの人物像を、見た目でもはっきり違う存在として見せたいという狙いがありました。そこで、高校時代のチュンサンはメガネなし、ミニョンになってからはメガネをかけるという方針を、準備段階で決めていました。
一方、マフラーはスタイリストの提案でした。「こう巻いてみたらどうだろう」とアイデアを出してくれて、画面でもとてもきれいに映えたので、「いいですね」と採用しました。結果的に、メガネもマフラーもとても印象的なものになったと思います。
――キスシーンについても教えてください。
【監督】高校生の頃の二人は、やはり学生らしい恥じらいや初々しさを大切にしたいと思っていました。ですから、最初のキスは雪の降る日に雪だるま越しにキスをするような、少し照れくさい雰囲気の表現にしました。あの年頃の二人には、そのくらいの初々しさが合っていると思ったんですし、見る人にもその気持ちが伝わったのではないかと思います。
その後、二人が大人になり、お互いの気持ちを確かめ合ってからは、しっかりと恋人として向き合う関係になります。ですから、キスシーンももう少し大人の愛情が感じられる表現にしました。
キスシーンをそれぞれの年齢や関係性に合わせた表現にしているので、『映画 冬のソナタ 日本特別版』でも二人の恋愛の変化を自然に感じてもらえるのではないかと思います。
■「本物の感情は時代を超える」
――近年のKドラマブームに『冬のソナタ』が与えた影響をどう見ていますか。
【監督】『冬のソナタ』が放送されてから10年ほどの間は、家族関係や出生の秘密、記憶喪失といった要素が、その後の韓国ドラマで多く見られるようになりました。そういう意味では、“元祖”のように言われることもありました。
ただ最近は少し傾向が変わってきていると思います。NetflixなどOTT(配信サービス)の時代になり、作品がグローバル化して、題材も本当に多様になりました。ですから、現在の作品にまで直接影響しているかというと、そこまでではないかもしれませんね。
――配信の時代に、改めて『冬のソナタ』を見る若い世代へ伝えたい魅力は?
【監督】私は「真実味」や「誠実さ」という言葉を使いたいですね。どんな時代であっても、本物の感情がある作品は人の心に届くと思っています。
今の作品はテンポが速く、刺激も強く、笑いやアクションも分かりやすいものが多いですよね。でも『冬のソナタ』には、人をどれほど愛したのか、愛する人を失った時にどれほど心が痛むのか――そうした“本物の感情”が、俳優の表情や演技に表れ続けています。
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